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本当に久しぶりですが、更新します。毎日新聞 2015年08月16日 鹿児島版に、杣谷記者から受けたインタビューが掲載されました。再稼働・考:インタビュー/4止 鹿児島国際大経済学部准教授・八木正さん /鹿児島毎日新聞 2015年08月16日 地方版 ◇自然エネルギーの活用を 地域活性化にも役立つ 八木正さん(60) −−川内原発の再稼働をどうみるか 八木さん 現状をみると、原発ゼロでやっていけることは明らか。確かに、原発そのものは二酸化炭素を出さないことになるが、ウラン採掘から放射性廃棄物の処理までの核燃料サイクルには多くの電力を必要とするし、大量の温排水などで熱を無駄に捨てている。原発をやめることが省エネ、二酸化炭素排出量削減、地球温暖化防止になる。 −−原発と自然エネルギーの違いは 八木さん 自然エネルギーは地産地消で、原発は大規模集中で遠距離に電気を送る。また、自然エネルギーは純国産なのに対して、原発は(燃料の)ウランを輸入しており、六ケ所村の再処理工場も動いておらず、海外依存で、持続可能ではない発電方法だ。 −−自然エネルギーを活用してどのような社会をつくるべきだと考えるか 八木さん (これまでのように)地元と関係ない外部企業がやってきて立地するやり方では、例えば、風力発電だと低周波問題などが生じやすくなる。そうではなく、地元の同意を得て、地元住民が参加できる「地産地消」のエネルギーにしていくことが必要だ。自分のところで作ったエネルギーを自分のところで使うこともでき、売電収入を地域活性化に役立てることもできる。農村部ほど、土地もあり、自然エネルギーのポテンシャル(潜在力)も高い。持続可能な社会にしていくための重要な要素として考えていく必要がある。 −−岩切秀雄・薩摩川内市長は11日、「地域振興のためにも(原発は)必要」と述べた 八木さん (脱原発に取り組む)ドイツの事例だと、廃炉の方が原発が稼働している時と比べても同じかそれ以上の雇用が得られる。さらに、自然エネルギーを推進するドイツでは雇用が増えており、技術進歩の著しい燃料電池や蓄電池なども含め、経済的にも大きな意味を持つ。雇用面でも、早く原発を廃炉にして自然エネルギーを推進する方が効果が大きいと考える。 −−県内の自然エネルギーの可能性は 八木さん 自然が豊かで、風力、地熱は明らかに大きなポテンシャルがある。県全体で自然エネルギーの活用を促進し、エネルギー自給率を上げ、自立性の高い経済を目指すべきだ。=おわり (この企画は宝満志郎、杣谷健太が担当しました)============== ◇メモ 経済産業省は7月、2030年度の総発電量に占める電源構成について、原発を20〜22%、太陽光など再生可能エネルギーを現在の約2倍の22〜24%、火力発電を56%とした。実現には、原発の運転期間(原則40年)の延長や新設・増設が必要になる。
2015.08.20
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お久しぶりです。2013年7月17日付南日本新聞「選択の座標 参院選かごしま エネルギー政策」に、「福島教訓に脱原発を」というタイトルで、私のインタビューが掲載されました。とにかくスペースの関係で、言いたいことも十分展開できておりませんが、脱原発しかないという主張は、はっきり述べさせていただきました。
2013.07.17
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Facebookに書いたのだが、長すぎて自分で読むのも一苦労という状態になったし、付け加えたいところもあるので、ブログに書く。今日(もうすでに昨日になっている)2月28日は、Facebookの友達であるプルト君の72歳の誕生日ということになってます。つまり1941年2月28日生まれだということ。プルトニウムは天然にはほとんど存在せず(ウラン238に中性子があたると、まずウラン239となり、これがβ崩壊 、ネプツニウム239 にかわる。そしてこれがさらにβ崩壊、プルトニウム239が生成される。このためプルトニウム239も自然界にごく僅かに存在する)、実際には人工的につくられるが、はじめて作られ、発見されたのがこの日ということらしい。 Wikipediaには、プルトニウムが「最初に合成・分離したのは1941年2月23日、アメリカの化学者グレン・T・シーボーグ博士、エドウィン・M・マクミラン、J・W・ケネディー、およびA・C・ワールで、バークレーの60インチサイクロトロンを使ってウランに重水素を衝突させる方法による。」