ベルギ-永住ミステリー小僧のブログ

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2023.06.15
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カテゴリ: パリ




会社の名前はEDI CONSEILといい、
パリ16区にオフィスがありました。
一度休みの日に彼女Cricri(ニックネームです)に連れて行ってもらったことがあるのですが、入ってみてビックリ

イエロ-の
を基調にしたインテリアで統一されており、当時現地の日本商社やフランスの保険会社などは頻繁に訪問していましたが、そこはそれらとは全く異質の世界でした。とにかくファッショナブルであか抜けているのです。
決して豪華ではないのですが、華やかでお洒落なオフィスという感じがしました。至る所にファッション雑誌も置いてあるし、クリエイティブな香りがします。

どうも全てが個室又は2人部屋みたいです。


-流石は広告代理店だなぁ。こんなところで仕事してみたいなぁ。

と思わせる空間です。もう感心することばかり。

その日は休日でオフィスには誰もいませんでしたが、ここに彼女Cricriの大の親友である
Véroniqueヴェロニックも働いているんです。

Véroniqueは一言で言えば、まず典型的なパリジェンヌですね。それも私がそれ迄接したことのないタイプの女性、と言っていいと思います。
一般的なフランス人は、人に接する時、話をする際にたとえ初対面であっても遠慮をすることはまずありません。こんなことを言ったら変に思われないだろうか、という日本人によくある気おくれというものも(私がそうだったのです(^_^;))ありません。ですから、会話は最初から砕けたストレ-トなものになります。

言葉の問題と気おくれもあり会った当初は緊張しっぱなしでしたが、この人たちはそういう飾らない性格の好奇心旺盛な人なんだ、という事が分かってくると、私も余計なことは一切考えずに、ただ自分の思ったままを話すようになりました。

彼らはとにかく人と話をするのが大好きな愛すべき人間なのですウィンク
言葉がへたくそなのは会う前から分かっているんですから、理路整然と話せなくても、オチが無い中途半端な話し方でも、好奇心が強いと言われているフランス人にとって、日本という魅力的な国からやってきた不可思議な男に、興味が無い訳は絶対にはありません
ですから、何か何でもいいから話せばいいんです。話すことが無くなることは絶対にありません。だって、彼話はいつも先を争って質問してきますから。

Véroniqueもフランス人一般の例にもれず、自分の心の中を余すところなく表情で態度で表現できるパワ-と強烈な個性を持つ女性でした。そして恋を愛する女性でもあったのです。彼氏Martinマルタンとのラブラブイチャイチャ振りには、会うたびに見せつけられました。ぽっ

Véroniqueはよく私にフランス語のレッスンをしてくれました。まあ、いわば私のフランス語の師匠でもあったのです。ただしちょっと危ない先生でしたが。

或る時、私にこう言いました。
「ねえヨシ(私のニックネームです)、これからいう事は大事なフランス語の言い回しなのよ。だからしっかり覚えなくちゃだめよ」
そう言いながらウィンクします。

そういう時は経験的に何かある時なのでCricriを見ると
「Véro、あんまり変なことをヨシに教えないでよ、彼直ぐに本気にしちゃうから」

「英語のスラングって知っているでしょ? フランス語にも似たようなものがあってGros mots(グロモと発音します)って言うんだけど、その中の一つにこういうのがあるの」
「くたくたに疲れた時に、ラルボ-ル(Ras le bol!って書くのは後で知りました)って言うの。こうやって上司に向かってそうやれば最高よ
と言って、頭のすぐ上に掌を水平において、それを頭の後ろに勢いよく引きながらラルボ-ル(Raz le bol)と繰り返しました。それも怖い顔をして!

「これをやりながらRaz le bol!って言うと、上司は大喜びよ
と言って彼女は大声で笑い転げます。まるで私が上司に向かってやっているのを想像しているかのように。

実は、この表現と動作がすごく気に入って、Cricriの前でよくやっていたんです。オフィスで現地従業員の前でもやったことがありました。
初めのうち彼女は面白がっていたのですが、そのうちに少々心配になって来たのか、こう言ってたしなめます。

「分かっているとは思うけど、Véroniqueの言ったことを本気にしちゃだめよ。こんなことあなたの上司の前でやったら大事になるわよ。勿論フランス語が理解できればの話だけど」
と言って、こう続けます。
「Ras le bol、正確にはJ'en ai ras le bol! なんだけど、ものすごく不満が溜まってて爆発しそうなときに言う言葉なのよ。だからもし、あなたの上司にこんなこと言ったら、それこそ上司に対する不満をぶつけていることになるから、ものすごくヤバいことになるわよ」

どうもTPOをわきまえて使わないとヤバい表現らしい。日本語に訳すと「うんざりする」がぴったりするようだ。これを怒気迫る表情でやったら、そりゃあ不味いだろうなぁ。

Véroniqueからは会うたびに際どいGros motsを教わったのですが、Ras le bol!以外は何故か全く記憶に残っていません。
その理由の一つに、Ras le bolには独特の動作が伴っていたからだ、と後で気付きました。
やっぱりフランス語は身振り手振りが無いと面白くないし、独特の身振り手振りが伴うRas le bol!こそが、数あるGros motsの中で最高だと自分的には今もそう思っています。

今、私のフランス語の師匠はどうしているのでしょうか。
Cricriから聞いた話では、熱々だったMartinとはかなり前に別れたとのことでした。
悲しいと思う前に、信じられない、というのがその時思ったことです。
あんなに私たちに熱々ぶりを見せびらかしていたのに、男女の仲というのは本当に分からないものです。ミステリアス、と言い換えても良いと思います。

あれほど恋を愛していたVéroniqueは、今何を思うでしょうか。
悔しい思いがあるならば、私たちに向かってラルボ-ル(Raz le bol)と叫んでくれてもいいんです、怖い顔をして!

でも私は知っているんです。Véroniqueが強い女性だという事を。そして恋をすることによってより強く魅力的になっていく女性だという事を

最後に、CricriとVéroniqueのツ-ショットです。勿論当時の



勿論右側の人がVéroniqueです。
1986年12月Noël(クリスマス)パーティの時の写真ですから、私と知り合い親しくなる1週間ほど前の写真です。

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最終更新日  2023.12.12 23:31:15
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