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マレーシア、クアラルンプールから帰国したのでF1関連の記事を書こうと思っていた矢先ショッキングなニュースが飛び込んできました。イタリア名産のチーズとしてあまりにも有名なモツァレラが汚染を理由に輸入停止に追いやられたそうです。 水牛の乳から生産されるモツァレラは牛から作られるモツァレラよりも高価であるためイタリア経済に与える打撃は甚大でしょう。とはいえ、規定量をはるかに超えるダイオキシンが検知されてしまったのだから止むをません。 しかし、これには伏線がありました。突発事故ではありません。マフィア絡みでごみ収集が停滞しナポリの街がゴミだらけなのは日本人の方でもご存知かと思いますが、これは何もナポリに限ったことではありません。まがりなりにも公共機関が機能しない(ゴミの散乱という部分だけでなく)イタリア国家そのものがEUのメディアの中で重病国家とか、EUの劣等生と遠慮無しに叩かれていますし、フィアットの会長にしてイタリア工業連盟の会長も務めるルカ・ディ・モンテツェモロも欧米で有力なネットワークを持つニュース・メディアでイタリアの元凶を断罪しています。 僕のイタリア人の友人も「イタリアという国土には自信が持てるが、イタリア人やイタリアという国家には恥ずべきものがたくさんある」と言います。 とは言え、日本も同じような現状であることを意識する必要はありますが・・・。 ちょっと前にイタリア国内で流行った「カオス・カルモ」という映画があります。映画の中で描かれている性の描写に関してイタリアの教会が難癖をつけたことで物議を醸しました。これが興行面で延びた理由の一つではありますが、妻を亡くして途方に暮れる主人公そのものにイタリアの病巣がオーヴァーラップし、イタリアそのものを表現しているとも言われました。 僕がヴァレンシア・テストでEU圏を回っていたころに見たイタリアの現状を告発する記事はイタリア人ではない僕にもイタリア特有の気質がもたらす功罪を良く解るように書いてありました。しかもEU圏のイタリア国外のメディアが書いた重病国家イタリアの告発記事はイタリア人ではない外国人記者が書いたものではなくミラノとローマの支局に籍を置くイタリア人によって書かれたものでした。 見出しは「景気はどん底で政治機能は停止しているのに国民に危機感はほとんどない。本当にこの国(イタリア)はこれでいいのか?」というような内容のものだったと思います。 80年代のイタリアはGDPでイギリスと肩を並べていて新生EC(現EU)の牽引役になることが宿命付けられていたにもかかわらずその凋落は留まることを知りません。 ここ十数年、イタリアは不安定な連立政権を作っては崩壊することを繰り返しています。にもかかわらず政権中枢には同じような顔ぶれが出たり入ったり・・。4月の総選挙までは暫定政権が続くイタリアですが次期候補にもイタリア財界の大物として知られるシルビオ・ベルルスコーニ(右派)が名を連ねています。彼が復帰すれば3度目(?)の首相就任となりますが世論調査では対抗馬のローマ市長ワルテル・ベルトローニ(左派)の就任は可能性薄。 しかし同じことを繰り返しかねないこのチョイスで本当に良いのかどうか?それさえも見極める力がイタリア国民から消えうせてしまっているのかも知れません。 その証左とも言えるのが国会議員でありながら有罪判決を受けた議員の多さです。有罪ではないものの裁判沙汰になったり容疑者や被疑者のレヴェルになると100人近くにもなるそうです。どう考えてもおかしいでしょ。 しかしながらこの状況、若干異なるとは言え、どこか今の日本に似ているような気がするのは僕だけでしょうか? イタリアに話を戻すと、昨年のイタリアの経済成長率は1.8%でユーロを通貨とするEU加盟国の中では最悪と言わざるを得ません。フランス経済は手堅く、相変わらず好調なドイツの輸出とは比べるべくもありません。 イタリアを代表するお笑い芸人べッペ・グリッロが昨年9月に集会を開き政府や政治を批判したことも興味深いものです。彼は世界に向かってこう発信しています。「イタリアを侵略してどうかイタリア国民を助けてください」と。 ここまでくると笑えないのではないか・・・とも思いますが本当にこれがイタリアの現状だそうです。 友人アレッサンドロも似たようなことを言ってます。冗談半分、日本に帰化したいと言っていた時期もありました。 彼曰く、イタリア人というよりもイタリアの風土にはドルチェ・ヴィータ症候群がありこれが国家としての成長を妨げているのだそうです。