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2015年1月27日★★★★岡嶋二人にはまって単独の井上夢人として発表している作品にも手を出しつつある中で今回はAmazonの評価も高く連作短編集で読みやすそうだった本作を選んで読んでみた。テレビの人気コーナーを持ち、大活躍中の霊導士、能城あや子。盲目で難聴の彼女を支えるのは、魅力あふれる3人の仲間たちだった。彼らの調査により、過去の事件や不思議な現状の真実がつぎからつぎへと明らかになるが、能城の霊視能力を疑う人物もいて……。魅力的な登場人物たちが軽快に物語を進めていく、連作ユーモアミステリー。(BOOKデータベースより)盲目の霊導師である能城あや子はテレビ番組の人気コーナーを持ち、悩みをぴたりと言い当てて、さらに真実を探り当てる恐るべし霊視の持ち主だとされているが、その真相は彼女のバックに働く最高の調査チームがついていたのだ…。その辺のインチキ霊導師とは訳が違い、弱きを救い、悪を討つといった痛快傑作短編集で中でもハイテク技術を使ったハッキング行為はコンピュータ事情に詳しい著者ならではのもので本書の読みどころでもある。それら技術用語には分かりやすく説明を入れてくれているので素人は嬉しいはず。調査チームのメンバーそれぞれに個性があり魅力のある作品に仕上がっている。最後の引き際の良さは見事ではあるが、これでこのチームが解散なのかと寂しさも感じてしまった。テレビドラマ化すると面白いのではないかと感じるのは私だけではないでしょう。
2015.01.27
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2015年1月24日 ★★★★貫井徳郎の短編集を前回初めて読んでみたが、やはり長編がメインの著者なので気になっていたものを数冊購入し、まず一番発刊日が古い本作から読んでみた。14歳の中学生の息子がマンションから飛び降り自殺を遂げた。動機が全く分からない父親の青木は真相を追うため、息子の友達に話を聞き始めるが、その友達が一人また一人とビルから身を投げ自殺する。殺人ではないかとも考える父親の前に恐るべき事実が明らかになる…。14歳という大人でも子供でもない年代の特有の世界と心理をテーマにした内容で読み進めて行くうちにどんどん引き込まれてしまった。最近の極悪事件の低年齢化もあり、同年代の娘を持つ親として考えさせられる力作である。それにしてもこの作品を書いた時は著者はまだ独身者であったはずなのだから、この作家の凄さが伺える。東野圭吾のように表舞台になかなか出て来ないのだが玄人好みの作品が多いので私は東野圭吾と同じぐらい気に入ってしまった。続いて少し長めの次の長編を読んでみようと思う。
2015.01.24
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2015年1月21日★★★本作は今まで電子書籍って言うものがあるのは分かってはいたのだがどうしても携帯やタブレットで見るってのに抵抗を感じて手を出さなかっが、楽天の無料クーポンが使えると知って初めて挑戦してみることにした記念すべき作品である。試すには手頃な短編集だと決めて探した結果、テンポのいいと書評にあった井上夢人の作品を選んで読んでみた。「あたし宇宙人みつけたの」 彼女がさしだす小鉢の中にいるのはどう見てもナメクジなのだが…。男と女がコトバをつくせば、きっとわかり合える…とは限らない。不思議でおしゃれな、対話体小説全6編。(BOOKデータベースより)書評の通り短編全てが二人の会話のみで構成されるといった珍しい形でテンポよく進んで行き、あっと言う間に読み終えてしまった。電子書籍の読後感想としてはなかなか快適だった。特に会社帰りの暗い夜道を歩きながら読めるのは、小説好きの私には貢献度大です。それに長期出張に沢山文庫本を持ち歩かなくて済むのもいいかも。でも形が無いものにお金を払うのはまだ抵抗があるのが本音かな。今後は時代の流れに取り残されていかないように併用していきたいと思う。しかし後10年もしたら街中の書店が無くなってしまうんじゃないかと…。本作の感想になってないな(^_^;
2015.01.21
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2015年1月20日★★★ユージニア以来1年3ヶ月振りに恩田陸の作品を読んでみた。本作は「月の裏側」で登場する塚崎多聞を主人公にした連作短編集を5つを入れたトラベルミステリーである。著者が実際に訪れて印象に残った風景や出来事などを題材にしたもので、連作ではあるがそれぞれで完結している。なかでも最後の「夜明けのガスパール」は多聞の 友人が言った「俺さ、おまえの奥さん、 もうこの世にいないと思う。おまえが殺したか らだ」の発言にはどっきりさせられました。実際は殺人なんてしてなかったのだが…。サラッと読むと、あれって読み返すことになるので読まれるかたはご注意を。次は著者が一番好きな主人公が書かれていると言っている「上と外」あたりを読んでみようと思う。
2015.01.20
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2015年1月12日★★★特に避けていたわけではなかったのだが気がついたらグラスホッパー以来1年以上も伊坂幸太郎の作品を読んでいなかったので手頃な短編物を探して読んでみた。本作は8年後に小惑星が地球に衝突して人類が滅亡すると予告されてから5年が過ぎた仙台のある団地住民たちの様々な生き様を主人公を変えて連作短編集として綴った物語である。ハッキリと言うと引き込まされるような内容ではなく、ただ終末を前にした人間の生きる意味や生きていることの幸福とは何かを問いかけるような物語で驚きや騙された感がなく物足りなさを感じてしまったのが本音である。本作を読んで感じたのは、やはり自分には伊坂幸太郎のミステリー的要素が入った小説が合っているのかなぁと思わせた小説だった。次はもう一度伊坂幸太郎のミステリー小説を読んでから結論を出してみようと思う。
2015.01.12
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2015年1月3日★★★★新年早々、手に取ったのは直木賞受賞作の空中ブランコの続編の伊良部シリーズ第3弾である。今回も相変わらずのワガママぶりを発揮する短編集が4つ収録されている。最初の2編には超有名人をモデルにしていることは明白であまりにも設定が忠実なのがまたいい。そこにトンデモ精神科医の伊良部が絡んでいくのが読みどころである。3遍目はカリスマ女優の芸能界ネタで私には誰がモデルかわからなかった。この作品は伊良部は脇役に回って控え目な感じがしてちょっとつまらない。最後は表題作の町長選挙で離島の診療所に何故か伊良部が赴任してくる。そこで島を二分する町長選が近づき、有名大病院の息子と知り伊良部に両陣営が札束攻勢で協力を迫ってくる。伊良部がとった両陣営への対応は…。最後はやたらいい話になり、綺麗な終わり方をしてしまいちょっと拍子抜けしてしまったのが本音かな。今回、伊良部は見事なまでに何もしていない。でも周囲はみんな救われているのだからやっぱり究極の名医なのか?次回作はもっと暴走させてくださいな。期待してます。
2015.01.03
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