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June 1, 2012
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テーマ: 本日の1冊(3712)
カテゴリ: 日本の小説

鬼の跫音 角川文庫 / 道尾秀介 ミチオシュウスケ 【文庫】
道尾秀介
角川文庫
☆☆☆☆☆◎
 短編集。最初は、よくできた怖い話の短編だなーくらいで読んでいたのだが、先に進むにつれて、どんどん怖くなってきた。それも怪奇・オカルト色の強い怖さではなく、人の裏側に潜んでいたとんでもないモノ(鬼?)が出てきそうで出てこないと怯えているような怖さだ。 特にどの作品にもアルファベットの頭文字一文字だけで出てくる登場人物Sがいるのだが、この人物が作品によって別人だと頭では分かっても、どこかパラレルワールドをのぞいているような不気味さがつきまとってくるのだ。また、このSが不気味な役回りばかりを果たすし。
 ねっとりした日本的なホラーもいいが、こういった、怪奇色はないのに、ひたすら怖い話もいい。この本にも 読者をミスリードする一種の叙述トリック が用いられているが、この本の場合は騙された不愉快さはない。それは文章の語り手と読者が同時にそれを知るからだろう。
 この本はページ数が少ない方だが、それでよかった。これでもっと厚い本だったら、もっと怖い思いをしたことだろう。





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Last updated  June 1, 2012 10:33:58 AM
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