イタリア人は政治経済などの社会環境を憂慮しても、家族や個人の私生活とは厳密に区分できるために家族や個人が満足できていれば国家の健全性や政治経済の問題を問わない傾向にあるというのです。解りやすく言えば重要なのはファミリーだけで政治経済などの社会環境には興味がないということです。 この点も日本人に似ているような・・・。こういったファミリー中心の価値観が国家の一員であるという国民の良心の欠落を招き国際社会内での軋轢を生む要因であると彼は断言しています。 さらには地方政治のみならずイタリア国政中枢までをも脅かすマフィアの影響力も無視できません。 この2つが作用する限りイタリアは国際的な成功は難しく、政治経済の低迷からファッションなどのブランド力にも翳りが出始めたとのこと。 フィアットの総帥ルカ・ディ・モンテツェモロが現在のイタリアをこんな風に揶揄しています。「イタリアは図体ばかりでかく、高価で、運転が難しいポンコツ自動車でレースに臨むようなもので、誰をドライヴァーに迎えても勝ち目がない」と。 なんだかちょっと前のフェラーリのクルマを示唆するような内容ですがそれはさておき、ユーロ圏加盟を目指しEUから課された財政条件を満たすために多大な尽力を払った彼の言葉には耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。 しかし、僕がもっと心配なのは日本です。日本も程度問題の違いこそあれ、日銀総裁を選べないとか、4月1日から市場が混乱に陥りかねない特定財源廃止など無政府状態といっても過言ではないほど。 日本にとってはすぐ隣(中国)にある危機だけではありません。食料の自給自足ができない日本はもっと世界に目を向けなければなりませんが、そのせいで国内への関心が低下しては意味がありません。 このイタリアの危機は近未来の日本の危機である可能性も否定できません。P.S.フランス、イタリア、スペイン等ヨーロッパからのアクセスが増えているようですがこまめに記事を書くことができず申し訳ありません。フォーミュラ関連の記事の更新をお待ちの皆様申し訳ございません。
March 27, 2008
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開幕まで1週間と迫りましたが3月14~16日のメルボルン、翌週21~23日のクアラルンプールがおわるまでは休みが取れるかどうか微妙なところです。 不在になりますので開幕戦と第2戦の予想というか見所をいくつか書いておこうと思います。 まず開幕戦と第2戦は今季のタイア・コンパウンドをどのように理解し使っていくのかという各ティーム毎の戦略性と戦術性を知る良い機会です。 アルバート・パークではソフトとミディアム。セパンではミディアムとハードが投入されるようなので3種類のコンパウンドが早々に登場します。 アルバート・パークは一部公道を使っているためダスティな上、気温変化で路面状況が時々刻々と変わるコースなのでテンプチャー・レンジも重要になります。当然ながら気温が低い場合はカーボン・ブレーキの使い方にも影響が出るのでブレーキングの上手さというよりもローター温度の維持やデグラデーションを含めたタイア温度などのマネジメントに優れたドライヴァーが一歩抜きん出るでしょう。 とはいえマシンのアドヴァンテージでフェラーリが大本命ですから他のマシンのドライヴァーが頑張っても予選は簡単に引っくり返される可能性が大きいことも事実です。 この開幕戦で特に注目していただきたいティームやドライヴァーをピックアップします。 まずはカー・ナンバー1と2の二人。キミとフェリペ。 カー・ナンバー5と6のルノー、フェルナンドとネルシーニョ。 カー・ナンバー7と8のウィリアムズ・トヨタ、ニコと中嶋一貴。 カー・ナンバー10のマーク・ウェバー。 カー・ナンバー22と23のマクラーレン・メルセデス、ルイスとヘイキの9人。 正直、タナボタがない限りトヨタ、ホンダの線はないと思います。また、個人的に今回注目していこうと考えているドライヴァーはカー・ナンバー12のトヨタ、ティモ・グロックとカー・ナンバー14のトロ・ロッソ、セバスチャン・ヴェッテルの2人。 セバスチャンは型遅れのマシンを走らせてどこまで引き上げられるかでかなり評価が変わってきますし、ティモ・グロックは順応性や懐の深さがどのくらいあるのかを見極めたいと思っています。 実はネルシーニョや中嶋同様、ティモはルーキーの中では僕が注目しているドライヴァーの一人です。GP2でもトラクションのかけかたが上手いドライヴァーだったのでトラクション・コントロールがなくなったF1をどうドライヴするかが見物。