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September 28, 2011
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カテゴリ: ミステリ(日本)

【送料無料】廃院のミカエル
篠田節子
集英社 四六上製
☆☆☆☆☆
 男問題で勤めていた貿易会社から紛争地域に飛ばされ、そこから身一つでギリシャに逃れてきた主人公の美貴は、ここで、非常に高価で希少価値の高い蜂蜜(多分硬蜜というもの)を供される。これを日本に輸入して挽回してやろうと焦る美貴は、現地で結婚している通訳の女性、綾子を強引に説得してその蜂蜜を探しに出掛ける。彼女たちに修道院の有名画家の壁画を探す日本人の男、吉園が加わるが、彼らが行く先では過疎の進んだ村と高齢化した修道院の荒廃した様子が現れる。
 ギリシャが舞台でアトスの修道院などの名前があったので、単純にエキゾチズムを楽しもうと読み始めた。しかも読んでいて女二人はあまり仲良くしたいタイプではない。最初は動物の変死がいたるところで見られ、綾子の様子までおかしくなって、不気味さが漂う。オカルト的な雰囲気でストーリーが進行していくのだが、それにもきちんと合理的な説明がついていく。主人公の美貴がオカルトにおびえつつ、そのうち開き直って?頭を使って考え始めるのだが、その間の揺れ動き具合は結構面白かった。もちろん、アトス山の説明や、山中に転々とある修道院、不気味な動物の死の光景や、荒廃した修道院から聞こえるオカルティックな聖歌や人の気配を含めて、楽しく読んでいた。最後になって全ての謎や不気味な現象に説明がついた時は、ずいぶん前にテレビでこうした謎の急病人が出て、それに医学的な説明が着くまでのプロセスを再現ドラマをやっていたが、それを思い出した。余りマニアックで難解な病気の説明や宗教的な説明も出てこないので、とても読みやすい。この本で硬蜜の存在を知ったが、一度くらい食べてみたい。また、硬蜜を作る蜂と普通の蜂蜜を作る蜂は違うという。養蜂の本もいつか読んでみようかな。
 この謎が解き明かされるまでが、サスペンス色もあるので、広義のミステリということでカテゴリーを分けた。





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Last updated  September 28, 2011 01:45:29 PM
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