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December 16, 2010
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カテゴリ: ミステリ(日本)

【送料無料】QED~flumen~九段坂の春

QED諏訪の神霊

QED出雲神伝説
高田崇史
講談社ノベルス
☆☆☆☆☆◎
 これでQEDシリーズは既刊全部読んだことになる。3作一気に読んだので、感想も一気にまとめる。ちなみに、ネタバレ部分は例によって背景色と同色に。

*~flumen~九段坂の春
 短編集。「九段坂の春」「北鎌倉の夏」「浅草寺の秋」「那智瀧の冬」の連作短編集。春はタタルが中学二年生の頃の話。夏は奈々が高校生、秋は熊つ崎が大学生、冬は毒草師の御名形史紋が大学院生という時系列になっており、QED本編第一作より前の時代の話。一作一作は短編のせいかちょっと薄口に感じるが、 最後に全てが繋がる見事な 連作になっている。そして、このシリーズらしく、古典、日本史、毒草に空手まで加わった薀蓄が楽しい。また、カンナのシリーズで重要人物になりそうな人物がところどころに顔を出している。QEDシリーズの入門にもいいかもしれない。でも、発表順の方が楽しめるかな。

*諏訪の神霊
 九段坂の春でもちょっと顔を出し、「カンナ」の主人公鴨志田甲斐の兄、鴨志田翔一が登場する。諏訪神社の御柱祭を題材に諏訪神社2社の謎とそれに絡む連続殺人について。シリーズ中屈指の血なまぐさい内容。殺人も神社の謎も。特に神社の祭礼の謎については、これホントに日本?シヴァ神かドゥルガー女神の祭礼じゃないの?ってレベルの血なまぐささだ。国譲り神話はちらっと内容を知っているだけの私でも怪しげ~と思うけど、怨念の深さも怖い。これはこれで、日本人のルーツにまで関わるネタになりそうで興味深いところだけど。また、諏訪上社の本宮の拝礼方向の変更にどーも甲斐武田家が絡んでいそうなのも、武田贔屓としてはちょっと面白い。


*出雲神伝説
 ついに日本の大きな謎、出雲神話が登場。諏訪は前振りみたいな感じだ。でも、まだ少し喰い残しがある感じがする。それが「カンナ」シリーズに繋がるのかな。~flumen~出雲大遷宮が巻末に併載されている。
 でも、出雲といっても島根県の話ではない。タタルや奈々達が巻き込まれたのは奈良での連続殺人。それには「出雲神流」という幻の忍者集団が関わっているようで…?京都や奈良に「出雲」の地名が残り、「出雲」の名を冠した神社があるということから、出雲王朝の移動をほのめかす。私が前に読んだ梅原猛氏の学説ともちょっと違うと書いてあったが、島根と京都・奈良に出雲の地名がそれぞれ残っていることについて、歯切れいい説明にはなってないように感じた。この作品で「那智瀧の冬」に登場した五十嵐彩子と その母親弥生 が登場する。また、作中タタルが出賀茂神社を訪れる場面があるが、そこに甲斐とほうろくもゲスト登場している。
 また、出雲神伝説より9年後の2008年、島根の出雲大社の遷宮を観に行くという、タタル、熊つ崎他のエピソードの~flumen~出雲大遷宮も面白い。熊さんがいつのまにか結婚して子持ちになってるし。でもタタルと奈々のその後はわざとだと思うけど書いてないし。

 この後の展開は「カンナ」になるのかなぁ?「九段坂の春」ではタタルが日本史上の超有名人物 聖徳太子 について興味を示してないという伏線らしき一文もあったし、出雲神流なる怪しげな忍者集団が出てきている上、意味ありげな女性も出てきたし、今後の展開も楽しみ。





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Last updated  December 16, 2010 11:09:32 PM
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