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January 8, 2008
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カテゴリ: ミステリ(日本)

女王国の城
有栖川有栖
東京創元社 四六並製
☆☆☆☆☆○
 最初がちょっと冗漫というか、前置き長すぎというか…。が、学生アリスと江神部長のシリーズに相応しく、ロジックとペダントリーを散りばめたいかにもな本格ミステリ。
 最近読んだ海堂尊さんの「ブラックペアン1988」とほぼ同じ頃…というか、これも私が大学生の頃(年がバレるけど…)の時代を舞台にしたストーリー。この時代を書くのがちょっとトレンディなのかも。なので、携帯電話はない。

 二段組500ページの大作。卒業を間近に控え、いきなり新興宗教団体の町に行って連絡を絶ってしまった江神を追って、アリスら英都大学のミステリ研究会の面々はその町へと乗り込む。そして、そこで、殺人事件に巻き込まれる。しかし、新興宗教団体の信者が過疎の町に入り込み、住民のほとんどが信者でなくても、その宗教団体から恩恵をこうむっており、団体がその気になれば、町を周囲から隔絶することも可能。(ここで携帯電話のない時代設定が生きる)。そして、殺人事件にも拘わらず警察への通報を拒絶する教団のために、この町は人為的(住民と教団の意志により)陸の孤島となってしまう。アリスたちはこの陸の孤島から逃れようとするのだが、結局上手くいかなかった。また、作中でアリスたちが隔絶された村や異世界から抜け出そうとする小説の紹介を行っていた。興味はあるけど、怖いから苦手かも…。そして、ここで江神部長が名探偵となって事件を解決するのだ。しかし、本題のトリックは全く分からなかったが、前菜とか前座のようなトリック描写は分かったかも。教団の人間も狂信者としての側面とごく普通の理性を持った人間の両面が描写されていて「悪の集団」になりきれていない。
 江神部長の個人的事情なんかも出てくるので、結構面白い。でもこの学生アリスのシリーズは次回作の5回目で一応完結らしい。読み終わるのにも時間がかかったが、やっぱりこちらのシリーズは読みでがあるなあ。このタイトルは教団のトップがうら若い女性であることと、この村にある教団の総本部が、非常に珍しいデザインであるためだ。





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Last updated  January 12, 2008 01:25:50 AM
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