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2009年06月18日
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カテゴリ: カテゴリ未分類



ミステリチャンネル1位

早川書房 日本SF大賞 2005年 第3位 

このミステリーがすごい 2006年 国内編 第16位 

本の雑誌 ベスト10 2005年第2位

【内容】

地球温暖化防止のため、急速に森林都市に生まれ変わった東京。
しかし、そこは理想郷ではなかった。
月刊Newtypeで連載され、各メディアで話題を呼んだ超大作。



【感想】

表紙に惹かれたのと、近未来の設定が面白そうで読んでみました。初の池上栄一作品。

東京は、環境バランスを無視した緑地化政策のため、地上は人々が生活できる場所ではなくなり、人々は高層大地(アトラス)を積み上げて、そこに移り住んでいます。地上は熱帯化し、大スコールに襲われると全て流される。けれど、全ての人口が高層大地に移り住めるのではなく、地上に残された人々は格差社会へ憤り、反乱軍(メタル・エイジ)を形成する。


経済は(カーボ)炭素経済社会に変わってます。
世界はCO2が経済を支配する時代。CO2の排出量で通貨や税金が左右され、如何にCO2を削減するかにマネーの流れが変わる時代です。「カーボ(炭素)ビジネスゲーム」の描写は、秀逸でした。米のサブプライムローンの破綻、現代の大不況時代、マネーゲーム社会の崩壊した今、この「シャングリ・ラ」で描かれている「カーボビジネス」の経済破綻ドラマは、まさにいまの先取りです。



『新世界より』読書感想

作りこまれていて、面白い設定です。もの足りないのは、人間描写やドラマが希薄なこと。東京の副都心が彼方此方出てきて、近未来、日本が自然に支配されて苦労する姿はおもしろいです。「ターミネーター」や「マトリックス」といった機械文明と戦うテーマの映画と対照的、人類は、進化した森林、気温、天気、といった、すっかり住みにくくしてしまった環境と共存できるか。地球に存続できるか、という問いかけが基本にあるのですよね。


ヒロインの育ての親がニューハーフだったり、呪術やら、日本の古来の神武天皇のクローンに末裔やら、。それらも良いとしても、複雑な人間関係と登場人物の数のため、あえて心理描写などはカットしたのですかね。
ヒロインが、育ての親の裏切りや、宿命やら、出生の秘密やら知っていくのにも、大して悩まない。軽く怒ったり、戦ったり、どんどん話が進みます。環境を壊し、経済も破綻、ひどい状況を引き起こしてても、誰もちっとも反省の色も見えなず、また東京は何度も再生する町だ、と明るい未来を信じちゃう。なんとも軽くて強い。

登場人物はなかなかユニークで、一番強烈なのは水蛭子(ヒルコ)。ムカデを食べるだの、なにか予言するたびに語尾に「ぎゃぁあああぁああぁ」というので参りました(汗)。
ヒロインはセーラー服で、刃のついたブーメランでダイヤモンドのブーツを履いて、政府軍と戦う。”萌え”キャラ。

いわゆるジェットコースターの面白さ。好みとしては、もうちょっと重厚さが欲しいところでした。SFファンタジー要素が盛りだくさん。アニメ化やコミックというのは納得です。 最後まで読まずにはいられない。世界観に圧倒されました。
スピード感溢れる娯楽作でした。



今、話題の 『テンペスト』 は、『シャングリ・ラ』の欠点を補う内容とのこと。小説として高い成熟度だそうです。









【アニメ】

2009年4月より放送中。全24話予定
アニメサイト




【著者】

池上永一 プロフィール

1970年 沖縄県石垣市出身。


98年『風車祭(カジマヤー)』直木賞候補。
沖縄の伝承と現代が融合した豊かな物語世界の紡ぎ手。










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最終更新日  2009年07月07日 20時28分34秒


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