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今季より先発からリリ-フ/救援にコンバ―トされた藤平。ここで改めて紹介する必要のないくらい活躍した投手でした。今季振るわなかった投手陣の中で、早川、藤井、鈴木翔天らと共にブレ-クした投手の一人です。
昨年10月に、当時打撃コ-チだった今江さんが監督に就任後、いくつかの大事な決断をしました。一つは、絶対的守護人だった松井裕樹のMLB移籍に伴い、則本を後任に指名したこと、そしてもう一つは藤平を先発からリリ-フに配置転換することでした。その時の私のブログはこちらです。
2023年11月7日のブログ
藤平君はまだ忘れられていないようだ。来季はリリ-フ転向か。
ここでは、藤平のリリ-フへの配置転換、いわゆるコンバ―トについて書いていこうと思います。
では、先ずはいつものように今季の成績から。10月8日時点です。
防御率 試合 勝 敗 ホ-ルド セーブ
回数 被
安
被
本 四球 三振 失点/自責 被打率 WHIP
1.79 46 0 1 19 1 45.1 29 4 12 56 11/9 .184 0.90
素晴らしい、文句のつけようのない成績です。
藤平は確か体調不良かなんかで離脱していましたので、
今季の月別の成績を見てみることにしましょう。
防御率 試合 ホ-ルド セ‐ブ 回数 被安 被本 三振 四球 被打率 WHIP
3・4月 1.80 10 3 0 10.0 8 0 12 1 .222 0.90
5月 0.00 2 2 0 1.2 2 0 2 0 .286 1.20
6月 4.50 2 0 0 2.0 3 0 1 0 .375 1.50
7月 0.00 7 2 0 8.0 5 0 7 2 .179 0.88
8月 0.87 11 6 0 10.1 5 1 15 5 .147 0.97
9月 3.38 11 6 0 10.2 4 2 15 4 .114 0.75
10月 3.38 3 0 1 2.2 2 1 4 0 .222 0.75
1軍に復帰した7月以降は、鬼神のような働き・活躍でした。
9月は防御率が悪いですが、これは日本ハム戦でレイエスに3ラン、清宮にソロを浴びた影響かと。
流石に疲れが出てきたのか、9月以降は被弾数が増えてきていますが、一方で目を見張るのは
同時期に
奪三振数が急増している
ことです。何とかCSに行きたい、という強い気持ちとチ-ムの高揚感が彼を奮い立たせたのか…。
では最後に、 球種別での被打率
データを昨年(先発)と比べて見ることにします。
2024(リリ-フ)
2023(先発)
割合% 球速キロ 被打率
割合% 球速キロ
被打率
ストレ-ト 62.5 150.5 .176
49.7 146.8 .344
フォ-ク 31.6 139.8 .167
20.3 138.4 .122
カ―ブ 5.0 122.6 .429
13.9 120.5 .222
スライダ- 0.9 139.6 .000
16.1 133.9 .175
全球種 .184 .249
パッと目につくのは、ストレ-トの被打率が格段によくなっていることです。これは今季はリリ-フで1イニング限定ですから、スタミナを気にせずに力いっぱい投げられるからでしょう。平均球速も3キロ以上アップしています。自信があるから配球割合も上げていますね。
得意球のフォークも今季は多投しています。当然のことです。
気になるのは、昨季被打率が良かったスライダ-の割合を極端に減らしていることです。もっと増やしても良い気がしますが…。
カ―ブは結構打たれていますね。
実は彼の武器となっている『フォーク』なんですが、以前何か書いたことがあるなぁ、と思って過去のブログを探したところ、有りました!これです。
中継ぎ転向&磨き上げたフォークで光を取り戻す
ちょっと気になったところを抜粋すると(長い引用になりますが)、
『試しているのは落差が大きいものと、チェンジアップのように奥行きが出る2種類のフォーク。だが、打席で後者のフォークを見た先輩の岡島から「それだと(バットに)当てられる。俺は全然怖くない。それなら 真っすぐがホップしてくるんだから、ストライクの真ん中ぐらいから落ちていくフォークの方が狙いづらいよ
」 とアドバイスを受け、前者のフォークを磨き上げている。
7日に行われたシート打撃で早速、試投する機会が訪れた。相手はアドバイスをくれた巧打者の岡島。初球に落差の大きいフォークを投じるとバットは空を切った。藤平は「(岡島)豪郎さんは簡単に空振りしないので、試したかった。豪郎さんから空振りを取れたのは大きな自信になる」とうなずいた。』
中継ぎに転向するにあったって、どうしても 空振りを取れる球が欲しい
という事で、2種類のフォ-クをバットコントロ-ルの上手い岡島選手に投げたら、上のようなアドバイスをもらった、という内容です。
ということは、 『
落差が大きくて、
ストライクの真ん中ぐらいから落ちていくフォーク
』 を今季は武器にしているのでしょう。では、それをデ-タ(10月8日時点)で見てみると、
投球数 空振り 空振り率%
ストライク割合 奪三振数
2024年フォーク 213 52 24.4%
53.5% 19
2023年フォーク 188 24 12.8%
40.4% 9
空振り数を投球数で割ったものを『空振り率』と呼ぶとすれば、今季は昨季に比べて フォークの空振り率
は大幅にアップしていると言えます。
やっぱり藤平はリリ-フへのコンバ―トに当たって、しっかりと『準備』をしていたんですねぇ。だからこそ今季ブレ-クすることが出来たと。納得です。
確か、早川のフォークについても岡島のアドバイスを受けていた様な記憶がありますが。これについては、『早川の巻』で触れてみるつもりです。
さて、ここで先日ブログで書きました則本の投球について、ちょっと補足したいと思います。
次の表は、今季と昨季の則本の球種ごとの空振り率と被打率を示しています。
2024(クロ-ザ-) 2023(先発)
割合% 球速キロ 空振り 空振率% 被打率 割合% 球速キロ 空振り 空振率% 被打率
ストレ-ト 48 150.5 25 6.1 .305
44.0 146.9 37 3.5 .238
フォ-ク 28 139.5 48 20 .296
20.8 137.4 91 17.9 .248
スライダ- 15 132.6 19 14.7 .233
19.2 131.5 61 13.0 .246
カ―ブ 6 114 3 5.8 .000
8.2 111.6 17 8.5 .176
チェンジアップ 1.7
127.7 1 6.7 .667 6.6 126.3 12 7.5 .194
クロ-ザ-に転向した今季は、全投球の76%を占めるストレ-トとフォークの平均球速や空振り率は上がっているのに、それらの被打率は大きく悪化しています。
基本、1イニングしか投げないクロ-ザ-なので、球速や空振り率が上がるのはわかりますが、被打率のみ悪化しているのは何故なんでしょうか?
則本は今年34歳なので、26歳の藤平のように『フォークに磨きをかける』ということが簡単に出来ないかもしれませんが、今の投球でクロ-ザ-を続けても成功は望めないかと思います。
クロ-ザ-であれ先発であれ、主力投手として彼が生き残るには、決め球の無い現在の投球に何らかの『てこ入れ』が必要かと思います。問題はそれができるのか、やれるか、でしょうか。
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