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February 7, 2010
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カテゴリ: ミステリ(日本)

グラン・ギニョール城
芦辺拓
創元推理文庫
☆☆☆☆☆◎
 冒頭、少年の虐待シーンというかなりショッキングな描写から始まる。が、ちょ~っと表現に矛盾があるような気がしないでもない…。この「グラン・ギニョール」というのはフランスでエログロナンセンスを売り物にしたお芝居だったらしい。そこから派生して「グラン・ギニョレスク」なる形容詞もできたとか作中に書いてあった。私は、この著者を始めて読んだので、解説を読むまで(文中からシリーズ物らしいとは思ってたが)この作品が10作目になるほど既刊が出ているとは思っていなかった。
 20世紀はじめの古城で繰り広げられる作中作の連続殺人とシリーズの探偵役の弁護士森江春策が偶然関空からの電車内で出くわした毒殺事件とが平行して進行する。この二作、どちらを読んでもなかなか面白い作品だが、作中作の方はちょっと私の勘も当たった。 (というか東野圭吾の小説で同じ著述トリックに引っかかったことがあったせいもあるかもしれないし、こっちの描写の方が分かり易かったし) また、森江編は関西の鉄道網の描写が嬉しい。(単に奈良・大阪・和歌山あたりの地理が好きなだけ…)とにかく、作中作は若い頃外遊中に知り合った新進ミステリ作家が書いた本を和歌山の素封家が私家版として翻訳した、という設定になっているが、この作中作の仕掛けも面白い。
 そして、最後の結末の付け方も見事だと思う。まあ、多少はこれありかなぁ…?というあまりリアリティを感じない箇所もあるにはあるが、逆にこんな感じの名探偵と謎めいた建物、昔の因縁、謎の人物などをちりばめた(多分)新本格といわれるミステリであれば許容範囲という程度か。(社会派って言われてる作品でやったらマズいかもしれんが…)
 このシリーズ、他の作品も読もう。これも新規開拓成功。





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Last updated  February 8, 2010 02:23:10 AM
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