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高市早苗首相の式辞の前半は、昭和天皇の巡幸と戦後復興、その後の経済成長、1956年の国連加盟や冬季五輪での猪谷千春選手のメダル獲得などの話。軍国主義や侵略戦争への反省の言葉は一切なく、昭和時代の称賛に終始した。後半は「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境」「挑戦しない国に未来はありません」「日本列島を強く豊かに」など、所信表明か選挙演説のようだった。
僕が最も危険性を感じたのは「日本の誇るべき国柄」を次の世代へ引き継ぐ責任という件(くだり)だ。
「国柄」は「國體(こくたい)」と同義であり、天皇制に依拠した戦前の国家主義を示す言葉だ。個人の尊厳を根本的な価値とする日本国憲法とは相容れない。
そもそも昭和は1945年8月15日で断絶している。祝うなら100年ではなく80年だ。この式典は、天皇と元号を政治利用して大日本帝国への回帰の機運を作り出す企てではないのか?
参列させられた若者たちは、これが何のための式典なのか考えてみただろうか。黙って座っておられた天皇と皇后は何を思われただろうか。
(現代教育行政研究会代表)
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