ルーズベルトをクーデターで葬り去ろうとしたウォール街は日本よりドイツと強く結びついていた。そのドイツがバルバロッサ作戦をはじめると、反ファシストの米大統領はソ連への支援に前向きな姿勢を示すのだが、支配層には逆の考え方をする人が少なくなかった。ウォール街のクーデター派は勿論だが、例えば、ハリー・トルーマン上院議員(後の副大統領/大統領)は「ドイツが勝ちそうに見えたならロシアを助け、ロシアが勝ちそうならドイツを助け、そうやって可能な限り彼らに殺させよう」と主張している。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)
また、ジャーナリストのC・アンソニー・ケイブ・ブラウンによると、1939年頃、イギリス支配層にはソ連と戦うために「日本・アングロ(米英)・ファシスト同盟」を結成するという案があったという。(Anthony Cave Brown, “"C": The Secret Life of Sir Stewart Graham Menzies”, Macmillan, 1988)