2010/03/15
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テーマ: 社交ダンス(8596)
カテゴリ: 下町人情物語
ピッタリに直してもらった靴を試合で履こうと思って、ならすために練習で履いてみました。

ところが やっぱり痛くて 履いていられないんですね。

今までずっと履いて来た靴に戻そうにも、これより1センチ大きいものでしたから、小さい靴に慣れると今度はユルすぎて踊りにくいんです。

よくいままでこんなブカブカの靴で何年も踊ってたな。

おまけに足首が靴擦れで擦り剥けてしまい、ますます他の靴も履いてられなくなってしまいました。

10分おきに靴をいじってる私に大将も愛想が尽きた様子。




『もうピッタリじゃなくてもいいから踊れる靴くださいって言って来なよ。練習できないじゃない。』

それで、先週休暇とって靴屋さんに行きました。



ずっと履いてた大きい靴の方も持って行って、ピッタリの靴との中間サイズを買おうと思っていたんです。




鼻息も荒くお店に入ったんですけど、やっぱりダメでした。


『どこが痛いんですか?』

『はい、ここなんです。右側の上から二本目の紐です。』





あらあら。大きい靴買うんじゃなかったっけか。

もう直してもらいに行くの3回目ですからね。社長も『またか』って感じかもしれませんが、快く引き受けてくれました。

さらに私の履き込んだ1センチ大きい靴を見て、

『これも履けるようにして上げましょうか?』

え?そんなこと出来るんですか?




ワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は、私の大好きなオペラの一つです。

先週テレビでやっていて、思わずつかまってしまったんですが、主人公はハンス・ザックスという靴屋の親方なんですね。

ハンス・ザックスの歌 が浮かんできました。




女性の店員さんと共同作業で、私の2足のサイズの違う靴が直されて行きます。

ときどき軽やかな笑い声が聞こえて、なんか私もうれしくなってきました。

『はい、これで履いてみて。特注品ですよ。』

ゆるゆるだった靴がピッタリの靴に大変身。






その一番底の部分が、まだカットされてなくて、足にピッタリになった上の層からはみ出していました。

『ここは、うちで自分でカットしてくださいね。』

私が何の疑いもなく『はい。』と答えると、なぜか社長が店員さんと顔を見合わせて『ほらね。』と言います。

『優しい方なんですよ。』女性の店員さんが社長に言って笑います。

意味が分からずどうしてかと尋ねると、頭から胸の辺りをぐるっと指差して

『この辺に、出てるんですよ。』

ますますポカンとする私。




『冗談に決まってるじゃないですか。ちゃんとカットしますよ。』と社長。

『真面目な方なんでしょうね。』と店員さん。

私ったら、冗談も分からないほど気持ちに余裕がなかったんでしょうかね。(だってあさって試合だもん)




さらにかかとが紐ですれないように、結び方をかえるよう薦められました。

リカルド・コッキのパートナーのユリアさんがそうやって履いてる写真がカレンダーになってるんですけど、紐を足首から回してクロスにするのではなく、靴底を通してクロスに結ぶんです。

そうすると、もっと足首が自由に使えるようになるんですね。

踵についてる紐を通すループもカットしてくれました。

こんなにいろいろやってもらうのって、実は普通にお願いすると時間もお金も相当かかると思うんですけど、全部おまけしてくれたんです。

はるばる3回もお店に通った甲斐がありました。

私の足が、あっちこっち傷だらけでかわいそうな感じに見えたんでしょうか。




『大きい靴をいつも履いて踊ってるとね、だんだん足が横に育って来ちゃうから気をつけて。はい、お待たせいたしました。』


ずっと踊れるダンスシューズが欲しかったんです。

それがいっぺんに2足も手に入るなんて嘘みたいです。

上野のハンス・ザックスさんに感謝。

通販や格安の靴も魅力的でしたが、ここまでしてもらうともう他で買う気がなくなりますね。靴を買うなら、やはりお店に足を運ぶ方がいいですよ。

ご興味ある方、 お店のサイトはこちら です。







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Last updated  2010/03/15 10:41:32 PM
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