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May 24, 2011
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【送料無料】深泥丘奇談(続)
綾辻行人 装丁:祖父江慎
メディアファクトリー 四六上製
☆☆☆☆☆◎
 連作短編集。「幽」という雑誌に掲載したものと他誌に掲載したものとをあわせたものだというが、いよいよ虚構と現実が曖昧模糊としてきた。とにかく、著者とほぼ等身大という職業ミステリ作家の主人公の健忘っぷりが、一層この中で語られていることが本の世界の中でのリアルなのか、主人公の幻想・妄想なのか、それとも他の事象なのかがはっきりせず、それが物凄い効果をあげている。また登場する場所は、誰が見ても京都がモデルなのだが、この街はパラレル。ここがこれ、と推測はかなりつくものの、全く別物のパラレルなので、これも現実と虚構の間を曖昧にしている。どこを読んでいても、主人公の視点である限り、地に足がついている感じがしない。日常のようでいてそうではないこの非現実な感じとこの地に足が着いていないような不安定感が私は特に気に入っている。
 また、祖父江慎さんの手になる装丁も好きだ。特に本文中の挿画が雰囲気があって好き。前巻でページ数の計算ミスだと思っていた、奥付が見返しに印刷されていることについては、今回もそうなので、これもきっとブックデザインのうちなのだろう。何でなのかはよく分からないが。折角キレイなイラストがあるのに、そこに文字があるのは少々興ざめような気もするし、映画のエンディングのようでもある。
 とにかく、この作品、もう少し続くようなので、次の本を楽しみに待ちたい。主人公の健忘ぶりに答えは出るのだろうか?


 あと、どーでもいいけど、この主人公の健忘っぷり、著者の実体験がもとになってるワケじゃないよね?





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Last updated  May 25, 2011 01:16:06 AM
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