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November 14, 2009
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カテゴリ: ミステリ(日本)

長い長い殺人
宮部みゆき
光文社文庫
☆☆☆☆☆
 財布が彼らの持ち主を語る、という視点で連作形式で描かれており、それを通じて持ち主たちがとんでもない事件に関わっていくというのが読者に分かる。この視点が新鮮だったので読んでみた。普通に登場人物を配置して描いてもそれなりに面白そうな題材だが、この「財布の語り」で一層面白く読める。いつも身近に置かれている財布だからこそ、ここまで細かい客観的描写ができるのだろう。ただし、この本は1997年初版。携帯電話が爆発的に普及する1年くらい前だ。今なら携帯電話がこの役割を果たしていてもおかしくない。携帯電話だったら、持ち主の携帯の仕方も人によって多少違う。たとえば、Aさんは肌身離さずベッドサイドまで、私なんぞはバッグに入れっぱなしで、滅多に着信もなし。出歩かなければ、電源が切れても気づかない…といった風に、そういった個人個人の携帯の度合いの違いも書けばもっと面白くなるかも。ただ、残念なのはこの作品の二番煎じになることだ。
 実は、この人の作品は以前読んだ時に物の見方にどうも好きになれない部分があり、以降あまり食指が動かなかったのだが、これは最後の最後までその視点があまり表に出てこなかったので気にせず読めた。ただし、最後でそれが全開になる。人が寝る前にするような些細で誇大妄想的でつまらない想像(妄想?)をあざ笑っているような視点が透けるような気がして好きではないのだ。しかもそれをあざ笑っていながら、自分は同じようなことをしていてしかも「自分はいいの」と言っているようなところが特にイヤなのだった。ベストセラー常連作家かもしれないが、やっぱりあんまり読まないだろうな、これからも。





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Last updated  November 14, 2009 02:07:43 PM
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