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November 22, 2010
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カテゴリ: ミステリ(日本)
失踪調査

光文社文庫
☆☆☆☆☆
 ミステリというより、ハードボイルドと書いた方がしっくりする。1994年初版。巻末解説宮部みゆき。
 恵比寿のうらぶれたビル(2作目からは自宅マンションが事務所兼になる)を事務所としている竹花の元に、失踪人の調査を依頼しにくるワケアリげな男女が訪れるところからストーリーが始まる。この現代日本で警察に捜索願を出しにくい人々ばかりだ。一作目は旧日本統治時代の恩師を探して欲しいとやってくる現代日本人よりも流暢な日本語を操り、日本名を名乗る台湾人夫婦。二作目は拿捕された時に弁護してやったのに、その弁護料が未払いだというロシア(まだソ連だったっけ?)の日露ハーフの弁護士、三作目は愛娘が失踪した関西のヤクザの組長。特に、このヤクザの組長の親ばかっぷりはいい。コカイン中毒で家に閉じ込めておいた娘が失踪したのだが、「嫁入り前の娘にキズが~」なんて口にしている。
 とはいえ、この調査、どれも殺人事件が起こり、竹花は警察に先んじて調査を行うことになり、結果として解決に寄与することになるのだ。ストーリー展開は探偵物の「定番」といえるだろうが、そこに配されている登場人物で、先述のヤクザの組長の他、各作品に出てくる、ワケアリだが酸いも甘いも知っているじいさん達、そして第三作目の医大を中退した売れない芸人の若者などがいい味を出している。どちらかというと、ストーリーよりはその周囲の雰囲気を楽しみながら読んだし、そう読める作品だと思う。さらに第三作目では主人公が犯人を尾行して葛西橋通りを車で走るシーンがあり、もろ、自宅の前を通り過ぎていったことになっていた。初めてはっきりと土地勘のある場所が出てきたのだ。ドラマになってもいい作品だと思う。長編があと一作あるので読んでみたい。





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Last updated  November 23, 2010 11:40:16 AM
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