と書かれてるけど、1941年2月23日と2月28日、どっちが正しいのだろう。歴史的には、このあと1942年にマンハッタン計画がスタート、広島に落とされる原子爆弾リトルボーイにつながるウラン型とともに、プルトニウム型の原爆開発も進む。シカゴ大学のフットボール場の観客席の下に設計された原子炉シカゴ・パイル1号で、プルトニウムは最初の臨界を迎える。さらに、プルトニウム生産炉がまずオークリッジに建設され、後にプルトニウム生産のための大型炉がワシントン州ハンフォードに建造されたが、このプルトニウムは最初の原子爆弾に使用され、ニューメキシコ州ホワイトサンドのトリニティー実験場で核実験に使われた。そして、第二次世界大戦末の1945年8月9日、原子爆弾ファットマンとして長崎市に投下された。核情報というサイトの「世界の核分裂性物質の量と民生用再処理」というページに掲載されているように、現在、世界には、核兵器プルトニウム約241トン、原子炉級プルトニウム約256トン(このうち日本の保有量約45トン)、計約500トンものプルトニウムが存在しているのです。そして上記「核情報」のサイトの「日本のプルトニウム保有量」というページには、「原子力委員会は、1991年原子力委員会核燃料専門部会報告書「我が国における核燃料リサイクルについて」において「必要な量以上のプルトニウムを持たないようにすることを原則とする」と発表し、1997年には、「余剰プルトニウムを持たないとの原則を堅持している」ことをIAEAに通知する形で国際的に宣言しているが、余剰プルトニウムは増え続けている。」として、日本における必要以上のプルトニウム保有が国際的に問題視されていることが述べられています。また、日本のプルトニウム保有量は、世界の原子炉級プルトニウムの約5分の1の45トンですが、このうち国内で保管されているのは10トンだけで、35トンは海外に保管されているのです。これは、青森県六ケ所村に作られた使用済み核燃料再処理工場が稼働せず、結局すべて英仏に運んで処理されているためです。資源エネルギー庁などは、原子力はウランを一度運んできたら、あとは発電をしたあとの使用済み核燃料を再処理してリサイクルし、そこでできたウランとプルトニウムを再び発電に利用するという形で、半永久的に利用していくのだから、準国産エネルギーといってもいい、とか述べてきたのですが、むしろ、ウラン調達の全量を輸入に頼っているだけでなく、ウランの製錬工場は鉱山に併設されている場合が多く、国内に製錬工場はなく、さらにウラン濃縮も六ケ所村などでわずかに行われているだけで、原子力発電所で使うための濃縮ウランの大部分もまた、海外から調達されています。また、転換についてもすべて海外に依存しており、そして使用済み核燃料の再処理も英仏に頼りっきりで多くのウランとプルトニウムの処理と保管も多くは海外ということで、核燃料サイクルの多くの工程で海外に依存している現状で、推進側の宣伝文句と違って、準国産どころか、何度も海外に運んで処理する何重もの、だいたい五重から六重の輸入エネルギーなのです。
2013.02.28
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Facebookから、東京新聞の2012年7月31日の社説をシェアします。(東京新聞とシェアしてくれた仲間に感謝します。こういった情報はどんどん拡散させましょう。)原子力業界を渡り歩いてきた田中俊一氏は、「原子力ムラの村長さん」と呼ばれているようです。こんな人物が委員長だなんて、「原子力規制委員会」ではありえません。「原子力寄生委員会」と呼ぶべきです。
2012.08.02
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手塚治虫と宮崎駿の両巨匠!二人の間にはいろいろあるようだけど、というか宮崎駿師匠が乗り越えるべき対象として手塚治虫師匠をかなり意識してきた、といえます。しかし、反原発、脱原発ということでは、完全に一致してるんですよね。とくに手塚治虫師匠は世間で誤解されてるようだけど。やはりわかってる人はわかってるんですよね。『不思議で不安な原子力発電のこと』(1989年):手塚治虫「ぼくも原発に反対です」 より宮崎駿「原発ぬき」の小さなデモ!スタジオジブリが横断幕に込めた思い 鈴木P「会社として原発に反対」 より関連記事 「原発ぬきで映画を」 ジブリに横断
2012.07.05
