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May 12, 2009
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カテゴリ: ミステリ(日本)

奇蹟審問官アーサー(死蝶天国(バグズ・ヘブン))
柄刀一
講談社ノベルス
☆☆☆☆☆
 20代の若い神父でありながら、ヴァチカンの奇跡審問官(奇跡かどうかを判定する役目)のアーサー・クレメンスが、一見奇跡、不思議に見える事件に合理的な解釈を施し、明晰な解決を導く。でも、彼の職務からすれば奇跡になったほうがいいんでしょうが……。短編2編、中編1編、掌編1編。
 そのどれもが、アジアや南米の僻地で起こった事件だ。荒涼として貧しい土地の中で、奇跡としか思えない事件がおきるが、それには陰惨な殺人がかかわっていたりする。それをアーサーが解決していく。彼が名探偵役だ。
 また、作品の中でイスラム教徒やチベット仏教徒ともアーサーは関わる。明晰であるが故に時として、カトリックからは異端とすら思えるほどで、実際、作中同行したバレト神父(この75歳の奇跡審問官の神父さんがいい味出してたんだ)は、ヴァチカンへの報告書に「異端めいたところはなし」と書いている。続編があるなら、またこのバレト神父に出てきて欲しいな。
 荒涼とした貧しい地域を舞台に、そこに明晰な合理性を持ち込むアーサーの姿は案外映像化したら面白いような気がする。実際舞台にも古代文明の遺跡なんかも出てくるし。それにしても、複数の宗教を混交する漫画や小説が流行ってるのはやっぱり日本ならではだろうなぁ。





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Last updated  May 13, 2009 12:38:04 AM
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