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<本吉真希記者>
強制動員被害者(徴用工や女子勤労挺身=ていしん=隊)の問題をめぐっては、韓国大法院(最高裁)で2018年10~11月、三菱重工、日本製鉄(旧新日鉄住金)に被害者への賠償を命じる判決が出て確定しました。
◆◆韓国「民族問題研究所」対外協力室長 金英丸さん
韓国の「民族問題研究所」の金英丸(キム・ヨンファン)対外協力室長は、大法院判決の意義を振り返りました。 「日本の朝鮮に対する植民地支配が不法で、侵略戦争の遂行と直結する強制動員・強制労働が反人道的不法行為である点を明らかにした。これは、過去に全世界で帝国主義国家が強制的に広げた植民地支配が、必ず清算されなければならないことを明らかにした世界史的な判決です」
強制動員被害者らは1990年代後半から日本で本格的に裁判を起こしました。日韓の市民は被害者とともに、日本の植民地支配と侵略戦争の責任を粘り強く追及してきました。
◆判決で謝罪と賠償を期待
金さんは「大法院判決は日韓市民の連帯闘争が勝ち取ったもの。被害者にとっては初めて自身の長い闘争が実を結んだもので、謝罪と賠償を通して権利回復の道が開かれることを期待した」とのべました。
ところが判決から4年たっても、企業は謝罪と賠償に応じていません。 賠償のため日本企業の韓国内の資産「現金化」に向けた動きも止まりました。現金化は賠償金を支払ってもらえない被害者にとって「正当な権利行使」(金さん)です。しかし、現金化されれば「日韓関係が破綻する」という言説は両国に存在します。
「被害者は10代で植民地朝鮮から日本帝国主義の侵略戦争に引っ張りだされ、苦痛を受けた。踏みにじられた人権と尊厳を取り戻すために、生涯をかけてたたかっているのです」と金さん。”関係破綻”を強調して被害者を置き去りにする動きにこう問いました。「被害者の人権より重要な韓日関係、国益とは誰のためのものか」
◆◆「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」事務局矢野秀喜さん
「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」事務局の矢野秀喜さんは、日本で強制連行訴訟が進行中だった97年当時の政府答弁を紹介しました。
◆かつては認めた「国家の強制」
「募集、官あっせん、徴用などそれぞれ形式は異なっていても、すべて国家の動員計画により強制的に動員した点では相違なかった」(97年3月、参院予算委員会で辻村哲夫・文部省初等中等教育局長)
こうした認識の背景に「村山首相談話」(95年)。「日韓パートナーシップ宣言」(98年)などがあったことは間違いないと矢野さんは指摘します。
「『談話』『宣言』で日本は過去の侵略、植民地支配がアジアや韓国の人々に多大な損害と苦痛を与えたことを反省し、謝罪しました。それが多くの国民に受け入れられていたのです」
「強制連行問題は、90年代は歴史の事実そのものを(現在のように)政府レベルで争うような状況になかった」と矢野さん。訴訟9件のほぼすべてで強制連行・強制労働の事実を認定。うち日鉄釜石など3件で和解解決しました。
一方、事実を否定する動きが各地で活発化し、現在に至ります。
矢野さんは、被害者が韓国で起こした裁判に日本企業は応訴しながら、大法院判決に従わないのはコンプライアンス違反だと批判。また、被害者と加害企業の間の訴訟に日本政府が介入するのは「民事不介入」の原則に反すると指摘します。
日本政府は65年の日韓請求権協定で「解決済み」と主張します。矢野さんは「65年時点で日本政府は植民地支配の反省も、強制動員被害者への謝罪もしていません。被害者は強制動員による肉体的・精神的被害に対する慰謝料を求めています。このような個人の請求権が消滅していないことは日本政府も繰り返し認めていることです」
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