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May 31, 2008
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黒い家
貴志裕介
角川ホラー文庫
☆☆☆☆☆
 実は、私が読んだ本とちょっとカバーが違う。私の読んだ本のカバーはDVDと同じだった。映画化されてたようなので、その記念カバーだろうか?
 某巨大匿名掲示板で「激怖」と形容されていたので、角川ホラー文庫だし、と思って図書館で借りた。が、予想していた怖さとは違った。実は私は祟り・因縁系つまり、オカルトっぽい怖さを予想していたのだが、実際はサスペンス・サイコ系の怖さだった。実はオカルトっぽい怖さの三津田信三の「蛇棺葬」などのシリーズに近い怖さを期待していたので、少々裏切られたが、やはり「怖い」という感想は同じではある。また、結末も割合読後感がいいので、それにも救われた。
 主人公は小学生の自殺に疑問を抱き、警察が取り合ってくれないために、独自で調査を始めるのだが、それが解決するまでが確かに怖い。が、ホラーというよるやっぱりサスペンスの怖さだと思う。あとは、小道具や演出で怖さと同時に不快さを強調する書き方になっており、不気味さが増す。追い詰められていく主人公の描写が確かに怖いことは怖い。私は主人公にさほどシンクロしなかったので、「怖い」と思いながらも読んでいて寒気がしてくるということはなかった。一部夏の話なので不快さの記述のうちにニオイの描写が結構あり、涼しいところであれば、却って臨場感が湧きにくかったのかもしれない。また、いくつかの不快さを増す描写はそうなることが事前に予想がついていたからかもしれない。
 が、このストーリーを身近で起こりそうだと連想してしまったら、物凄く怖いと思う。また、最後の一文も怖い。が、これも別の小説のラストで訳もなくゾっとして経験があるので、それほどではなかった。ホラー小説(しかもホラー小説大賞の受賞作だそうだ)なのだが、今まで、私はホラーというとやはり祟り・因縁系であまり論理や理屈っぽさがない怖さという印象があったのだが、この小説はそれよりは理性的な怖さだったと思う。そりゃ、頭の中がホラーな登場人物は出てくるが。
 どのみち、想像力があって怖がりな人は止めておいた方がいいかもしれない。私は著者の別の小説も読んでみようと思っているが。





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Last updated  May 31, 2008 12:56:15 PM
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