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March 11, 2011
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【送料無料】凶宅
三津田信三
光文社文庫
☆☆☆☆☆◎
 「禍家」と「災園」の間のシリーズ第二作目。刊行順に読んでいないのだが、私にとっては久しぶりに奈良県「杏羅(あんら)市」という架空(だよね?)の市が舞台の小説。ここが舞台だと私が奈良好きのせいもあり、特に歴史と過去の因縁に纏わるホラーが楽しめるような気がする。この小説でも「蛇がとぐろを巻いているような山」とどこかで聞いたような山が出てくるし、大体、この山と周囲の描写、刀城幻哉のシリーズでもっと過去の話が出てたんじゃないかという気がしてくる。
 小学校4年生の日比乃翔太は東京の国分寺から夏休みにこの杏羅に引っ越してくるが、その直後から色々な怪異を感じる。そして、近所のアパートに住む幸平という少年とともにその謎解きに挑戦するのだ。それにしても、そこで翔太が感じる怪異も特に近所の女性やおばあさんが絡んでいるととても気持ち悪い。けれども翔太がトシの割にアタマが切れるとかそういうことは置いておいて、この少年二人の友情も可愛らしい。そして他の二作にも登場している「吉川清」がまたここでも名前だけ顔を出している。これも不気味だなぁ。 やっぱり最後の一文の「羊のハネタ」はすごく怖いし。 この小説では真夜中に読んでいる最中に読書灯が揺らいだりもしなかったが、「災園」よりはこちらの方が好みの小説だ。過去の因縁が明らかになるのもいいが、ならなくても不気味さは変わらないような気がする。
 この小説に出てくる地名も著者が遊んでいるらしく面白い。ちなみに奈良市には「杏南町」行きバスがあり、この表示を見たとき吃驚したのだが、今調べてみて「杏」を「からもも」と読むのが分かった。つまり「杏羅市」がアナグラムだということか。他にも作中で私鉄の乗り換えで伽陀石伊(がだいしい)という地名が出てくるが、場所的に大和西大寺だよなーと思いながら読んでいた。(法則が分からないけど、多分これもアナグラムだ)また、最後になると 「アレ」の名前も漢字を用いた一種のアナグラム?であることが判明する。 多分杏羅市は奈良市と大和郡山市の郊外あたりの(つまりは奈良のベッドタウン)風景がモデルなんじゃなかろうか。また「杏羅市」が舞台の小説が読みたい。次に奈良に行くときはこの「杏」町近辺にも行ってみよう。





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Last updated  March 11, 2011 02:33:24 PM
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