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May 13, 2010
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カテゴリ: 海外の小説

ぼくと1ルピーの神様
ヴィカス・スワラップ
ランダムハウス講談社 文庫
☆☆☆☆☆
 アカデミー賞を取った「スラムドッグ・ミリオネア」の原作。貧しくて教養の無いはずの孤児の18歳の少年がどうしてクイズ番組を最後まで勝ち抜けたのか……? ラム・ムハンマド・トーマスというヒンズー教・イスラム教・キリスト教の名前という非常に変わった名前を持った彼は、汚職はびこるインドで当然疑われ、逮捕されてしまう。そこに助けに来た弁護士に、何故自分がクイズ全てに正解することが出来たのかを打ち明ける。そこからストーリーは始まる。
 クイズの問題一つ一つに何故答えられたのか…それは、クイズの問題が彼の人生に関わりのあるものばかりだったから。ただ、ラムの場合はそれだけではない。彼は教養が無くて英語も話せないと思われているが、生い立ちの中、彼は英語も話せる。それに、波乱に満ちた人生をわずか18歳ながら生き抜いてきただけあって、とても機転の利く頭の回転の速い、そして悪いことに手を染めることもなかったまっとうな性格の少年なのだ。
 今のインドの貧困に根ざす様々な問題が彼の人生から垣間見える。虐待、売春、腐敗、汚職……どれも陰惨なものばかりだ。でも、読んでいると、無論彼の優秀さも分かるが、わらしべ長者のような幸運にも恵まれているのだ。それは、彼が人生の選択を迫られる場面で占い師に貰ったコインでコイントスをするのだが、それが全てよい方に出る。でもそのコインも 両面に表が刻まれているコインだった ということがラストで分かる。確かに彼の人生は幸運だが、自分で切り開いてきたものでもあるのだ。
 彼の人生が語られる場面は子供の頃からではなく、クイズの設問に応じて時代が前後するので、時々こんがらがったが、ページをめくるのがやめられず、結局一晩で読んでしまった。買ってからしばらく積読状態だった本だが、面白い本でよかった。そういえば、作中、タージマハルに来た日本人観光客はやっぱり「ビデオカメラ他で完全武装した」っていう描写になってて、なんだかんだとある意味、ラムにカモられてたんだよね。う~ん、やっぱり日本人ってそういうイメージなんだろうな。





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Last updated  May 15, 2010 02:44:34 AM
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