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編集者は原稿の割付を終えると、次にそれを組版(割付に従って文字や図を配置し、紙面を構成)するために印刷所に入れるわけですが、その前段階として、その原稿をどの印刷所に入れるかを決めるため、予め数社の印刷所に見積りをとるということをしておきます。 今はコスト面 ・技術面において印刷所同士でそれほど大きな開きはなくなってきているということもあって、以前ほど見積り額に差が出てこなくなってきた感があります。 そのため、場合によっては依頼している仕事の割合 (A社、B社、C社にそれぞれ何冊の仕事をお願いしているか、 といったバランス) で判断するというときも出てきます。 本には、本文が縦組や横組のものがあります。 また、・ 1ページ当りの字数や行数・ ページ番号 (ノンブル) の位置や書体・ 本文が書かれている領域 (版面) の上や下 (天や地) に小さな活字で書かれている、章や節のタイトル (これを柱と言います) の位置や書体なども、 本によってそれぞれ違っています。 本文を読むに当っては読者があまり気にかけないようなちょっとしたところにも、編集者は割付の際に指定を行なっています。 編集者は、 どのようなスタイルの本に仕上げるかを考えて、 原稿を組版するときの基本スタイル (組規定書) を作り、印刷所のオペレーター (実際には、会社に毎日足を運んで下さる営業の方) に渡します。 組規定書には、上に挙げたようなスタイルの指定の他に、本のタイトル (入稿時は、まだ仮題という場合が多いですが) や刊行予定日、印刷予定部数なども記します。 手書きの原稿の場合は、オペレーターはそれこそ一つ一つ打ち込んでいかなければならないのですが、今はワードなどのソフトを使って原稿を執筆する著者が多くなりましたので、印刷所に原稿を入れる際にそのデータファイルも一緒に渡すことで、組版のスピードアップが可能となりました。 もちろん、このデータを渡しただけでは、オペレーターにはその原稿をどんなレイアウトに組んだらよいのかがわかりません。 そのため、編集者は原稿をプリントアウトしたもの (これをハードコピーといいます) に、前回述べたような割付を行なう必要があるわけです。 そして、すべての準備が整ったら、 原稿のデータファイル 割付したハードコピー (原稿) 組規定書の3つを印刷所の営業担当者に渡して、 入稿が完了となります。 なお、 出版社の社内でDTP (デスクトップパブリッシング) を行なっている場合には、社内で完成させた組版のデータファイルを最後に印刷所に渡して、印刷のみをお願いするという流れになります。
2008.01.30
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用字 ・用語の統一をしながら、 原稿を一通り読み終え、 これで特に内容的に問題がない (まだ若干気になる箇所はあるが、 それは校正の段階で処理すれば済む程度) と判断した編集者は、 次に、その原稿に割付 (わりつけ) という作業を行なっていきます。 割付とは、その原稿の読者対象やレベル、読みやすさなどを考慮しながら、原稿に書体や文字の大きさの指定、図の配置などのレイアウトの指定を入れていくもので、原稿に本の1ページごとの設計図を書き入れていくようなものと言えます。 具体的には、次のような作業を行ないます。 1. 章や節の見出し文字の書体や大きさ、配置を指定する。 2. 読みやすさ ・わかりやすさに配慮しつつ、本文活字の書体や大きさ、配置を指定する。 3. 図をどこにどのように配置するかを指定する。 編集者の頭の中では、具体的な割付まではいかなくても、その本を企画した時点で、仕上がりのイメージというのは大まかにでもできているのが普通です。 そこで、その本の読者対象をイメージしつつ、また位置づけ (啓蒙書や入門書か、それとも教科書的な本か、あるいは専門的な本なのかなど) を考えながら割付をしていくことが必要となります。 これはとても重要なことですが、同じ原稿であっても、割付の仕方によって、その本の読みやすさや印象は全くと言っていいほど変わってしまいます。 そのため、その本の狙いや読者対象をきちんと押さえて、それに合った割付をしていかないと、割付の方向性を間違ったがために、売れるものも売れなくなってしまうということになるわけです。 例えば今、何かあるテーマについて勉強したいと思っているとします。 多くの方は、まず最初は入門書から読んでみようと考えると思います。 