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February 16, 2016
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カテゴリ: ミステリ(海外)

ハヤカワ・ミステリ文庫 HM 7-11ロング・グッドバイ/レイモンド・チャンドラー/村上春樹【後払いOK】【1000円以上送料無料】
レイモンド・チャンドラー作 村上春樹訳
ハヤカワ・ミステリ文庫
☆☆☆☆☆☆
 「ミステリー小説の書き方」の中で多くの人が、名作に挙げていた本。図書館で見つけて借りて読んでみた。すごく有名な作品で名前だけは知っていたが、読むのは初めて。
 原文も流麗な文体だそうだが(私の英語力ではそんなことは味わえない)村上春樹氏の文体も流れるよう。でも原文のシンプルさはなくなって、随分ページ数が増えている。まあ、英語を日本語に訳すとそうなるけれど。作中、クラシック音楽への造詣をうかがわせるジョークが前のほうに三箇所あり、思わず原文を確認してしまった。村上春樹氏が「1Q84]の中で言及していたヤナーチェクの「シンフォニエッタ」が話題になったが、チャンドラーの書き方にかなり影響を受けているのは明らかのようだ。実際この本の巻末には村上氏による訳者あとがきという50ページにも及ぶ実質的な解題があって、その中で村上氏は高校時代ジャズとクラシックに傾倒し、チャンドラーの作品にショックをうけたという。
 1953年の出版の本書、米国内でもまだ第二次大戦の記憶は色濃い。ひょんなことで仲良くなった、マーロウとレノックス。彼ら二人をひきつけたのは、内に抱えたニヒリズムだろうか。しかし、レノックスが妻殺しの汚名を着たままメキシコで自殺し、マーロウにはアル中の人気通俗作家に酒を飲ませないでくれという監視の依頼が入る。そして、殺された女の姉だの、その作家の妻だの、謎めいた美女たちが出てきて、蒸し暑いロス郊外の高級住宅地でストーリーは途中まで少々緩慢に進む。が、最後は一気に読んでしまった。ただのトラブルに首突っ込み男ではなく、マーロウの観察力は探偵にふさわしいと思う。それとも周りの警官たちが雑すぎるのか?原作の持つ力か、訳者の力量かどちらか分からないが、作品全体から気だるいニヒルさが漂うように感じた。
 今ちょうどテレビでこの作品の舞台を日本に移したドラマの再放送が私の見ているケーブルテレビで始まった。こちらも楽しみに見ていよう。また、1953年は昭和28年、多分偶然だが、京極夏彦氏の「姑獲鳥の夏」は昭和28年が舞台に設定されている。





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Last updated  February 20, 2016 08:53:48 PM
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