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March 16, 2011
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カテゴリ: 海外の小説
ベラム館の亡霊

ベラム館の亡霊
価格:1,050円(税込、送料別)



角川文庫
☆☆☆☆☆◎
 本当は表紙の尼僧の絵につられたのだが、この絵、あんまり象徴的ではない。とはいえ、中世からの迷信めいた因縁が現代にまで結びついたゴシック小説。イギリスが舞台で、貴族の広壮で曰くつきのお屋敷、その傍にある打ち壊されたカトリック修道院(これ、イギリスのこのての小説の王道パターンらしい)、中世の写本に幽霊譚、若く美しいヒロイン、かっこいいヒーロー(でもキズあり)……。アメリカ人が書いているだけに一層「ゴシック・ロマンス」の王道の要素をちりばめていると思う。ヒーローはアメリカ人の男だが、彼もヤンキーらしく描写されている。1990年代に書かれたようで、パソコンについての言及はあるが、登場人物の(かなり男勝りで、怪奇雑誌の編集長である)おばあちゃんがビデオの再生もおぼつかないとかもあるが、携帯電話はまだ出てこない。また、ヒーローのアメリカ人は元ハリウッドの映画監督だが、ある事情でその仕事を投げ捨てて、無給で怪奇譚を集めて出版しているアヤシイ雑誌の編集部で見習いをしている。彼の父も西部劇俳優であり、ジョン・ウェインやジャック・ニコルスンが実名で出てきているのも面白い。また、プロットも良く練られていて、この主人公の アメリカでの仕事も結構ストーリーの中では重要な役割 を果たすのだ。個人的にはこの中年男より、アタマを剃り上げているのに「天使のよう」と形容されているこの出版社のアシスタント、バーナードが好きだ。
 しかし、中世からの迷信めいた因縁、曰くつきの広壮なお屋敷、廃墟などなど、物凄く好みの題材ばかりを並べられた感じがする。はっきり「ゴシック小説」「ゴシック・ロマンス」と銘打った小説を読んだのは結構初めてに近いが、こんな筋立ての小説、また探してみよう。ちなみに、この「ゴシック小説」、作家によっては茶化して作品にしているのも読んだのだがそっちも好き。

 にしても……前に読んだのも日本のホラーだから、ちょっと食傷したかもとは思うが、やっぱり因縁話めいたホラーは好きだ。





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Last updated  March 16, 2011 05:09:41 PM
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