そして、それを一通り読破した上で、いよいよ本格的に勉強してみようと考えたときに、手にした本が (表現としては不適切かもしれませんが) 遊び心の入った見出しやレイアウトだと、 「この本は入門書みたいで、専門書としては物足りない内容かも・・・」 という印象を持つのではないかと思います。 すべての読者が上のように感じるというわけではないと思いますが、 “内容は、まさにあなたに読んで欲しいレベル” であるにもかかわらず、割付から受ける印象で、本来買って欲しい読者に敬遠されてしまうということが起こりうるわけです。 また逆を返せば、たとえ難しい内容の原稿であっても、割付の工夫次第で、読者に易しい印象を与えることもできるということになります。 “原稿の内容、読者対象に合った割付をする” というのは言葉で言うほど簡単なことではなく、特に編集者として駆け出しの頃は、仕上がりのイメージがうまくできず、思うように割付ができません。 そのため、割付して印刷所に入稿した原稿が組版されて出てきた校正刷を見て、指定があまかったことに気がついて大幅に軌道修正したりということがよくあります。 原稿の割付に正解というのはないと思うので、 こればかりは、 多くの経験を積んで、多くの本を参考にして、そしていっぱい悩んで、自分なりに会得していくしかないと思います。
2008.01.23
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連載中のミニ講座ですが、今回は少し趣きを変えて、 “書籍編集者へのQ&A” というものを作ってみました。 自問自答して作ったので、これ以外の質問や回答も十分に考えられるのですが、参考になればと思います。 Q 1 編集者に向いている人は? A 1 好奇心が旺盛な人、というのが まず挙げられると思います。 それから、一つのことをいろいろな視点で見ることができる人、創造力 (発想力・想像力) が豊かな人、人との出会いを大切にする人。 そして、一つのことを最後までやり遂げるだけの強い責任感と根気強さを持っている人。 Q 2 大卒でなければいけないの? A 2 大卒を条件としている出版社が多いことは確かですが、高校を卒業後に専門学校で編集に関することを学んで出版社に入社するという方もいます。 また最近は、学歴不問というところも出てきているようです。 Q 3 大学では○○を専攻した方が有利? A 3 編集者になるのに有利な専攻といったものは特にありません。 ただ、学術系の出版社を目指す場合には、その出版社が得意 (専門) としている分野を自分自身が専攻している方が、仕事をしていく上で有利であることは確かです。 Q 4 大学時代に編集技術やデザインのことを自分で勉強しておいた方がよい? A 4 知らないよりは知っていた方がよいということは言えますが、必ず勉強しておかなければならないということではありません。 入社してから、先輩の編集者に一から教わる (見て学ぶ) ことになります。 Q 5 目指すは総合出版社、それとも専門出版社? A 5 書籍や雑誌の編集だけでなく、様々なこと (分野) に取り組んでみたいというのであればやはり総合出版社を目指す方がよいでしょう。 逆に、自分はこの分野の本を手掛けていきたいということがはっきりと決まっているならば、その分野に強い出版社を目指す方がベストだと思います。 Q 6 編集者の仕事は徹夜も日常茶飯事? A 6 毎週あるいは毎月の締切りに追われる雑誌の編集に比べて、書籍の編集の場合には数ヶ月という単位で仕事を進めているので、数冊の本の校正が同時に出てきて 「明日までに、この校正をどうしてもやっておかなければならない」 などといった特別な場合を除けば、徹夜になるということは まずありません。 でも、編集者は常に多くの仕事を抱えていて忙しい、というのは本当です。 Q 7 人とのコミュニケーションが苦手なのですが? A 7 一冊の本が完成するまでの間に、編集者の周りでは多くの人たちが一緒に動いています。 書籍編集者の仕事は もちろん本を作ることですが、 それと同時に、 全体の進行を管理しながら、 それに関わる多くの人たちを動かす仕事でもあります。 そのため、決して話上手である必要はありませんが、周りの人たちが (できることなら気持ちよく) 動いてくれるように、気配りができることはとても大切です。 自分は話ベタだと思っている人は、その苦手意識を無くすように努めることはもちろん大切ですが相手の話をうまく引き出せるような “聞き上手” になることも、編集者として大切な点だと思います。 Q 8 文章を書くのが苦手なのですが? A 8 編集者は作家ではないので、どちらかと言えば、読解力や思考力の方が求められます。 