趣味のミステリー小説の読後感想ブログ
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2017年11月12日★★★★出張続きであまり小説を読まなくなってしまい、読後感想を書き残さなくなって何日ぐらい経過したのか先日確認してみたら、なんと7月17日に書いた荻原浩の直木賞受賞作の海の見える理髪店だとわかり、4ヶ月近く経過している事にびっくり。実は何冊か読書中(何故か読むと途中で疲れてしまい放置中)状態なんですが…。これは今まで継続してきたものが終わってしまうのではと危機感を持ち、じゃぁ疲れないで一気読み出来る作家はと考えてみると最初に浮かんできたのは解散したのが20年以上前と現役ではないがふたりで一人の伝説の作家岡嶋二人である。では未読の中で何を読もうかと迷ったが、人さらいの岡嶋と呼ばれていたぐらい名作が多い誘拐物の中で未読作の7日間の身代金を久しぶりにわくわくしながら読んでみた。プロ歌手の卵・千秋とピアニストの要之助はレコード出版を夢見るカップル。けれど千秋の父で警察署長の近石は、二人の交際が気に入らない。ある日、千秋の友人で富豪の後添いに入った須磨子が助けを求めてきた。義理の息子と実弟が誘拐され、湘南の小島で身代金を渡すというのだ。近石署長以下が大包囲した島は、もはや密室だと思われたが…。千秋と要之助の俄か探偵が活躍する青春ミステリー話題作。(BOOKデータベースより)いゃー期待通りの面白さであっという間に読了してしまいました。今までのは何だったのか…ただの体調不良かと思うぐらいです。本作は岡嶋二人の得意とする誘拐ものなのだが、それは前半部分で身代金の受け渡しが簡単に終わってしまい、その後は密室殺人に様変わりするという一作で二度美味しい構成になっている。その密室でのトリックは岡嶋二人の自信作ともなっているようだ。主人公はプロデビューを目指す若き音楽家の千秋と要之助。その二人が受け渡し場所が逃げ場のない小島での身代金2000万円の誘拐事件に巻き込まれて、密室殺人に化けた様々な謎を解決するという内容である。ただの誘拐ミステリーで終わらないあたりは、さすが岡嶋二人の真骨頂である。犯人当ては読み進めて行くと案外容易です。しかし密室でのトリックが超難しく、屋内・屋外と密室トリックが二重になっており、誰にもわからないように工夫されていて参りました。ただ犯人がヤタラと殺人を起こすところはちょっとやり過ぎ感はありましたが…そこはご愛嬌として面白い作品に間違いは無いです。私の読書を復活させてくれた岡嶋二人にありがとうという事で読後感想を締めたいと思います。さぁ次は読書途中のものを片付けるか。
2017.11.12
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