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October 18, 2010
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カテゴリ: ミステリ(日本)

闇の喇叭
有栖川有栖
理論社 四六並製
☆☆☆☆☆◎
 この著者には珍しいかもしれないパラレル日本を舞台にした作品。元号は召和と平世。ストーリーの発端はパラレルの設定の説明から始まるが、それは広島に投下された原爆の完成がほぼ1ヵ月遅れたため、日本は広島・長崎だけでなく京都にまで原爆が落とされたという設定。 最も、その京都の描写は出てこないが。 さらに終戦記念日の設定もズレているし、北海道はソ連に占領されやがて分離独立して日ノ本共和国となっている。
 そして、ストーリーの舞台はほぼ戦後60年余り経った現代の日本と同じくらいの時代。だが、この国では警察の腐敗から私立探偵が現れるが、それも平世の御世になって法律で禁止されてしまうのだ。さらに推理小説を読むことすら禁止された世の中である。そして、ストーリーの随所でどっかで聞いたことのある全体主義的な雰囲気が漂っている。「皆の役に立つために北のスパイを見つける」というおじさんまで登場する。
どこかで聞いたような国内の設定だが、この作中では 朝鮮半島は一つの国で「大韓共和国」 となっている。
 主人公はどこか関東より東あるいは北の田舎町に住む高校生、空閑(そらしず)純。彼女は失踪した母親の故郷に翻訳家の父親と二人で住んでいる。事件は妖しい女性の出現から始まり、殺人事件が起こる。硬直した世の中の田舎町で、この事件は純の友人の母親も巻き込んで展開していく。

 本文にもルビがあり、若い人向きに書かれているが、内容的にちょっと小学生には難しいかもしれない。(でも5・6年生なら読める子いるんじゃないだろうか)中学生以上だと思う。大体、「喇叭」ってタイトルの漢字が難しい。そして、大人が読んでも十分読み応えのある内容だった。





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Last updated  October 18, 2010 02:53:28 PM
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