でも、 著者に手紙を書いたり、 編集会議の内容をまとめたり、 新しい本の企画書を書いたり、広告の文章を考えたり、 そして本のタイトルを考えたり・・・と、文章力や創造力は絶対に欠かせません。苦手だという方は、きっと入社してから、いやというほど先輩の編集者に鍛えられることになると思います。 Q 9 編集者はお酒に強くなければいけない? A 9 お酒は、飲めないよりは飲めた方がよいと思います。 でも、あまり飲めないからといって気にする必要はありません。 私もそうですが、 自分が飲めない分、 相手の方が楽しく飲めるように気配りする方に努めればよいと思います。 Q 10 書籍編集者は、三度の飯より本が好き? A 10 本が好きであることは間違いないと思います。 でも、私の場合は飯にも魅かれます。 そして最後に、 「編集者の仕事は楽しいですか?」 と聞かれたら、やっぱり こう答えます。 「編集者の仕事は苦労も多く、大変な仕事であることは確かですが、多くの人との出会いをしつつ新しいものを作り出していける この仕事は本当に楽しいです。」
2008.01.17
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著者の原稿が大部になればなるほど、そこに用いられている言葉や用語に不統一が現れる傾向が大きくなります。(もちろん、著書が意図的に同じ言葉を別の言い方にしている場合は除きます。) そこで編集者は、それをある一定の基準で整えていきます。 ただ、この整理の基準は編集者によっても違いますし、同じ編集者でも、それぞれの原稿に応じて整理の仕方を変えたりもします。 ここでは、私の例をいくつか挙げてみたいと思います。 1. 漢字 と ひらがな 例 : 『AをBと言う』 ⇒ 『AをBという』 声に出して “言っている” ような場面では漢字を採用することが多いのですが、 “そのような表現が使われている” という意味での使い方では、 『AをBという』 のようにしています。2. ひらがな と カタカナ 例 : 『ここにおもちゃがあります』 ⇒ 『ここにオモチャがあります』 “おもちゃ” という言葉が、その前後のひらがなに埋もれてしまってわかりにくいので、“オモチャ” とすることで 『ここにオモチャがあります』 となり、はっきりとわかるようになります。 また別の視点として、プラスチックの感じを出すなら “オモチャ” の方がよいだろう、などと考えます。 3. 同じ表現で統一する 例 : 『携帯電話は便利である。 そして最近は、小学生でも携帯を持っている。』 “携帯” という用語が “携帯電話” を指していることは読者にも明らかにわかると思いますが、用語の統一という点から、 『・・・小学生でも携帯電話を持っている。』 と直します。 例 : 『Microsoft は巨大企業である。 しかし最近は、マイクロソフトも ・・・。』 前後の文はどちらも不自然というわけではないのですが、 “Microsoft” か “マイクロソフト” のどちらかに統一するようにします。 ただし英語の場合、無理にカタカナ表記にすることで、逆に不自然になってしまうときもあるので、ちょっと注意が必要です。 編集者は、読者が少しでも読みやすいように、そして、そこでの描写を惹き立てるような “表現” を考えながら、用字と用語を統一 ・整理していきます。 しかし、特に場面の描写に関わるところでは、著者も考えに考えてその言葉を選んで用いていることが多く、単に他との統一という視点だけで安易に直してしまわないように注意しなければいけません。 そのため、著者との相談も大切です。 実際の作業では、上に挙げた例のように簡単に整理していける (方針が決まる) ものではなく、横組みと縦組みの違いで英字をカタカナにするか、そのままでいくかどうか悩んだり、「これは漢字の方がいいと思うが、ここまではひらがなで統一してきたし・・・、やっぱり ひらがなにしようか 」 と作業が中断することもしばしばあります。 用字と用語の統一では、コツコツと地道なデスクワークが続きます。
2008.01.08
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明けましておめでとうございます。2008 年が皆様にとって幸多き年となりますように。今年も EDITOR NAVI を宜しくお願い致します。 2008 年 元旦 Cafe Wien
2008.01.01
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