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2012年7月4日18:30より、かごしま環境未来館で「シェーナウの想い」上映会を開催します。主催は「NPO法人かごしま市民環境会議」で、上映の後、代表の村山雅子さん、映画翻訳者の及川斉志さんとともに、私も話をすることになっています。鹿児島の皆さん、よろしく。
2012.07.01
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県知事選を前に「夏考原発」とするシリーズを毎日新聞鹿児島支局が企画して、その2回目に私のインタビュー記事が掲載されました。(「環境政策学者」という肩書には私自身もちょっとびっくり、恥ずかしい限りですが。)川内原発を抱える鹿児島県で、原発が全面停止して迎える県知事選。川内原発1・2号機を再稼働するかどうか、3号機増設を認めるかどうか。原発問題が最大の争点になるということで、シリーズを企画したそうです。5月21日(月)にインタビューを受けたのですが、毎日新聞の記者さんは、このブログも参考にしながら、原発はもちろんエネルギーや環境の問題に市民がもっと関心をもち、どんどん自ら参加することが解決にむかうことになるという線で、私の主張・見解をまとめてくれました。私のインタビュー記事の左横には、「7月8日投開票の知事選に立候補を表明した「反原発・鹿児島ネット」事務局長の向原祥隆(むこはらよしたか)氏(55)」が県庁で開いた記者会見の記事が掲載されていました。向原氏の主な基本政策として、・川内原発1、2号機再稼働反対・同3号機増設の白紙撤回・高レベル放射性廃棄物処分場建設反対・馬毛島の軍事基地化反対・薩摩川内市の最終処分場白紙撤回・TPP参加反対・副知事に女性を登用・若者の起業、就労支援・農村就労促進等が紹介されています。県知事選の行方によっては、日本全国の原発・エネルギー政策を決めることにもなる選挙です。がんばっていただきましょう。というか私もがんばろうと思います。
2012.05.25
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緊急ですが、前回のブログで紹介した「シェーナウの想い~自然エネルギー社会を 子どもたちに~」の上映会を開くことになりました。日本語翻訳者の及川斉志(おいかわまさし)さんが鹿児島に来るということで、鹿児島国際大学8号館3階グループ学習室(事務室・会議室の階下になります)で、3月19日(月)14時より、上映会+及川さんを囲んでの研究会を行います。平日の午後ですし、時間もないので、多くの方に参加いただくのは難しいかもしれませんが、どなたでも大歓迎です。関心があり、ご都合のつく方はご参加くださるとありがたいです。 日時 2012年3月19日(月)14時~16時30分 会場 鹿児島国際大学8号館3階グループ学習室(事務室・会議室の階下) 題目 「シェーナウの想い~自然エネルギー社会を 子どもたちに~」上映会+及川さんを囲んでの研究会 鹿児島国際大学へのアクセスについては、 大学へのアクセス8号館は正門を入ってすぐです。大学施設紹介教室がわからない方は、4階入口に事務室があるので、そこでお聞きください。よろしくお願いします。
2012.03.16
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前回のブログの最後に、「九電などの電力会社や国・地方自治体を追い詰めるだけでは脱原発はできません。それにプラスして、私たち市民が電力にかんする統治・運営能力を身につけなければなりません。その鍵となるもう一つの映画に、先日出会いました。」と書いたのですが、その映画とは、監督:フランク=ディーチェ/ヴェルナー=キーファーの映画「シェーナウの想い~自然エネルギー社会を子どもたちに~」(2008年/ドイツ/60分)のことです。 人口2500人のドイツ南西部にある小さな町シェーナウ市で、原発反対運動からはじまり、自分たちで運営する電力会社を作ってしまう話。この映画を日本語に翻訳し、日本でこの映画の上映運動を進めている環境NPOの「自然エネルギー社会をめざすネットワーク」の及川 斉志(おいかわ まさし)さんが、私も関わっているどんぐり自然学校にやってきて、そこで出会い、この映画を知ることになりました。この映画の詳細については、「“Das Sch?nauer Gef?hl”シェーナウの想い~自然エネルギー社会を 子どもたちに~」のページや、「幸せに生きる環境学(フライブルクにて)」というブログの「シェーナウの想い」(2012-03-06)のページで詳しく紹介されています。