Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

2023年05月19日
XML
カテゴリ: 霊魂論
アナーキズムから神智学へ *シュタイナーの「本来的自己」
3:個人主義的アナーキスト・アバンギャルド(avant-garde/前衛・先駆・先端)時代(1897年から1899頃年)のシュタイナー
 19世紀から始まる国家の存在を否定し、権力からの個人の完全な自由を目指す革命思想アナーキズム(アナキズム/ anarchism)は,19世紀末に至ってより広範な思想圏へと接続することになるそれはニーチェをめぐる思想圏である。シュタイナーにおいてもそうであったように、ニーチェ哲学の流行は、シュティルナーのアナーキズムがニーチェの先駆者として「再発見」されることにも繋がった。つまり、ニーチェの哲学が呼び水となって、「ニーチェ病熱狂(das Fieber der Nietzsche-Krankheit)」と呼称されるほどにアナーキズムへの関心が高まった。19世紀末のアナーキズムの一部は、ニーチェの哲学と結びつくことで従来の学識および体制から「自由」になって本来の自己の力で社会を実現するという知的スローガンとなったのです。ニーチェに傾倒していたベルリン時代のシュタイナーも、当然に、この「熱狂」の中で活動していたことは間違いない。1898年には、彼は「雑誌文芸」にニーチェ以上に過激なシュティルナー論を載せてその哲学を賞賛した。然し乍ら、その年の9月10日にオーストリア・ハンガリー帝国の皇后がイタリア人のアナーキストの青年によって暗殺される事件が起こると、世論によりアナーキズムが非難され,シュタイナーに対しても「アナーキスト」としての非難が向けらます。
この非難に対して彼は,事件の直後にマッケイと交わした書簡を「雑誌文芸」の記事として公開することで応答した。この書簡の中でシュタイナーは,「個人主義的アナーキズム」や「理論的アナーキズム」という言葉を自らの世界観に適用することは今まで避けてきたが、「個人主義的アナーキズム」という言葉が自分に適用されるのかと問われれば、無条件で「はい」と答えなければならないと断言する。とはいえ,彼は行動によるプロパガンダ、すなわち、テロリズムに対しては断固として反対することを強調する。「個人主義的アナーキスト」とは、権力や暴力によって人間を自由にするのではなく、すべての暴力と権力を放棄することによってまったく自由な人間になる。だからこそ、個人主義的アナーキストは、暴力に基づく国家に対しても闘うし、いわゆる行動によるプロパガンダに対しても熱心に闘う。こうして彼は,自分自身が「個人主義的アナーキスト」であることを宣言しながらも,テロリズムには組しないことを主張したのである。 彼の公開書簡は弁明とみなされても仕方ないタイミングで出されたものであったが、彼が敢えて「アナーキスト」を自称しながらもテロリズムを非難したことは評価されるべきだろう。しかし、それでも「雑誌文芸」を購読していた教授連は納得することなく、シュタイナーに非難を向け,雑誌の注文をとり止めていったという。この出来事は、シュタイナーが正統的な学問あるいは大学の教授たちに背を向ける更なる契機になったと考えられる。 その後も彼は、臆することなくアナーキズム論を展開し、1899年にはマッケイの詩を賞賛する記事を書く。そこでも彼は自らが掲げる「真のアナーキズム」が暴力とは関係ないことを訴えている。
 真のアナーキズム(der wahre Anarchismus)が、現在の社会秩序を暴力で克服しようとねらうような、不幸で蒙昧な者たちによる滑稽な振舞いとは何の関係もないことは繰り返し言う必要がある。ー中略。真のアナーキズムは,あらゆる暴力措置に対する対抗者であり厚顔無恥に「アナーキズム」というスローガンを用いる者たちに対する対抗者でもある。
 人間の魂の最高の高貴さは,謙虚で献身的な態度にあるのではなく,自分自身を高くに置かなくても十分であるという誇らしげな意識にある。このような意識をもつ人は,自分自身の人格に対して大きな責任をもっているということを感じる。その人は、自分の素質のあらゆる豊かさを展開させることにまったく躊躇しない。このように自己への自信と責任に基づいて自由に行動することを、シュタイナーは自らの「人格の神聖さ」と呼ぶ。さらに、私たちはそのような高貴な本性にアナーキズムという語を付与してきたと述、その本性は,内的で心的な必然性からこの世界観を求める」とした。このように、シュタイナーは自己をあらゆるものの中心に据え、自己の高貴さ、神聖さを謳う。彼にとっての真のアナーキズム、すなわち「個人主義的アナーキズム」は、既存の制度や価値観にはじめから囚われることなく、あらゆる理念や行動の基準を自己に置き、自己の「内的な必然性」から責任をもって行動することであった。そこには,彼の自己に対する絶対的な信頼が横たわっている。この時期の徹底的な内的主観には神秘体験を予感させるものがあります。



哲学・思想ランキング





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023年05月19日 06時05分52秒
コメント(0) | コメントを書く
[霊魂論] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

プロフィール

cap-hiro

cap-hiro

カテゴリ

キーワードサーチ

▼キーワード検索

バックナンバー

2026年05月
2026年04月
2026年03月
2026年02月
2026年01月
2025年12月
2025年11月
2025年10月
2025年09月
2025年08月

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: