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2008年08月24日
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カテゴリ: 海外文学
ダン・シモンズ 夜の子供たち 『夜の子供たち』











ダン・シモンズを読むのは二冊目です。
<ハイペリオン>シリーズ第一部『ハイペリオン』を以前に読みましたが、あまりの厚さに、なんとか一冊目を読了しつつも、続く第2部「ハイペリオンの没落」、第3部「エンディミオン」、第4部「エンディミオンの覚醒」へとは、読み進めませんでした。すべて文庫化され全4部8冊。

どうやら、『ハイペリオン』と『ハイペリオンの没落』をワーナーが映画化する話もあるようですね。壮大な宇宙モノSF映画では、『リディック』が凄かったと記憶してます。SFといえば『スター・ウォーズ』シリーズが、金字塔ですが、『リディック』で描かれた、未知の宇宙や星の迫力ある描き方の方が、上だと思いました。『ハイペリオン』も、うまいこと作って欲しいものです。


さて『夜の子供たち』です。

こんなはなし

防疫センターの女医ケイト・ニューマンはチャウシェスク政権崩壊後のルーマニアで"短期支援ツアー"に参加し、劣悪な環境下におかれた孤児達の中からエイズとは異なる重度の免疫不全症の乳児と出会う。その赤ん坊は輸血をする事により症状が改善されるという不思議な特性が現れていた。ケイトはその子をジョシュアと名付け、養子としてアメリカに連れ帰ろうとするのだが?

感想

この夏の帰省の旅の共に選んだ本の一冊。
以前、古本屋で見かけて購入していたものです。
吸血鬼の後継者たる乳児をめぐるヴァンパイアの暗躍ぶりは、ゴシックホラーテイスト。
現代医学の力で、ヴァンパイアの特殊な体質&血液を解明しようとするあたりはSF。
ヒロイン:ケイトの恋愛模様がちょこちょこ。
ラストの方での、ヒロインと吸血鬼一族とのアクション。
それらを足したような感じでした。


この小説を読んでの一番強く残った点は、

・ゴシック的目玉、吸血鬼の大御所ヴラド・ツェペシが何世紀ぶりかにルーマニアに帰ってきて、ベットに横たわり、一族に見守られながら生涯を閉じようとしつつ、生前の残虐行為の回想するくだり。

・ですが、それ以上に、何度思い出しても気色悪く、胸くそ悪いのが、冒頭のルーマニア崩壊後の視察ツアーで明らかになる、孤児院で放置、鬼畜扱いされていた子供たちの憐れな惨状でした。
以前にTVで、孤児院と称する倉庫のような暗闇の中で、誰からも声をかけられず、抱きしめられず、放置されていた、知能の遅れたルーマニアの孤児たちのレポートを、実際に見ました。アメリカの里親に引き取られても、遅れた知能は取り戻せません。「狼に育てられた少女」のお話もあるように、人間らしい環境で愛情をあびて育たなくては、人間は育たないのですよね。
同じルーマニアのキンダーハイム(孤児院)で育った双子の話で浦沢直樹の『MONSTER』もありますね。



ケイトのルーマニアで同僚だった神父のマイクというのが、「サマー・オブ・ナイト」の少年マイクだそうで、そういえば、読んでいて、脇役のくせに我が物顔というか、充分な過去説明もあまり無いのに、準主役級でしたっけ。

ドラキュラ伝説が現代医学の最前線に結びついてくる展開は、ホイットリー・ストリーバーの 『薔薇の渇き』 『ラスト・ヴァンパイア』 の後半のゆるゆる展開よりも、リアルで納得です。


吸血鬼の本

最新吸血鬼の映画
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最終更新日  2008年08月24日 23時29分22秒


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