もっともF1そのものに習熟する必要があるのでその順応性を見極めたいと思っています。 前述した有力各ティームの各ドライヴァーは要チェックですが今季の面白味を占う上で重要な役割を担うのはマクラーレンとウィリアムズでしょう。 フェラーリの牙城を脅かすことができるティームはかなり限られているように見えます。そんな中で最右翼となるのがやはりこの2ティーム。ドライヴァー・ラインナップという点でもこの2ティームが最強でしょう。 ルノーに関しては正直まだ判定しかねます。ブリヂストン・タイアの性格の把握どころかタイアに与える役割、すなわちどこまでタイアに頼るかという部分にティーム内でコンセンサスが取れているのかどうか理解しかねる挙動を見せています。ただ単にセッティングのスィート・スポットが狭く決めあぐねているだけならコースによってはリカバリーしてくると思いますが、現状では僕にはそうは見えませんでした。 問題点は違うもののBMWザウバーも似たような問題点を内包しています。 今までのテストで見ていた中ではタイアをきっちり使えているのはフェラーリ、マクラーレン、ウィリアムズです。路面温度が上がり始める夏場にどういった状況にシフトしていくかが不透明ですが、この3ティームはあまり大きな影響を受けずにシーズンを乗り切れる可能性は高いです。 ただし、問題なのは熟成過程でバランスを崩してしまわないようにすることでしょう。特に今年はギア・ボックスのレギュレーションが変わっています。それを踏まえて設計段階で刷りなおししたとはいえ十分な対策ができたかといえば未知数な部分が残されていることは否めません。ほとんどのティームがギア・ボックス耐久性確保のために大型化を余儀なくされ必然的にホィール・ベースが延伸され重量バランスが少しでも変わればタイア・ライフのバランスも大きく変わります。 フェラーリは磐石と言われてますがこのように重箱の隅を突くように細部を見ていくと決して予断を許さないことは確かです。 かねてからフェラーリのギア・ボックスは信頼性を確保するために時間がかかることが多く、今回から大きく重くなっているギア・ボックスがパッケージに与える影響も少なくありません。 昨年のスーパーGT開幕戦でブッチギリ速さで猛威を振るったNSXが後半になって息絶えたぐらいです。スーパーGTとF1は違いますがレースそのものの性質はすべておなじで磐石などありません。 開幕戦ではなかったとしても第2戦、第3戦、第4戦と続くに従い残り数周で息絶えるマシンが序盤戦増える可能性は十分あります。ここも昨年とは違いますのでタイアと同様にミッションにも負担をかけないドライヴィングを実践できるドライヴァーが有利です。しかも今季はトラクション・コントロールがないのでミッションに負担をかけない走りは必須となります。 4戦連続使用が義務付けられたギア・ボックスが壊れてしまうと5番手降格になりますが、このルールの盲点を衝いてくるティームがありそうな気もしますが・・・。 そういった意味ではマクラーレンも決して磐石ではありません。 フェルナンドが抜けてセットが決まらないとか開発が遅れるのでは?という指摘もありますが、それはそれで若い彼らが乗り越えなければならないことでいつかは直面する事案です。その壁を23歳と26歳で経験できるメリットの方が多いことは明らかです。マクラーレンの総合力で彼らをバック・アップできればこれは大きなマイナスではないと考えています。 僕が磐石ではないと考える理由はもっと別の部分にありますが開幕戦を観てみないとなんとも言えない部分もあります。 マクラーレンのマシンはタイアの使い方や役割が昨年と変わっているように見受けられる点です。これもルノーのところで書いたように単に熟成の遅れや、基本セットが決まらないことによるものなら問題はありませんが・・・。 そんなわけで開幕戦と第2戦は乱戦にならない限りフェラーリ、マクラーレン、ウィリアムズがトップ争いをするはずです。 中でも昨年の成績も踏まえネガティヴな要素が少ないのはウィリアムズです。フェラーリ、マクラーレンは必勝体制下で結果が求められているので気負わずに戦えるのはウィリアムズでしょう。 今年の開幕戦と第2戦は面白くなりそうです。おそらくこの2戦の連勝はないと僕は見ています。特にクアラルンプールのセパンは波乱の予感。 今週が楽しみです。
March 9, 2008
