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2006年05月08日
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カテゴリ: 日本文学

浮かれ黄蝶

●さようなら江戸の町、かわせみの心は永遠に 
江戸の世に別れを告げ、次巻より文明開化の明治に舞台を移す本シリーズ。


32年の長きにわたり多くの読者に愛されてきた「御宿かわせみ」シリーズは、この巻で江戸の大川端に別れを告げます。るいと東吾の忍ぶ恋、祝言、二世誕生、アクセント 豆まきのマス.gif新世代の台頭など、大河小説の趣きもそなえた大人気時代シリーズでした。今秋から「オール讀物」で連載が再開。文明開化の明治に舞台を移し、新たな物語が始まります。明治版「かわせみ」への予感をはらみつつ、懐かしい江戸情緒の世界に惜別の貴重な一冊です。
(文藝春秋より)




「あいつが浮かれ蝶々なんぞにひっかかるものか」麻生家に通う途中で感じた熱い視線。新内流しの娘、お蝶の思惑を量りかねる麻太郎だったが…。
大人の入り口に差しかかった麻太郎、花世、源太郎たちが大活躍。
◆浮かれ黄蝶◆捨てられた娘◆清水屋の人々◆猫と小判◆わいわい天王の事件◆二人伊三郎◆さんさ時雨◆公孫樹の黄ばむ頃


感想:

アクセント でんでん太鼓.gifこの時代劇シリーズは平岩弓枝さんが昭和48年から書かれている、実に33年もの間ベストセラーを続けている新捕物帖。短編集。4月に新刊「浮かれ黄蝶」が出ていました。 アフィリ を貼ろうとして知りましたが、最近、文庫のカバーが一新してたのですね。(ウチの本棚には古い挿絵の文庫がズラリです)

このシリーズの舞台が 江戸から文明開化の時代へと移り変わる と知り、ちょっとショックです。
子供世代  が活躍。子供が成長すれば時代も移りゆく、ということで。。"花世"という名前、女の子が生まれたらつけようかしらなんて10年前はおもったもんです(笑)。麻太郎&源太郎のコンビは東吾と源三郎のミニチュアのようですし。麻太郎と千春(異母兄弟)が知らずに恋に落ちないでくれと思ったり。麻太郎は出生の秘密をどのように知るのだろう、千春はいまひとつその性格がハッキリと描かれていないのは何故?っといろいろに思うトコロです。

人物たちの魅力さることながら、話も捕物帳だけにミステリ要素もあり、おもしろいんですよね。そして情愛の美しいこと。しばしば、淡々として正確な活字の描く情景に目頭を熱くしたり、ボロボロと泣けてしまった。今作「浮かれ黄蝶」でも、フッと涙しそうになった場面がありました。廻船船頭の父と息子。何気ない文章で、彼らの様子が目に浮かんで、どうも涙腺がやばくなります。江戸の風物、神社や祭りや土地名なども興味が尽きません。長助の蕎麦がどんななのか、蕎麦好きとしては一回食べてみたいものです。

東吾は軍艦鍛錬所の仕事がら、話も船や江戸と上方などの取引、海路、さらには東吾に西洋方式の船の操縦を師事する者、船乗りの事件、、と海に関する記述も多く、新しい時代への風を感じます。次作から、誰がどんな活躍をして、時代の変化をどのように描いてくれるのでしょう。寂しいようで、楽しみでもあります。

アクセント 豆まき 赤鬼と障子.gifちなみにTVシリーズで

<庄司るいを演じた女優さん>
★若尾文子  ★真野響子  ★古手川祐子  ★沢口靖子  ★高島礼子
<神林東吾を演じた俳優さん>
★仲谷昇   ★小野寺昭   ★橋爪淳 ★村上弘明 ★中村橋之助

イメージが違う気がしてほとんどみてなかったですが、こうしてみても女優陣はいいとしても、東吾役はどの人も、大人しそうな人ばかり。もっと颯爽してヤンチャっぽい”若先生”ぶりを発揮する人が、これからドラマをするなら、配役して欲しいなぁ。



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「浮かれ黄蝶」のストーリー:

◆浮かれ黄蝶
麻太郎が麻生家へ行く途中、若い娘が自分を見ているのに気が付いた。その娘がひったくりにあった荷物を取り返してやったが、実は娘の正体は?
一人でいると驚かれる程、いつも連れ立っている麻太郎と源三郎。祭りでひったくりの若者集団の捕物に関わる。立ち回りをやらかした事が、父親達にバレないようにと示し合わせビクビク。そんな二人の胸中を蕎麦屋の長助が察して、父親達に「叱らないでやってくださいマシ」と拝む、という、シリーズらしい細やかな気配り、人情、らしいですね。

◆捨てられた娘
花世は貧しい旗本小林家の娘喜久江と親しくなった。
その小林家で喜久江の弟の甲太郎と父親の参市郎が行方知れずになった。 旗本といえ、二百石取りでは、最下級の貧しい旗本の内情が身につまされる。それを嘆く喜久江を叱咤激励、「私はよりかかられるのは好きではありません。」女長兵衛な花世が、ますますキリっとたくましく、麻太郎や源太郎を振り回してる。

◆清水屋の人々
茶道家・寂々斎楓月の弟子、向島の料理屋「清水屋」の嫁姑問題。姑のおもとの嫁いびりは弟子達の間でも評判だった。 同じ弟子である”るい”が心ならずも家元楓月に泣きつかれ、問題に関わる。出来れば女の世界のドロドロを東吾には語りたくない”るい”だったが。「子も孫も貴方のものではありません。死にたければ、一人で死になさい。」いつもは楚々とした"るい"の芯の強さに改めて拍手!

◆猫と小判
三田久保町に住む老婆の飼猫が布袋をくわえてきた。なんとその布袋の中には十両の小判が入っていた。

◆わいわい天王の事件
芝浦の漁舟の中で死んでいた男の顔には猿田彦の面がかぶせられていた。

◆二人伊三郎
近頃堀江町界隈をうろついている若い男を長助が尋問。伊三郎と名乗り子供の頃に生き別れた親を捜しているという。

◆さんさ時雨
源三郎は大雨の日、洲崎の弁財天の境内でずぶ濡れになりながらさんさ時雨を唄っている女を見かけた。

◆公孫樹の黄ばむ頃
るいは父庄司源右衛門の母親の実家の法要に、お晴をお供に行徳通いの舟で市川の八幡へ向かった。 迎えた住職と"るい"とお晴の三人きりというなんとも奇妙な法要だった。父方の親戚は地元の名主であった筈。口をにごす住職に不審を感じ、やがて幼かった頃の記憶が徐々に思い出されて。。









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最終更新日  2006年09月04日 01時40分12秒
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