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January 20, 2012
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カテゴリ: 歴史・地誌・旅行

【送料無料】奈良の平日
浅野詠子
講談社 四六並製
☆☆☆☆◎
 神奈川県出身で、四半世紀に亘って地方紙の記者として奈良の取材をしてきた著者の観光ガイドには載らない「地元」としての奈良の本。とはいっても、奈良が好きだった文化人が多いせいで、そのメンツの豪華なこと。そして千年以上前から集落があり、人が集まって生活してきた歴史の堆積がある奈良だからこそ、地元の人だけでなく、この著者のようによそから奈良に移ってきた人々にとっても、彼らが持っていなかった長い歴史の堆積を持つ地元を大切に思う気持ちが伝わってくる。やはり以前には営業していた名店の廃業といった記述は多いが、それでも昔から伝わっているものを愛し、残そうという地元の人の行動が良く分かる。また、出てくる建物も、観光ガイドには載らないが、私のような奈良が好きな人間にはたまらないスポットだ。観光の途中で通り過ぎた印象的な建物が実は由緒ある喫茶室だったり、今まで行かなかった場所に古びた雰囲気のいい(最近はこういうのをシャビーをかいうらしい)街角があるのだ。読んでいて、何か所もこの近所いったけど、この建物は覚えているような覚えていないような…というのがあった。やはり観光ではメジャーなところしか行かないが、この本を読んでいると、観光スポットではないところにも、長い歴史やそれにふさわしい風情のある場所がたくさんあるのだ。私も何か所か旅行中にそういう場所を見つけたこともあるが、この本に出てきた場所も、探して是非行ってみたい。何度か行ったことのある稗田環濠集落の「稗田」という地名も古くからの水不足で日照りに強い稗しか獲れなかったことに由来しているのではないかというのは、この本を読むまで知らなかった。
 最近の栄枯盛衰をさりげなく織り込みながらも「歴史の堆積」していく奈良の様子とそれを大切にする人々の様子にとても共感を覚える。





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Last updated  January 20, 2012 04:42:05 PM
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