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(構成・石橋 学)
◆平和築く努力を敵視
スパイ防止法の目的は間もなく戦争が始まるという雰囲気に社会全体を変えていくことにあります。戦争に反対すると「スパイじゃないか」と思われるようになり、戦争反対と言えなくするのです。勝共連合が全国でまいてるビラには「スパイ防止法に反対してる人はスパイだ」とある。だから私は「お前が検挙第一号だ」とSNS(交流サイト)のX(旧ツイッター)に書き込まれています。そうした攻撃が既に始まっています。
スパイ防止法の制定は自民党、日本維新の会の連立合意事項で、野党の国民民主党と参政党も独自法案を提出済みです。外国勢力活動登録法、外国代理人規制法といった耳慣れないものも盛り込まれています。これは、国に登録しないで外国人と交流することを犯罪化するものです。スパイ防止法とは、日本の市民が世界の市民と手をつなぎ、平和な社会を築いていこうとする努力を敵視して、できなくする。そこに本質があります。
国民民主案では外国から資金援助を受けているNGOなどが全てスパイ組織とみなされかねません。市民を黙らせる法律であるのに、「民主的統制」「政治的中立性」「透明化」といった耳当たりの良い言葉を使い、法制定の露払いを務めようとしているようです。
一方、参政の神谷宗幣代表は昨年の参院選の演説で「極端な思想の人たちは公務員を辞めてもらわないといけない。これを洗い出すのがスパイ防止法だ」との考えを示しており、治安維持法とそっくりな言い方です。
実際、参政の衆院選のキャッチコピー「アイ・アム・ジャパン」は治安維持法における「国体」の概念とつながっているようです。治安維持法では天皇を中心にした国体概念が野放図に広がり、天皇制廃止を求める日本共産党から社会主義者、天皇制を信奉しない仏教徒、キリスト教徒へと「国体に反するもの」が拡大されていき、あらゆるものが弾圧されました。
参政の法案ではセキュリティークリアランス(適格性評価)の項目に外国渡航歴や日本国籍取得者の元の国籍が入っています。信じられないことに「帰化した人は純粋な日本人ではない」とみているのです。そうして外国とのつながりから思想信条まで調べていく。その「日本人」も日本に反するようなことを言う者、日本語をきちんと話すことができない者、日本を愛する心がない者と、次々に広がっていく。そうして、治安維持法に勝るとも劣らない猛威を振るうことになるのではないかと危惧します。
高市早苗首相は解散に際して「国論を二分する政策、改革に挑戦するには国民の信任も必要だ」と言いました。衆院選後にはスパイ防止法を必ず出してくる。憲法改正も、核保有も出してくるかもしれない。政府が戦争を進める方針を決めたら反対することが取り締まられる。そんな世の中になってしまう。スパイ防止法に反対しなければいけません。自民、維新、国民民主、参政に投票してはいけません。
<28日、第4回スパイ防止法を考える市民と超党派議員の勉強会>
【用語解説】◆スパイ防止法◆
自民党と日本維新の会の連立合意では、インテリジェンス・スパイ防止関連法制(基本法、外国代理人登録法、ロビー活動公開法など)を速やかに成立させ、併せて国家情報局を新設するとしている。国民民主党も外国勢力活動透明化法案に加え、独立したインテリジェンス機関の創設を盛り込み、諜報活動関係者に仮想身分を与えて身分を保障するとしている。参政党の法案は外国への情報漏えいに罰則を設けるほか、対外情報庁の設置を政府に義務づけた。情報機関を巡っては、米国の中央情報局(CIA)のように戦争を仕掛ける謀略機関として機能しており、憲法で戦争を放棄した日本にはそぐわないとの批判がある。
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