ここでは、その流れだけ簡潔に記すと、チェルノブイリ原発事故→「原子力のない未来のための親の会」(親の会)結成→放射能から身を守るための情報を発信する情報スタンド設置→「節電キャンペーン」「節電コンテスト」→ラインフェルデン電力会社(KWR)に、原発に頼らない電力供給、エコ電力の買い取り価格の引き上げ、節電を促すために基本料金を引き下げ使用料金を引き上げる比例料金制度提案→KWR拒否→シェーナウ電力会社(EWS:Elektrizit?tswerke Sch?nau)発足→2度の住民投票→EWS勝利・電力供給認可→法外な価格のついたKWR所有の電力網をGLS銀行や広告会社の無償の協力、人々の善意の寄付などで買取→電力供給開始(1997年)→ドイツ電力事業の全面自由化(1998年)→「原発に一切頼らない自然エネルギーをメインとした電力供給」という企業理念が支持され、ドイツ全土で約11万人の顧客(2012年現在)「チェルノブイリ事故をきっかけにした親の会の発足から、操業に至るまで実に10年もの歳月が流れていました。」と紹介されていますが、チェルノブイリ事故の前から原発関連の研究会にはいって、木原正雄・小野秀生・道下敏則編『21世紀への原子力 問われる原子力政策の選択』(法律文化社、1986年2月発行=チェルノブイリ原発事故の直前)という京都の自然科学・社会科学の研究者が共同で執筆した著作の末端に加わらせていただいた私からすれば、たった十年で、こんなことを実現してしまうシェーナウの人たちがうらやましく、すばらしい人たちに感動です。逆に言うと、私はチェルノブイリ原発事故以降のこの25年間何をしていたのか、という思いです。そして、ドイツ社会全体でも1998年に電力事業の全面自由化が始まり、事業を始めたばかりのEWSでしたが、「原発に一切頼らない自然エネルギーをメインとした電力供給」という企業理念が支持されて、現在ではドイツ全土で約11万人の顧客を擁する電力会社に成長してきているということです。2011年「ゴールドマン環境賞」受賞者となった親の会の中心メンバーで、EWSの経営責任者ウルズラ・スラーデック女史は、「一番の願いは、世界中から原発がなくなること。二つ目の願いは、早急な自然エネルギー社会への転換。そして三つ目の願いは、世界中の人たちに電力が公平にいき渡ること。」と夢を語ります。一見、どこにでもいるふつうの住民たちが、ここまで大きなことを成し遂げてしまうことに驚きと感動を覚えました。と同時に、制度面でも運動面でも、ドイツと格差のある日本に絶望感にも似た非常な厳しさを感じつつも、やはり諦めてはダメ、長い道のりではあるけれど、一歩一歩進んでいけば、必ずこれを実現する日はやってくると心に言い聞かせて、自分のやれることをやっていこうと思います。冒頭に紹介した「自然エネルギー社会をめざすネットワーク」が日本での上映を取り扱っており、各団体に無料で貸し出して上映運動を進めているので、皆さんもぜひいかがですか。私もぜひ上映会を開こうと思っています。
2012.03.14
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お久しぶりです。いつものことですが、長い間、失礼しました。今日からブログ再開します。3月11日に再開することを心に決めていましたが、一日遅れになってしまいました。さて、昨日は「さよなら原発!かごしまパレード」に参加してきました。14時46分の黙祷も含め、久しぶりに集会・パレードに参加しながら、原発にはできるだけ早くさよならして、再生可能エネルギー中心の持続可能な社会をめざす決意を新たにした次第です。そのための道筋をどうするのか、どうすればいいのか、が私の大きな問題意識の一つにあります。まず参考になったのが、前日イベントとして、3月10日にかごしま環境未来館で上映された西山正啓監督「脱原発 いのちの闘争」でした。脱原発を目指す、西山正啓監督によるドキュメンタリー映画の「クレイジー・エナジー」制作プロジェクトの第1作目で、現在「玄海原発や川内原発を抱える九州を舞台に、原子力発電所とそれを取り巻く人々の暮らし、人間の心の機微などに焦点をあてた新作を2012年秋の完成を目指して制作中」のようです。上記サイトによると、映画の概要は次のとおりです。<映画の概要>2011年3月11日フクシマ原発震災が起こってしまった後も、いまだ原子力政策を強引に推し進めようとする巨大なシステムに振り回されるなか、声をあげつづける九州の脱原発運動の市民たち。彼らに寄り添ってまわしたカメラを前に、電力会社、行政、国家との関わり(九電交渉、九電株主総会、佐賀県庁申入行動)のなかで見えてきたものは一体何か。(上映時間:102分)いまだに原発を推進する電力会社や地方自治体のいい加減な認識、まず金ありきの姿勢に対して、どう追及し、やめさせていくか、ということで、この映画に出てくる人たち、みなすごいです。