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久しぶりの更新でかなり長くなってますので時間が無い方はスルーしていただいて結構です。 GP2アジア・シリーズがドバイで開幕しました。 GP2の注目度に関しては昨年からこのブログでも言及しているのでここではあえて書きませんが、僕が今季のGP2アジアに注目していた理由は一つです。 出来ることなら吉本や小林などの日本人ドライヴァーを応援したいところですが、僕が注目しているドライヴァーから比べるとどうしても見劣りすることは否めません。 そのドライヴァーはロメイン・グロージャン。フランス語の発音に近づけるとロマン・グロジャン。ARTからエントリーしているフランス人ドライヴァーで若干21歳。 昨年のユーロF3チャンピオンで、可夢偉のティーム・メイトでもありました。昨年、僕はASMがロメインと同じマシンを用意しないために可夢偉は伸び悩んでいるのだと思っていました。 まァ今でもそう思っていますし、事実ではあるのですがそれだけではなく、ロメインのパフォーマンスそのものが高いことも今回のGP2アジア開幕戦でハッキリしました。ロメインはマカオでも光るものがあって「このドライヴァーは凄いぞ!」と感じた僕の直感は外れていなかったようです。 GP2は2ヒートで2レース目はリヴァース・グリッドになるので連勝が難しくなっていますが1レース目をブッチぎって、8番グリッドからスタートした2レース目も早々にパスしながら危なげなくトップに立つと終盤はペース・ダウンし、レース・コントロールする余裕まで見せて2連勝。 ロメインはルノーのスカラシップを得ているので今季はルノーのテスト・ドライヴァーも務めています。 最近は光るものを持っているダイアの原石のようなドライヴァーはすでにどこかのスカラシップを得ていることが多く獲得に障壁があることは珍しくありません。獲得できてもレンタルで1年程度でしょう。 トヨタやホンダが結果を出せずに伸び悩んでいる最大の理由・・・この真相を両者共に気づくことができず停滞していますが一番の理由はドライヴァーのポテンシャルとパフォーマンスです。 戦闘力の高いマシンは闇雲に作っていたのでは作れません。もっと厳しい言い方をすればエンジニアやデザイナーのアイデアを形にする従来の手法でタイムを詰められるだけの時代は終わっています。 語弊があるので補足しなければなりませんが一つのアイデアで詰められるタイムには限界があります。仮にコンマ1秒縮めることができればそれはとても大きく意味もありますがその技術のために投資する額を考えたときに見合っているのか否かの判断が求められる時代であることも忘れてはいけないのです。 また、その技術に投資する際、現在は最高峰のドライヴィング・スキルやドライヴィング・テクニックを持つ者に使わせて判断しなければ正確なデータも取れません。 モータースポーツに参加する日本企業はこの点の考え方がまだ立ち遅れていて、勝てるようになるまではベテランを起用し多くのデータを集積することに主眼を置いています。 もっともらしく聞こえますがデータの集積だけでいつかは勝てるマシンが作れると思っているとしたら、買っていればいつかは当たるかもしれないと思っている宝くじと同じようなものです。それではタナボタ以外の勝利は見込めません。 データ集積は重要ですが集積したデータを分析整理しキッチリ活かすことができるフィールドはもっと大切です。これにはマシンの設計思想(長所、短所等)を理解咀嚼してドライヴィングや戦術に反映できるスキルや柔軟性を持っているドライヴァーを起用することなども含まれます。 対価に見合った仕事ができるかどうかの判断も今のトヨタ、ホンダのマシンの出来では微妙ですが近年のステップアップ・カテゴリーで優秀な成績を修めているドライヴァーを積極的に起用していくことも重要です。 激変させる必要はありませんが大事なことを見誤っているといつになっても競争力は身につきません。自分たちの技術レヴェルや方向性の是非を諮り知ろうと思うなら年々変わるレギュレーションに対応する順応性を備えて成長する若い世代に託してみるのも手です。 まだ開幕前ですから多くのことを書くつもりはありませんがウィリアムズの今季の出来の良さはこの点と無縁ではありません。 ずっとニコを起用し彼のポテンシャルを十分に活かせるマシンが作れれば勝機は拡がる。そう信じて経年熟成を重ねたからこそ今季のレヴェル・アップがあります。 技術面では世界をリードできても日本企業の戦略戦術やエンジニアの時代錯誤感は未だ否めないのが現状でこれこそがトヨタ、ホンダ停滞の元凶です。 ロメイン・グロージャン。 彼は間違いなく次世代型のスキルを備えたドライヴァーですからフェルナンドが1年でフェラーリに行ってしまってもルノーとしては損はしません。むしろ複数年契約の不履行で違約金を取って(取れるかどうかは今季の成績次第でしょうが)新鋭フランス人ドライヴァーのロメインを座らせるほうが賢い選択にも思えます。 