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April 23, 2010
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 【中古】文庫 陋巷に在り12聖の巻 (新潮文庫)

 【中古】文庫 陋巷に在り13魯の巻 (新潮文庫)
酒見賢一
新潮文庫(12巻)四六上製(13巻)
☆☆☆☆☆

12・13巻のネタバレにならなくても、前巻のネタバレになる場所が多いので、未読の方は読まないほうがいいと思います。

 ようやく読み終わった全13巻! しかし、完結していない……。しかもかなり中途半端なところで終わっている。文庫2巻の巻末あたりで、この連載が打ち切りになったと告知があり、それからも年月が経っているのでどうなったかと思っていたら、やっぱり再開はなかったんだろうな……。
 3~6巻くらいは読みにくいし難しかった。8巻を過ぎると活字も大きくなりストーリーも割と読みやすくなるし、11・12巻あたりは色っぽい場面も多く、読んでいて楽しかった。特に顔回と子蓉のプラトニックかつラジカルなラブストーリーは好きかも。
 この2つの巻はストーリーが一端中休みになるために一気に流れるという感じもする。特に顔氏の里の崩壊は迫力がある。子蓉の最期も好きだ。しかし、13巻の最後は孔子が魯を出ることになり、子路と顔回がそれに忠実に従って行く、という場面で終わるのだが、そこもかなり尻切れトンボ的に終わる。なにしろ孔子が魯を出る原因がよく分からない。まあ、著者が原典でもはっきり書かれていない、と書いてあることはあるのだが。とにかく、この小説、孔子が一生でどんなことをしたのか伝記的な知識がないと面白さが半減すると思う。私も高校の漢文の教科書程度の知識、それも忘れかけの知識があるだけだったので、せいぜい顔回と子路の名前に何となく見覚えがあった程度だ。だが、孔子が特に可愛がった顔回との関係をちょっとヘレニズム的な恋愛解釈も可能ではないかという仄めかしがあったのは、どういうことだろう?私はこれがあったから何とか最後まで読めたようなものかもしれないが、よく分からない。もしかすると、単に私のような読者を引き寄せる釣りにすぎなかったのかもしれない。そう思ってはいるが、著者の方があとがきで、顔回が孔子より先立ち、孔子が嘆き悲しむ場面を書いてみたかった、と書いておられたので、ちゃんとこの小説が完結できれば、ずっと私も気になっていた顔回の最期が読めたんだろうなぁ。でもの孔子と顔回の関係、ずっとマジメでマトモだしキャラも違いすぎるとはいえ、ハドリアヌス帝とアンティノウスを思い出してしまった。ただ、それっぽくなるのが12・13巻あたりだからなぁ。それにこの作品に関しては顔回と子蓉のラブストーリーの方も好みだったりするし。
 あまり納得できない終わり方なのは、やっぱり著者の方が連載打ち切りになったことへの抗議の意味もあるんだろうか?でも、この小説、知りきれトンボになっているのは気になるけど、難しい……。もう少し説明が少ないとよかったんだけどね。頑張ってずっと気になっていたので読み終わったが、終わり方がかなり残念だ。





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Last updated  April 23, 2010 11:46:51 PM
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