この映画で特にすごいなと感じたうちの一人(映画の中心に出てくる他の闘士たちがすごいことはすでに知っていたので)は、ウミガメの産卵を保護することなどを目的に薩摩川内市の海岸で清掃のボランティア活動をしている中野行男さん(彼だけ別世界に生きているような印象ですが)。冒頭から何度も出てくるのですが、その地道な活動で、川内原発に隣接し、3号機建設予定地でもある寄田海岸で、ウミガメやサメ、イルカやクジラ、ダツやエイなどの大量の死骸を目にし、死骸を写真に撮り、そして丁重に葬ってあげてきた人です。それらの大量死の原因は、おそらくは周辺よりも7~8℃以上も高い原発から大量に排出される温排水。映画でも気温18℃の日に、海水温23.5℃の様子が映し出されていました。南方ブックレット『九電と原発(1)温排水と海の環境破壊』に多くの写真とともに、その様子がくわしく紹介されています。また、ネットでは、「九電川内原発の謎(2)―隣接海岸がサメやウミガメの墓場化するワケは?」深層WATCH 2010年5月19日 08:50に紹介されています。もう一人は、福島から福岡に避難し、やらせメールが起こったあと、佐賀県庁への抗議に参加していた「ママは原発いりません・福岡」の阿部恵さん。幼子を抱きながら、すごい迫力。古川県知事の盾として、抗議の聞き役となった佐賀県職員(お仕事でこんな役させられて、誰に対しても「知事を含め、上司に伝えます」としか発言できず、彼個人に対してはちょっと同情します)は圧倒されていましたね。西山監督と阿部さんは、さよなら玄海原発の会・久留米で、映画上映の時に対談しているようですね。(さよなら玄海原発の会・久留米「脱原発 いのちの闘争」で西山監督が伝えたかったこと2012-02-20 07:52:23のブログ参照)ただ、九電などの電力会社や国・地方自治体を追い詰めるだけでは脱原発はできません。それにプラスして、私たち市民が電力にかんする統治・運営能力を身につけなければなりません。その鍵となるもう一つの映画に、先日出会いました。続きはまた次回。
2012.03.12
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「原発はクリーンエネルギー」って矛盾した言い方だなと前々から思っていました。19日から20日にかけての夜中、再放送があったNHKのETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2ヶ月~」を見ました。この番組を見て、わかりました。「クリーン」と「エネルギー」の間の重要な言葉が抜けていたのです。「原発はクリーン(な環境を放射能で汚染する最悪の)エネルギー」これですね。この番組、福島第一原発事故後の現実をとらえた素晴らしい番組でしたが、YouTubeにもいくつかアップされていました。番組に出ていた本当の意味での専門家の方々、番組のディレクター、YouTubeにアップされた方、ありがとうございます。見逃した方、消されないうちに(ぜひとも消さないでいただき、一人でも多くの人に見ていただきたいのですが)、ぜひご覧ください。ネットワークで作る放射能汚染地図 01ネットワークで作る放射能汚染地図 02ネットワークで作る放射能汚染地図 03ネットワークで作る放射能汚染地図 04ネットワークで作る放射能汚染地図 05ネットワークで作る放射能汚染地図 06ネットワークで作る放射能汚染地図 07福島の人たちの住むところを奪い、農家のすべてを奪い、子どもたちの未来を危うくする原発は、絶対にいらないですね。
2011.05.21
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福島第一原発事故がとうとうレベル7と評価されました。チェルノブイリに続く、世界的に見てももっとも深刻な事故ということになります。この事故で、現代版「ウサギとカメ」の物語が思い浮かびました。元の話は、ウサギは油断して眠ってしまっている間にカメに抜かれてしまうということですが、ウサギはあるところまで行くと、必ず止まって休まなくてはいけない運命だったと考えるとどうでしょうか。ウサギは様々な理由で走り続けることが不可能だったということになると、カメが勝つのは必然だったということになります。ウサギが原子力発電で、カメが太陽光発電だとします。原発=ウサギは、太陽光発電=カメなど比べものにならないほど高い出力をもち、たくさんの電力を一気につくってくれます。これを見て、原発=ウサギが太陽光発電=カメに勝つのは火を見るより明らかだと思っていた人も多いでしょう。