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July 9, 2011
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カテゴリ: 日本の小説

【送料無料選択可!】唄う都は雨のち晴れ トロイメライ (単行本・ムック) / 池上永一/著
池上永一
角川書店 四六上製
☆☆☆☆☆
 本州でいうと、江戸末期、イメージ的には幕末と呼ばれる時期よりほんの少し前の琉球王朝時代の那覇が舞台の時代劇。新米岡引で三線の名手でもある武太が主人公の短編集。長編テンペストのスピンオフで同名の「トロイメライ」の第二作目。第一夜、間切倒、第二夜、職人の意地、第三夜、雨後の子守唄、第四夜、那覇ヌ市、第五夜、琉球の風水師、第六夜、芭蕉布に織られた恋。
 前作の短編集よりはテンペストとの結びつきがそんなに強くないので、テンペストを読む前なら前作の「トロイメライ」を読まずにこちらを読んだほうがいいかもしれない。ただ、この本が気に入ったなら、前作を読むより先に「テンペスト」を読んだほうがいいだろうけど。この本の短編全てにテンペストの登場人物がゲスト出演はしていないが、重要な役割を果たし、前作でも出てこなかった「あの人」が登場しているし、やっぱり別の「あの人」はこの本でも印象的な役で「友情出演」を果たしている。
 ストーリーはこの時代を舞台にした人情時代劇だ。でも折々に描かれる沖縄料理や工芸品の描写が読んでいて楽しいし、料理は特においしそう。また、琉球の風水も面白い。中国のものとは風土が違うため、ちょっと違うらしい。前作ではテンペストのスピンオフの印象が強かったが、この本は寧ろ独立した人情時代劇になってきた。最後の短編の結末、これの続編が読みたいし、正体不明の義賊黒マンサージと「あの人」の関わりを出してくるなんて、気になってしょうがないじゃないか。それに前作でまだ幼いのに辛い奉公に出された子供のうち二人が元気な姿を見せてくれて武太ならずとも読者もほっとする。
 やっぱりこの本も続巻を希望。短編集だけでなく、このシリーズの長編も是非読みたい。





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Last updated  July 9, 2011 02:16:13 PM
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