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June 27, 2012
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カテゴリ: ミステリ(日本)

【送料無料】和解せず
藤田宜永
光文社 四六上製
☆☆☆☆☆
 クラシック中心のプロモーターが主人公というので、面白そうなので読んでみたけど……。クラシック中心に設定する必要があったのかよく分からない。割と、先日読んだ「探偵・竹花」の竹花と似てるかな。閣僚経験のある政治家の長男に生まれた主人公伊木章吾はしかし、その父親と非常に折り合いが悪く、死の床にある父親の見舞いに行っても追い返され、通夜に行っても追い返される始末だった。しかし、彼が招聘したチェリストが警察に捕まり、仕事に大打撃を受ける。更にそのチェリストの招聘にあたって多少関係のあった同業者が殺されたりする。さらに、そこに付き合っていた女にもトラブルがおきるわ、さらに彼の息子にまで……と色々降りかかる。しかもそういったトラブルの元凶は 彼の身内の女達で、その展開は かなり意外だった。
 やっぱりこの小説もミステリ色が強いし、暴力的な場面はほとんどないが、ちょっとハードボイルド風味。生臭い伊木の周囲と対照的に恬淡としたアラカン(還暦近い)彼がずっと年下の女達にもてるのはやっぱりちょっと疑問だけど、まあいいや。ただ、この著者の書く主人公の男って、こんな親父現実にいるか?と思いつつ、妙に現実味があるのだ。それは周囲のサブキャラにもいえると思う。
 この小説も冒頭は大物政治家だった伊木の父親の葬儀から始まるが、この場面が最後になってとても効果的に蘇ってくる。そして、 伊木が巻き込まれたチェリストの「二丁目」での年齢を偽っていた未成年の少年との事件も元をたどっていくともっと大きな悪事につながっていく。 なんだかんだとプロットが複雑なので、読み応えはある。





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Last updated  June 29, 2012 02:01:44 AM
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