しかし、原発=ウサギが快調に走っているように見えても、その裏でかなり無理をしていたことも知っておかなくてはいけなかったのです。原発はそれだけで存在しているのではなく、地中に眠っているウランを採鉱するところから、転換、濃縮、再転換、精錬などの工程を経て、ようやくウラン燃料が出来上がります。また、原子力発電の過程で、ウラン238は中性子を取り込み、プルトニウムに変化、この使用済み核燃料を再処理しなくてはいけません。また、低レベル・高レベルの放射性廃棄物も大量に出て、これらを適切に処理し、今後長い間保管することもしなくてはいけません。しかし、現実は、使用済み核燃料の再処理も遅々として進まず、放射性廃棄物はあふれんばかりに増え続けているのです。今度事故を起こした福島第一原発のように老朽化した原発も多く、そろそろこれらの原子炉を廃止しなくてはいけません。しかし、放射能まみれになった原発を解体し、そして将来的に安全な形で半永久的に廃炉を保管するためには、大変な手間、技術的な工夫、そして兆単位のコストが必要です。事故を起こさなくても、ふだんの操業において、周囲の魚卵や稚魚などを巻き込む大量の取水や、非常に高い水温で微量の放射能を含んだ温排水により、周辺の海の生態系に大きな影響を与えています。また、これまで注いできた研究開発費、それでも事故やトラブル続きでなかなか稼働できない高速増殖炉「もんじゅ」や六ヶ所村の再処理施設、さらには立地地域への電源立地補助金、そしてまさに今回現実となった地震や津波により大事故に至る可能性などを、総合的に判断するとじつは「原発は安い電力」というのは幻想だったといえます。原発=ウサギは、これまで快調に走っているように見えたにしても、どこかで必然的に止まる運命にあったのかもしれません。一方、太陽光発電=カメは、一基でそれほどたくさんの電気を作ってくれるわけではありません(もっとも、スペインなどには巨大な太陽光パネルが設置され始めていますが)。しかし、歩みののろいカメもたくさん集まって、みんながいっせいに一歩進めば、たいへんな電力を生産してくれます。「チリも積もれば山となる」わけです。原発で一気に発電しないと非効率と考えるのは当然ですが、本当にそうなのか、考える材料を福島第一原発は与えてくれたのだと思います。現地で奮闘している作業員の方々には、本当に頭が下がる思いです。なんとか最悪の事態を防ぎ、事態の改善を願っていますが、残念ながらそう簡単に放射能漏れを止めることはできそうもないようです。急がば回れです。これを機会に、エネルギー政策の根本的転換に踏み出し、再生可能エネルギーへの流れを本格的につくるべき時がやってきているということを、今回の事故は教えてくれているのです。なお、ウサギさんには以前台風の時に登場してもらっているのですが、原発にたとえるのは、ウサギさんにたいへん失礼かな、と思いつつ、この話が頭から離れないので、書かせていただきました。
2011.04.13
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皆さん、長いこと、ご無沙汰してしまいました。まずは、今回の東北関東大震災において犠牲となられた方々へのご冥福をお祈りし、被災者の方々へのお見舞いを心より申し上げます。そして、一日も早い復興をお祈り申し上げます。忙しくなって、とりわけわが家のごみ処理のデータがとれず(何日かきちんとごみの重さをはからずに出してしまった)、そこを空白にするのもなあと思っているうちに、このブログを何も表明することのないまま休止してしまいました。その間も、多くの方に訪れていただき、本当にありがとうございます。同時に、何の情報も追加せず、たいへん申し訳ありませんでした。ちょうど10日前、東北太平洋沖を震源とする日本観測史上最大の地震(M9.0)、そして東北太平洋岸各地に10mをこえる津波が押し寄せ、たいへんな災害が起こりました。それと同時に、福島第1原発の複数の炉において、少なくともスリーマイル島の事故を上回ってチェルノブイリに続く原発史上世界で2番目に大きな事故が起こり、大量の放射性物質が漏れ出してしまいました。現地で対処に当たる方々の必死の努力に対して、本当に感謝と敬意の念を抱くとともに、それでもなお現在もまだ予断を許さない状況にあることに危機感を抱き続けています。このブログでも、原発については、2度ほど触れています。その2つの記事は、記事のカテゴリーに「原子力発電」を新設し、移設しました。その理由はもちろん、これからこの「原子力発電」について、このブログでもきちんと論じる必要があると考えたからです。ちょうど1年前の2010年3月20日にアップした「経済産業省のエネルギー基本計画=2030年までに原発14基を新増設」という記事では、「本当の「地球温暖化対策」、環境保全のためには何が必要か、もう一度根本的に考え直してほしい、というのが、私の感想です。