江戸こぼれ話 笑左衛門残日録

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ケセラセラ 朽木一空と五林寺隆さん

2024年09月20日
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​​  江戸いろはうた 7
​​


​​ <へ> 屁を放って尻窄める ​​
 「屁を放って尻窄めるとは、屁の音や匂いが出た後で、
 尻をすぼめめてみたとて手遅れですよ、
 失敗した後で、隠したり、取り繕っても無駄ですよ、ていう
 ことの例えでございますね、
  お武家様が松の廊下で屁なんぞ放ったら、
  一大事、切腹者になるやもしれませぬ。
  そこへいくと、ご隠居なんざ、慌てませんね、
 長屋の者は遠慮なく屁のひりっぱなしでございますね、
 そこで、一句ひねりました・

  ~屁を放って 尻も締まらぬ 隠居かな」

 「そうよ、屁にも身分があってな、
 長屋じゃ屁と呼ぶが、宮中じゃ<お鳴らし>と呼んだそうだ、
 それがおならになったそうなのじゃ、」
 「ところで、屁負比丘尼(へおいびくに)という女中がいることは知ってるかい?」
 「高位の奥方や姫君にとって屁を漏らすなどという醜態は死活問題
 屁負比丘尼という付き人が身代わりになってる話ですよね、
 くだらねえ仕事でもこれがなかなか難しいようで、
 屁負比丘尼は、ぼおっとしたり、居眠りもできないのです。
 おならの音を聞きつける耳の良さに加え、演技力も必要で、
 奥方や姫君との阿吽の呼吸で、
 周りの者に気づかれないように絶妙の間で、
 ~お恥ずかしながら私がいたしました~
 と、顔を赤らめ小声で平伏するのだそうです。
 さらに古参の屁負比丘尼ともなれば、屁だけでなく、
 奥方や姫君のはしたない行為、あらゆる粗相の
 身代わりとなるのだから 頭がさがりますねえ、」
「人形町の大商家ではな、奥方がふかし芋が大好きでやめられず、
 一日中、所かまわず屁をこくので、
 亭主は困り果て屁をするための部屋 <屁屋>
を作ったというのだよ、屁屋が部屋の語源だなんていうひともいるよ」
「じゃあ、部屋の中なら屁をこいてもいいってことですね。」
 「絵巻にも<屁合戦絵巻>なんていう本があって、
 ~腹が減っては屁はできぬ~
  なんて洒落てるが、
 まあ。江戸人は屁が好きだ。庶民は屁を嫌っちゃいないね、
 むしろ屁と遊び、喜んでるるねえ、」
 「面白い屁といえば、何といっても 両国広小路の
 曲屁の名人、霧降花咲男でしょうかね、
 放屁の長さや連発なんて単純なものじゃねえ、
 姫の屁、殿様の屁、坊主の屁などと放屁の身分仕分け、
 旋律を奏でるのは当たり前、屁による犬や鶏の鳴き声の真似、
 屁で歌舞伎や浄瑠璃の人気演目を一幕演じ、
 でんぐり返ししながら<ぶうぶう>と屁をひって水車を模す、
 など、にわかには信じがたい屁の神業で
 江戸の庶民の度肝を抜いているそうですぜ、」
 「そうよ、その花咲男のことを平賀源内が風來山という筆名で
 <放屁論>という本にしてるのだが、その一説がこれだ。
 ~糞尿は肥料として万民を養うが、屁というのは放屁した本人がしばし腹がすっきりだけでなんの役にも立たず、
 音すれど、太鼓や鼓のように傾聴するもんでもないし、
 匂いはすれど伽羅麝香(きゃらじゃこう)のような香として使えるわけでもない。
 だが、花咲男ときたら2寸足らずの尻穴から出る屁で歌舞伎や浄瑠璃の芝居を演じ、観客を”屁威光(閉口)”させる。これは本当に”屁柄者(手柄者)“だ~
 まあ、屁なぞは確かに、無益無能なものだが、
 人を楽しませ、人を苦しめ、
 身分によって差がある屁は奥深い世界のようでございますな。」

   ~屁を放ち 尻窄まぬ 尻もあり~ 拙作

  ~ 音だけは 屁負ったが 臭い別~江戸川柳

  ~花嫁は 一つひっても 命がけ~江戸川柳

 ~屁をひって嫁は雪隠出にくがり~ 江戸川柳
 笑左衛門





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最終更新日  2024年09月20日 10時30分11秒
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