2005/08/23
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テーマ: 社交ダンス(9782)
朝から絶不調でした。鼻水のプールに脳みそが浮かんでいるような感じで、止めどなく流れ落ちる鼻水で顔が洗えそうでした。よっぽどのことがない限り、安静にしていた方がよかったのですが、それは、2004年2月11日、待ちに待った武道館デビューの朝でした。

ワールドダンスファスティバル、ユニバーサルグランプリダンス選手権、長い名前の大会です。日本武道館は、いろんなミュージシャンのライブで何度も行ったことはありますが、自分が出るのは、これが初めて。

いつも応援して下さっているY家のお母様は、何万円もするアリーナテーブル席を購入されて、楽しみにして下さっているので、絶対に穴をあけるわけにはいきません。それに、お正月返上で、練習して来たんだし、買ったばかりのドレスを初めて着る、晴れの舞台でもあります。

普段、めったに薬を飲まないので、ここ一番で飲むと、あれほど大洪水だった鼻水がピタっと止まりました。熱でボーっとしていましたが、傍目には全くの健康体です。

受付で立派なプログラムを受け取ると、今日出演予定の、海外プロ選手、日本のトッププロたちの写真の後に、アマチュア招待選手、私達の写真も載っていました。格好良すぎます。自分たちじゃないみたいです。

オープンラテンの出場者は17組。全員、フロアに入ります。周りをグルっととりかこんだスタンド席は高くそびえ、私はすり鉢の底の、ゴマ粒のような気分でした。クリーム色のフロアにまぶしく照りつけるライト。

ああ、これが武道館なんだ。

チャチャチャの曲が始まりました。周りの選手がビュンビュン踊り始めるのにつられて、私達も普段より振りが大きく、動きもダイナミックになっているのを感じました。私は、「クラゲ」と呼んでいるドレス、彼はエルビスのコスチュームです。

と、その時、一瞬、膝が固まりました。スカートにヒールが引っ掛かったんです。



スカートが破けた音です。

周りの景色がスローモーションで変わって行くのが見えました。私の視線は、彼の顔から二階席へそして天井から降り注ぐライトへ。

気がつくと、フロアにひっくり返っていました。その間、多分わずか数秒だと思いますが、とても長い時間が経ったような気がしました。

私はこのままバターのように溶けて、フロアにしみ込んで消えてしまいたいと思いました。

(つづく)





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Last updated  2005/08/23 11:42:11 AM
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