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近年の格差拡大と国民の生活水準低下がいかに意図的な政策の結果だったか、インフレと円安がどう政府をホクホクにするのかがよくわかる。 高市政権が掲げる積極財政のリスクも論じられていて代償を支払うのは、常に労働者と年金生活者だ。
では、念仏のように繰り返される「責任ある積極財政」は、専門家が警告するリスクが現実のものとなった場合、誰がどう「責任」を取るのか。
「大義なき解散」「党利党略」などと右も左も批判した衆院選について「高市早苗が首相でいいか、国民の信を問う」と繰り返した首相は、実際には投票日前から、首相として訪米する準備をしていた。 結果がわかっているからこそやった選挙では、「信を問う」も、「責任ある積極財政」同様、「高市劇場」の真実味に欠ける台詞(せりふ)と化す。
その劇場の新作「解散選挙」に国民は800億円の入場料を払わされたが、その割にこの演目は大好評だったように見える。喝采の真っただ中では、劇を酷評するのも憚(はばか)られる雰囲気さえ漂う。が、自民の得票率に目を向けると、小選挙区で5割弱、比例で4割未満。高市1強の吉凶はともかく、国民の半数以上がこの熱狂の波に乗らなかったという事実は捨てたものではない。空虚な言葉の海に浮かぶ藁(わら)以上の価値はある。
(文筆家)
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