フェルナンドがフェラーリに行ってしまってもルノーも損をしないようになっているところあたりはさすがルノーです。 ロメインもまだ荒削りな部分がありますがF1に上がってくるのが非常に楽しみなドライヴァーであることは間違いありません。 ちなみに昨年から僕はことあるごとにF1にステップアップするための重要性としてGP2を挙げているのはその独特なマシン特性にあります。 他のフォーミュラ、例えばフォーミュラ・ニッポンなどと比べると異常とも思えるほどリア・ヘヴィです。一般的なフォーミュラのように前後の重量バランスが理想的でなくスナップやハイサイドなどのスピン・モードがF1よりもかなり速いのです。ですからGP2にはとっても繊細な専門的なドライヴィングが要求されます。 F1の場合馬力が凄いとは言ってもダウンフォースは効いてますし、溝がついているとは言ってもタイアのグリップも強大ですから回りはじめたら速くても回るまでの限界も高いのです。 F1と比べたらリア偏重特性を持つじゃじゃ馬ビッグ・フォーミュラであるGP2で磨かれたスキルやテクニックはF1マシンをまるでグランツーリスモのように快適かつ安心して扱える感覚をもたらしてくれるはずです。 僕が言ってるステップアップ・カテゴリーの重要性は単にスキルやテクニックだけでなく、こういった限界過渡域の感覚を養い様々な引き出しを設けることが最も重要であると考えているからです。 このGP2カテゴリーの出現に関しては、僕はFIAが確信犯的に行った可能性があると睨んでいます。すなわちF1へのステップアップ・カテゴリーとして無比なるものを作り出す・・・という目的においてです。 今でもそうですがそれまではF3から上がってくることが多く、日本人で初めてそれを達成したのが佐藤琢磨でした。琢磨の出現や存在がヨーロッパのモータースポーツ先進国に僅かでも脅威を与えた可能性は否定できません。 彼らはもう一度F1へのステップアップ・カテゴリーの求心力をヨーロッパ地域に戻すべく、メニューの見直しと強化を図り、それに呼応するかのように少しずつF1のレギュレーションもシンクロさせ始めた・・・というのが僕の分析です。あくまでも推定ですが、今のところFIAの目論見は達成されています。 観客動員もほとんどがF1と併催ですから問題ありませんし、何よりGP2がジャジャ馬であることを知っているのでドライヴァーの技量を関係者にもアピールしやすい環境です。とはいえ、イコール・コンディションを標榜しているにも関わらず必ずしもイコールではない部分に課題があるとも言えますが、それはF3でもフォーミュラ・ニッポンでも変わらないので大きな問題とはいえません。 ドライヴァーを見極める目に長けたフランク・ウィリアムズやパトリック・ヘッドなどは逸早くこのGP2に注目していたはずです。 昨年活躍したルイスをはじめ、ニコやヘイキもこれらの感覚が鋭いドライヴァーです。おそらくネルシーニョや中嶋も例に漏れずこの部分の感覚は優れているのでは?と考えていますがまだ実戦での走りを見ていませんので正確な評価は出来ません。 そして彼らに間違いなく続くのがロメイン。ルイス、ニコ、ヘイキの強力なライヴァルになります。 一方フォーミュラ・ニッポンを乗り続ける小暮君はどうか?正直微妙だと思います。これは小暮君の能力を疑っているのではなく双方のカテゴリーが持っているステップアップ・カテゴリーとして考えたときの差です。F1に行くことが目標ならばGP2のほうが良いと思います。 今季ウィリアムズに搭乗する中嶋一貴にはいやでも期待が集まりますが、僕は長い目で見たいと考えています。焦る必要はありませんがF1で成功するにはそれなりの結果は出す必要があります。 一方、小林と平手はこのリア・へヴィ・フォーミュラに順応できるか否か解りません。平手は昨シーズンGP2に乗りましたがパッとしませんでした。小林は今季GP2アジアにエントリーしていますが開幕戦は不運も重なって振るいませんでした。 しかし、ドライヴァーには不運さえも逃げ出してしまうほどのセッティングやドライヴィングの狡猾さ上手さが要求されるのは事実です。 速いだけでチャンピオンは獲れませんし、ステップアップもできません。 それはマシン作りも同じこと。良いと思う技術を満載すれば勝てるという時代ではありません。ハーモニーではなくもはやシンフォニーの時代です。 トヨタ、ホンダはそのシンフォニーにかなり乗り遅れています。
March 5, 2008
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