ペンハリガンの『ポートレート』シリーズは
イギリス上流階級を舞台にした物語の登場人物をコンセプトとした香水。
ジョージ卿( 『The Tragedy of Loed George/ジョージ卿の悲劇』 )を中心として、
その母ドロシア伯爵夫人を苛立たせるサムの香りがこの『ザブレイジングミスターサム』。
『情熱的なアメリカ人ミスターサム/The Blazing Mister Sam』というネーミング
ボトルキャップのキャラクターは『雄牛(男らしさと力強さ)』
■香調:ウッディスパイシーオリエンタル
カルダモン、クミン、ブラックペッパーの刺激的でスパイシーな香りに
タバコやアトラスシダーウッドが深みを加えます。
スパイシーかつウッディなノートが醸し出す官能性は
温かくセクシーで深みのある"危険な香り"の印象を与えます。
■感想: 私の好み度<80>
スプラッシュなスパイシー×ウッディ
スプレー直後のカルダモンのシトラスっぽさ、
臭みの少ない甘いシナモン、クミンの汗臭さに若干の温もりを感じ、
ブラックペッパーのスパイシーさは少し湿布・ミントっぽいスーっとしたもの
と寒暖なブレンドながらもまとまりのあるスタート。
この特徴的なトップを維持しつつ、タバコの香りがふわっと。
このタバコが私にはなんともノスタルジックで、
祖父母がパイプ・キセルで吸っていた時のような紙臭くない匂い。
展開は早めで十数分以内に杉のしっかりめのウッディノートが覆ってくると同時に、
ピーチ&バニラのような甘さがほんのりと奥に感じます。
メンズフレグランスにしてはやや甘め。
『ポートレート』シリーズはコンセプトの影響も大きいとはいえ
人物のキャラクターにしっくりとくる作品が多く、
よくいえば調香師の感性に近いわけですが(笑)
なかでもこの『サム』は登場人物の多くがイギリス人のなかアメリカ人ということで
そのお国柄、自由気質が表れているようでした。
サム本人は悪気はなくても、イギリスの伝統・階級の世界では無礼と目に映るのかなぁ…
などと気付けばどっぷりこの物語の世界に引き込まれ香りを楽しんでいました。
■液の色
ブルー
■拡散性・持続性
拡散性は普通からやや強め。持続性は普通。
EDPらしい持続性です。
■季節
秋から春。
■年齢
男性向き。
やや夜向きですがペッパーの爽快さ・透明感やウッディさが清潔感があるため
30代以降であればオフィスも可能だと思います。
■リピートは?
メンズフレグランスの表現に『整髪料の匂い』がありますが、
これについては『湿布っぽく、おじいちゃんっぽい』と言われるかもしれません。
私はゆったりと歩く落ち着きのある背広姿の男性を想像し年齢的にも
主人にいいかもなと。
ただ本人は『プラダプールオム』が定番で好みと違うと購入にはならないかも。
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