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April 5, 2013
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テーマ: 本日の1冊(3712)
カテゴリ: 歴史・地誌・旅行
【送料無料】与那国島 [ 西浦宏己 ]

葦書房 上製本(図書館で読んだのでサイズが測れず)
☆☆☆☆☆◎
 昭和54年初版の与那国島の写真集。数年前の某テレビドラマのファンだったので、手にとってみた。残念ながら、ウロ覚えではテレビドラマで出てきた場所も写っているのかどうか分からなかった。
 すべて白黒の写真で、島の風景とそこに住む人々の姿をリアルに捉えていると思う。人々は皆日に焼けているのが白黒の画面からでもわかる。ここに写っている小10歳前後の子供が今40代になっている。白黒の画面のせいか、どの写真もとても郷愁を誘われる写真だ。島の祭祀の様子や人々の生活の様子などが映し出されている。だが、もうこの時代で島の過疎化とそろそろ始まる高齢化が伺える。与那国島は決して南国の能天気に明るい島ではない。過去には過酷な課税を課された悲惨な伝承があるのだ。そのせいか、明るい日差しの影にはすぐそこに死がわだかまっているような感じがする。それが野ざらしにされた風葬の人骨、牛(?)の頭蓋骨の写真、そして村人の葬式の写真に出ているような気がした。風土・自然も穏やかな常夏ではなく、荒々しい自然なのだ。沖縄本島とも違う文化があるそうだが、そのせいか、写真集の白黒の写真のせいか、沖縄本島とも島の雰囲気が違うような感じがした。
 巻末には石牟礼道子さんの小説?散文詩?が掲載され、これも写真集のイメージに合っていると思う。また、作者の解説もとても興味深い。特に、ベトナムからの難民がこの島に漂着したとき、二ヶ月近く島の人々が温かく彼らを世話したということと、その対応にあたった島の人がベトナムの言葉が分かる人だ、という記述を読んだとき、この島は外洋に浮かぶ島で、きっと昔から、大陸や台湾との交流があったんだろうな、と思った。
 昭和の日本の最西端の島の様子を遺したすばらしい写真集だと思う。





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Last updated  April 6, 2013 01:27:12 AM
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