ベルギ-永住ミステリー小僧のブログ

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2024.05.16
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カテゴリ: 昨日の小僧日記

一昨日は何回か延期した自家用車のControl Technique(車検)に行ってきました。
期限を2ヶ月ほど過ぎているし、車の状態も我が家同様にくたびれているので、車検を通るか心配していましたが(車を修理に出したガレ-ジは大丈夫、と太鼓判を押してはくれたのですが)、難なくパスした様でした。良かった~!
ベルギ-では車検は車検場でしか受けられませんから、その日はEVEREの車検場に娘の運転で行きました。彼女にしてみれば数週間前に自分の車の車検でそこに来たわけなので、手慣れたもんでした。


検査が終わり支払いを済ませてさあ帰ろうか、というところで現在も進行中で気になる遺産相続手続きについて自然と話が移りました。その時突然娘が「パパは可哀そうだね」って言ったので私はびっくりしてしまいました。

なんで?、と聞き返したら、
「だって、遺産相続と言っても死んだのはママで、パパは生きているのに自分の財産の半分を私たち子供に渡さなければならないし…。
だいたいパパとママの財産と言っても元々はパパが一生懸命働いて蓄えたお金なのに、 残った半分では住み慣れた場所で新しい家を見付けるのは不可能、と不動産屋に言われたじゃない。パパが不自由な目に会うのはおかしいし可哀そう…。」

娘のこの言葉を聞いた時の私の気持ちは、思わずもらい泣きしてしまいそうなくらい心がざわめいていました。


実は1週間ほど前に、家の資産価値を出してもらうためにいくつかの不動産屋に家に来てもらった際、娘がこの家を売却した場合、その半額(私の取り分)でこの近くの場所で小さな中古住宅やマンションを買ったりできるか聞いた際に、全員から「不可能ですね」と言われたことを言っていると判りました。


今回の遺産相続に関しては驚いたことがいくつかあります。
その一つが、遺産相続に関する財産の定義です。

日本では妻が死亡した場合は(ネットで調べた限りでは)、 妻名義の口座は凍結されますが、夫の口座は凍結されません。また相続の対象は妻名義のものに限られる のです。

一方ベルギ-では(フランスも同じと思う)、結婚時に「 Contrat契約 」を交わした場合をのぞいて、妻と夫の財産はまとめて一つとみなされ、全て相続対象になります 。それに妻の口座だけではなく、配偶者である夫の口座も凍結されます。

この 契約 というのは、例えば次のようなことです。
1)婚姻時の財産状態を夫婦別に記して、どちらかの死亡時にはその契約に従って相続する。離婚時も同様のはずです。
2)婚姻時にあらかじめ相続方法を決めておく。例えば、どちらかが死亡した場合は全財産は配偶者に残す、とか。

要は離婚時や相続時に少しでもゴタゴタを無くす、ある種の遺言状のようなものだと考えればわかりやすいでしょう。

私と妻の場合は契約をしませんでしたから、今回の妻死亡時には妻と私の財産はまとめて扱われ、ベルギ-の法律に則って配偶者に半分(言い換えれば半分に減る訳です!)、子供たちに残り半分を均等に分配されます。そして相続税を払う義務は子供のみにあります。

仮に日本の相続手続きに基づくならば、相続対象となる財産は妻名義のものだけなので夫名義の財産はそのまま手つかずで残ることになります。だからほぼ望み通りに(近くに)家(勿論独り住まいのごく小さな中古の家)を買ったり、小さな中古マンションを買ったりできるはずです。
でも今回の相続によって本来であればできたはずのことが出来なくなり、今の家の状態を考えれば出来るだけ早く、
今後の生活を真剣に考えざるを得ない状況になってきたのです。

前にもこのブログで書きましたが、全く気分が乗りません。気分が乗らないというよりも、全く知らない場所で暮らす(それも一人で!)ことなんて今の自分には考えられないことなんで、気持ちの整理がつかない、ということなのでしょうか。

ただ、少なくとも我が子がそう思ってくてているのを知っただけでも、気持ちの上では救いになります。
もう一人の息子には今回の不動産屋から「不可能ですね」と死刑宣告されたことは話していません。今後の私のことを話すときに言わなければならないでしょうが。

兎に角、今回の遺産相続に関しては驚くこと、悲しいこと、腹の立つこと、落胆することばかりです。まあ配偶者の死という突然の悲劇にあっているのですから、いい話なんてのはある訳無いのですが…。
そしてこれからは、私は子供たちに対して金銭的に援助する、なんてことは出来ない立場になります。自分のことで手いっぱいになるでしょうから…。
私ができそうなことは、会う時にはとにかく笑顔で迎えることだけになるでしょう。今の孫と会う時みたいに…。

私が、そして家族がどう思をうが、相続手続きを粛々(この言葉はよく政治家が使いますね。私も使ってみたかった!)と進めるしか選択肢はありません。過酷なものです、残された家族にとっては。


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最終更新日  2024.05.16 17:52:38
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