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November 28, 2010
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テーマ: 本日の1冊(3712)

音迷宮
石神茉莉
講談社 四六上製
☆☆☆☆☆
 短編集。表題作はシリーズものでノベルスになっていて、既刊が2冊あるようだ。なかなか凝ったブックデザインでもある。「音」迷宮となっている通り、「音」が主題になっている作品も幾つかあるが、それは「音」であって「音楽」とは言いがたい。でもそれも面白いところだった。子供やその周辺の大人が主な登場人物になっていて、かなり不気味なストーリー。子供独特の観察力の鋭さと知識の浅さが一層ストーリーに不気味さを加味している。また、登場人物が何かに遭遇した時、読者が予想する反応を示さず、それが一層怖さを強調しているところもある。ブックデザインが凝っているというのは 頁下にノンブルがあり、左ページにはその短編のタイトルがずっと書いてあるのだが、最終頁だけ、その短編のテーマになっている化け物の名前が書いてあり、 まるで、心霊写真を見つけたような不気味な演出効果になっているのだ。これだけでかなり作品の雰囲気を盛り上げている。私が特に面白いと感じたのは、「鳥の女」「Rusty Nail」「海聲」の三篇。このうち二篇は自分の男に別の女がいる女がその男や女に復讐する話だから、我ながら性格が悪いかも。また、「鳥の女」はトルコが出てくるが、他の作品も異国情緒豊かだ。これも一種の「異界」という怖い話し系では欠かせない舞台装置なんだろう。
 面白かったので、この本よりはもしかしたらライトな読み心地かもしれないが、ノベルスのシリーズも読んでみようかな。





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Last updated  November 29, 2010 03:09:43 AM
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