そして、考え直させるためにはどうすればよいか、これが私の課題です。きびしいけれど。」と書きました。また、2010年5月19日の「何人寄っても、もんじゅの知恵なし」の記事では、「コストが高いとかいわれながら、EPTで約2年、耐用年数40年とすれば、かかったエネルギーの20倍は発電してくれる太陽光パネルは、現状でも確実にコストを回収してくれます。そして、さらに製造エネルギーやコストの改善、変換効率の改善が見込めます。ぜひ、原発重視のエネルギー政策を見直し、再生可能エネルギーに全力を傾ける方向に転換していってほしいと思います。」と述べています。こんな事故が起こる前になんとかできればよかったのだけれど、ずっと危惧していた重大な事故がとうとう起こってしまいました。このブログをきちんと更新し、そこで強く訴えていたとしても、原発重視の環境エネルギー政策を変えることにはならなかっただろうけど、もんじゅの続報や六ヶ所村の再処理施設のこと、そして川内原発3号機増設をめぐることなど、この間にもたくさん書くべきことがあったにもかかわらず、この間ブログを休止していたことに対して、反省せざるを得ません。そして、自分のくらしぶりを紹介し、化石燃料や原発にできるだけ頼らない生活が可能であり、今後、日本においても環境エネルギー政策を根本的に転換し、再生可能エネルギー中心の政策に移行できるし、しなければならない、ということを発信することに自分の使命があると考えたので、ブログを再開していきたいと思います。
2011.03.21
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大規模なナトリウム漏れ事故があった1995年以来、14年5ヶ月ぶりに運転再開した高速増殖炉もんじゅですが、運転再開直後からトラブル続出です。「どんなささいなトラブルでも通報、公表する」との約束も、またもや通報遅れで謝罪するという以前と同じパターンを繰り返し、運転員に制御棒挿入という基本操作も伝わっていなかった、という目もあてられない状況におちいっています。日誌風に、まとめてみますと、6日 運転再開。その夜、原子炉容器内の燃料破損の検知装置が警報を出す。通報なし。7日 同じ装置が午前10時過ぎからさらに5回鳴動した。3台ある同タイプのうち2台目も調子が悪くなり停止した。正午になって、検知器の故障ではないかとして、ようやくトラブルを公表。8日 臨界達成。ナトリウム温度が一時上限値超え、警報が作動した。9日 さらに9日午後1時からの24時間で施設内で75回もの警報が鳴る。3台ある検出器のもう1台も使用を取りやめる。10日 制御棒操作でミスが発生。電力会社からの出向で、もんじゅの制御棒を初めて動かした運転員が方法を熟知していなかった。制御棒は3種類あり、操作方法も異なる。ミスのあった制御棒は全挿入の4ミリ手前からゆっくり落ちるため、最後にボタンを長押しする必要がある。だが操作マニュアルにその記載はなく、運転員は知らなかった。14日 原子炉格納容器の床下に設置した酸素濃度計の機能が約5時間半、停止していた。16日 定期点検、機器調整などのため、原子炉停止。22日再起動の予定。17日 放射線管理区域内にある放射線管理室の排気モニターの故障を知らせる警報が鳴った。運転員が現場を確認したところ、モニターに空気を送り込む「ダストサンプリングポンプ」1台が流量異常で停止していた。毎日のように起こるトラブル。以前から「動燃体質」とよばれていた隠蔽体質。どんなささいなトラブルも即座に通報、公表すると約束しながら、またも遅れて謝罪しながらも、運転は続けるとは。さらに、基本操作もマニュアルには記載されず、実際の運転員に伝わっていなかったのです。この14年間、何をしていたのでしょう。事故後、運転再開を目指すも、ナトリウム漏れ検出器の取り付けミスなどのトラブルを多発、地震対策などの問題も浮上する中で、再開は計4回延期されましたが、経済産業省原子力安全・保安院と内閣府原子力安全委員会が2010年3月に安全性に「妥当」と判断、2010年4月28日に福井県知事・西川一誠も運転再開を了承し、今回の再開に至ったわけです。しかし、トラブル続きだったのに、どうして運転再開が認められたのかと思えば、2010年3月、2003年から2008年までの5年間に亘り、日本原子力研究開発機構から業務を請け負う地元企業数社が、河瀬一治・敦賀市長や、西川一誠・福井県知事のパーティー券を累計で、河瀬市長から222万円、西川知事から130万円分、それぞれ購入していたことが発覚したということです。