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May 19, 2010
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テーマ: 本日の1冊(3712)
カテゴリ: 海外の小説
ウィーンの辻音楽師

岩波文庫
☆☆☆☆◎
 ウィーンに旅行に行くことになったので、図書館で見つけて読んでみた。1979年初版の結構古い本だ。表題作の他にゼンドミールの修道院~ある伝承実話にもとづく~を収録。
 舞台は19世紀半ばのウィーン。「私」がふと見かけた辻音楽師はヴァイオリンの腕ももう劣化している。が、貧しいのにどこか品があって若い頃は裕福だったのではと思わせる。そして、この辻音楽師の住居を訪ねると、若い頃からの話を聞かせてくれる…。
 富裕な家庭に育ったものの、若くして家族を亡くし貧乏になっていく過程がかなり今の状態とあいまってみにつまされた。最後は貧乏の中、洪水にみまわれ、自分の家は無事だったのに、他の人を助けようとして死んでしまい、若い頃結婚しそうになった中年女がダンナを指図して葬式を取り仕切る。にしても縁起わるいかも、この本読んだの。ただ、地名やお祭りの名前が出てきて楽しかったので、あとでガイドの地図と較べてみよう。
 またもう一作の「ゼンドミールの修道院」も著者の実体験に基づいたものではないかと訳者の後書きで述べられていたが、舞台は17世紀末のポーランドの修道院。こちらの方がストーリーに起伏があって読みやすかった。しかも夫婦間の姦通と家族の問題なので、私には縁がないし。
 このグリパルツァー(1791~1871)という人はこの2作しか短編小説は発表しておらず、生前は有名な劇作家だったそうだ。晩年は自作が批評家にけなされたこともあって、人嫌いになってしまったとか。古い時代の雰囲気は好きだが、気が滅入る本を読んでしまった……





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Last updated  May 20, 2010 03:25:18 AM
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