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October 19, 2008
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カテゴリ: ミステリ(日本)

鬼流殺生祭
貫井徳郎
講談社文庫
☆☆☆☆☆◎

*ネタバレになる場所は文字色を背景色と同色にしてあります。

 書店で見かけるにつけ、この著者の作品のでは、この本が一番気になっていた。それなのに、何度裏表紙の案内を読んでもタイトルが覚えられず次に行ったときに入手あるいは借りられなかったものだが、ようやくタイトルと著者が覚えられて図書館で借りられた。
 明「詞」7年の東京。元公家で父親は警察を管轄する内務省の大物である九条惟親はフランスへの留学から戻ったばかりの友人で肥前出身の武知正純から彼の一族で宗家の大刀自、霧生カツの密葬への参加を頼まれる。一族のみで行われる排他性の高い行事に参加した彼への風当たりは当然強いが、その直後、今度は正純がもうすぐ結婚するはずの許婚がいるのに惨殺され、九条は物知りな若隠居、朱芳(すおう)に相談する。
 ざっとこんなところからストーリーは始まる。だが、勘のいい人なら正純を殺した犯人と、この霧生家の密葬に潜む秘密にはすぐ気付くと思う。つか、私ですら分かった。 だが、朱芳はその背後に潜むモノまで暴き立てる。それが何とも空恐ろしくなるようなモノだ。
 ストーリーも楽しめたが、私が気に入ったのは登場人物。チョイ役で夏目某、岡倉某という子供が登場しているのが楽しい。また、朱芳の九条に対するへそ曲がりな態度も気に入った。そして、薩摩弁の警部も実直でいい人だ。この警部のお陰で九条の薩摩人に対する偏見めいたものが少し薄れている。
 タイトルに相応しく少々グロテスクな部分もある小説だが、行き過ぎではないし、明詞となってはいるし、私もこの時代の風俗に詳しいわけではないが、明治初期の時代の描写もいいと思う。次作も拾い読みしたところ薩摩弁の警部も出てくるようだし、あとはチョイ役のゲスト(?)も誰が出てくるのかとても楽しみにしている。






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Last updated  October 19, 2008 01:22:16 PM
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