建設費が当初予算で約5,900億円。事故後、14年5ヶ月動かなかったけれども、建設・運転費はこれまでに約9000億円、関連費用も含めてこれまでにかかった総予算は約1兆9000億円にもなるということです。今後も、毎年維持費だけで200億円かかっていきます。そして、今の計画、運転がうまくいったとしても、高速増殖炉の実用化はまだ遠く、もんじゅは「原型炉」の段階であり、「実証炉」を経て、2050年までに商業化することをめざしているそうです。いったい、実用化、商業化までに、何兆円かかるのでしょうか。そして、結局だめだったとしたら、私たちの税金はどうなるのでしょう。コストが高いとかいわれながら、EPTで約2年、耐用年数40年とすれば、かかったエネルギーの20倍は発電してくれる太陽光パネルは、現状でも確実にコストを回収してくれます。そして、さらに製造エネルギーやコストの改善、変換効率の改善が見込めます。ぜひ、原発重視のエネルギー政策を見直し、再生可能エネルギーに全力を傾ける方向に転換していってほしいと思います。
2010.05.19
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「これ本気、やめてくれ」と心の中で叫んでしまったニュース。その記事は、原発14基を新増設…エネルギー基本計画原案記事によると、3月19日明らかになった「2030年までの国のエネルギー政策の指針を定める経済産業省の「エネルギー基本計画」の原案」で、◆2030年の主な目標(かっこ内は現状)は、 ◇すべての新車を次世代自動車に。燃費基準を1リットルあたり約40キロに引き上げ ◇LEDなど高効率照明の普及率を100%に(1%未満) ◇原子力発電は14基を新増設。稼働率を90%に向上(64・7%) ◇太陽光、風力、地熱、バイオマスなど再生可能エネルギーの発電全量の買い取り制度実施 ◇太陽光発電の発電量を2005年の40倍にあたる5300万キロ・ワットにということだそうです。「原子力発電を「低炭素電源の中核」と位置づけ、30年までに少なくとも14基を新増設し、現在60%台の稼働率を90%に引き上げることなどが柱だ。」う~ん、原発なんかを「低炭素電源の中核」にしてもらっては、困りますなあ。川内原発では、8℃以上高い放射能を含んだ温排水を海に流して、周辺海域の水温が相当上がっているそうな。これについては、また今後ブログで記事にしたいと思いますが、それだけでも本当に「地球温暖化対策」になるのか疑問です。そして、「新車販売はすべて次世代自動車とする目標を掲げるなど、これまでの原油の安定供給確保から、温暖化対策を重視したのが特徴で、政府が検討している地球温暖化対策基本法案の具体化に向けた行程表(ロードマップ)への反映を目指す。」といいます。計画案紹介記事は続いて、「原案では、環境と成長の両立を最重要テーマに掲げ、「地球温暖化問題への対応」や「経済成長の促進」などを基本方針とした。」とあります。この期に及んで、「経済成長の促進」とは…。「原発については、「安全の確保を大前提に、新増設の着実な推進と稼働率の向上を図る」と明記した。」見逃せないのは、「また、エネルギー消費量のうち自国でまかなえる割合を示すエネルギー自給率も、海外権益分も含め現在の38%から70%に大幅に改善させる。」このエネルギー自給率、原子力を「準国産」と位置づけた、まやかしの自給率。経産省資源エネルギー庁では、(ア)国産エネルギーの利活用1 国内における在来型エネルギー資源開発、利用2 国内における非在来型エネルギー資源開発、利用3 国内における再生可能エネルギー等開発、利用4 国内におけるエネルギー供給インフラ等の整備5 国内におけるエネルギー需要抑制 等に加えて、(イ) 準国産エネルギー(原子力)の活用1 原子力発電の導入2 ウラン濃縮技術3 核燃料サイクル体制 等(ウ) 海外権益確保(含む開発輸入)1 国外からの在来型エネルギー資源確保2 国外からの非在来型資源確保3 国外におけるエネルギー需要抑制技術等開発、導入協力4 国外における再生可能エネルギー等開発、利用協力 等まで、エネルギー自給率の定義に入れています。これって、あり???本当の「地球温暖化対策」、環境保全のためには何が必要か、もう一度根本的に考え直してほしい、というのが、私の感想です。そして、考え直させるためにはどうすればよいか、これが私の課題です。きびしいけれど。(3月20日早朝に記事を見て書き始めたけど、忙しくてアップするのが、2日遅れの22日になってしまいました。)
2010.03.20
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