2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
全4件 (4件中 1-4件目)
1
警察介入で入院依頼の患者さんが来る、というとこっちも身構えている。だが、非常によくある事例で、警察介入でも診察室で入院を受けなかった何例かのケース...それはタクシーの無賃乗車だ。本人は単身生活、または家族と生活していたとしても手持ちの現金がない。時には食べるにも困って、親族に生活費を無心に行く。またある時には、調子が悪いと受診しようとタクシーに乗って行ってしまい、到着した時にお金がない。タクシーの運転手は当然、料金を支払ってもらいたいと到着先の親族に要求する。到着先が医療機関であれば医療機関から家族に連絡が行く。しかし、そこで家族もしくは親族が、料金の支払いを拒否する。「警察に引き渡していいか」「そんなもん知らん。支払うつもりはない。引き渡してもらってよい」これが警察沙汰の原因だ。警察へ連れて行かれたものの、会話の内容がいまひとつ噛み合わない。家族がすぐに引き取る場合と、目一杯拘留されてから引き取る場合があるが、その帰り道、そのまま病院へ「入院させたい」とやって来る。本人は診察室できょとん、と静かに座っている。本人の意思に反して強制的に入院をさせなければいけない状況ではない。「ここでおとなしいだって?何回も金の無心に来て、本当にコイツには迷惑している。警察沙汰にまでなっているんだ。入院させてもらえないってどういうことだ」と家族あるいは親族は詰め寄ってくる。本人に尋ねると、「お金をもらおうと思って(親族のところへ)行った」「助けてもらいたくて医療機関へ行った」などと話している。生活費や通院費がなくなって親族を頼ろうと思うのは、ごく自然な流れで、健全な考え方だと思う。決してご近所で銀行強盗や窃盗をしようと思ったわけではない。ギャンブルなど多額でなくても、親族が金の無心で困るのは分かる。だが、そのことと、実際に乗ってしまったタクシー料金をその場で他人に支払おうとせず迷惑をかけるのとは、別の話だと思う。警察沙汰になっている、と言うけれど、そうなってしまったのは家族や親族がタクシー代を支払わなかったからだ、と私は思う。つまり、「警察沙汰」を作ったのは、親族だ。こういう親族は、患者さんの入院生活に協力しないし、入院費さえ支払うつもりはない、とまで思ってしまう。数千円のタクシー代を支払おうとしない親族が、数万~数十万に及ぶ入院費をちゃんと支払うはず、なんて誰が考えられる?民間病院としては、そのリスクはとれない。他の医療機関へ無賃乗車(救急車をタクシー代わりに利用する患者さんもいる。救急車が到着するとスタスタと自分で降りてこられるのだ...)で乗りつけたのを紹介状つきでよこされたのもあるが、「本人がそちらへ受診希望があるのでしたら、そちらで」と差し戻した。無賃乗車や無銭飲食、万引きは警察に引き渡せても、医療費を踏み倒したのはなかなか警察に突き出せないわけで、難しいところ。実際医療費は支払わなくても、強制的な徴収なんてされっこない、と考えている人は、少なからずいる。以前、糖尿病で視力のない患者さんの入院費を内縁の妻が滞納したという理由で、看護助手がその患者さんを公園に置き去りにしたというニュースがあり、その医療機関が倫理や人道に悖るとひどく叩かれ、謝罪していたのを覚えている。確か、年金をもらっていたため、本人はそこから入院費が支払われているものと思っていた。だが内縁の妻はそれを別のことに使って、入院費を支払わなかったのである。これが医療機関側の保護義務の問題で、内縁の妻の詐欺罪は問題にならないっておかしくない?マスコミにも、もっとそっちを問題にしてもらいたい、と思ったものだ。
2008年03月23日
コメント(2)
最近、果物の新しい品種を目にすることが多い。特に柑橘類は全盛だ。温州みかんが終わってから出回る春の柑橘。「はるみ」「はるか」「まりひめ」「はまさき」「せとか」...野菜などの宅配を毎週頼んでいるが、注文書にあったので、試しに「はるみ」と「せとか」を頼んでみた。「はるみ」は外皮の感じもいわゆるみかんのちょっと大きめといった雰囲気。「せとか」はみかんというより、ネーブルや伊予柑のような、オレンジに近い。どちらもこれまでの柑橘を想像して口に入れると、衝撃的な甘さ。果実を包む内側の皮も薄くて口に残らない。水分は「はるみ」の方が多いか、「せとか」の方が風味や香りが濃厚か。無選別の商品なので、1個だけ甘味の薄い「せとか」があったが...。「せとか」のいいところはネーブルと違って、歯に挟まらない(笑)ことと、外皮と実が離れやすいことだ。シーズンはそろそろ終わりなのに子どもがすっかり「せとか」にハマってしまったので、ネットで安い商品を探して箱で追加購入。いちごもリンゴも、新しい品種が出回って、昔のものを見なくなった。いちごは、昔は軽トラックでどこから来たのか分からないオバサンが売りに来たのを記憶している。学校から帰って玄関のドアを開けると、漂う匂いで「今日はイチゴ屋のオバサンが来たんだ!」とわかったものだ。このイチゴ売りのオバサン、来るのは不定期だったから、せっかく来てくれても「さっきで買ってしまった」ということがだんだん多くなり、「スーパーができたからダメだねえ」と気づいたら来なくなってしまった。あのオバサンが売っていた、匂いの強いイチゴは「ダーナ」という品種だったはず。今でもあのイチゴにすごく憧れがあり、もう一度食べたい、と思う。中まで真っ赤なダーナは、スプーンの背でぎゅーっとつぶして砂糖をスプーン2杯くらいかけて(今は亡き父の食べ方である。父は時としてこれにバナナのスライスまで入れて混ぜていた!)、牛乳をかけると、かなり濃い色のいちごミルクになった。だが、今見るのは「とちおとめ」「とよのか」「あまおう」「章姫」「紅ほっぺ」...章姫ですら、数年前に比べれば「紅ほっぺ」に押され気味である(果肉が軟らかくて擦れに弱いのが原因だと思う。)ちょっと前までスーパーに並んでいた、もちがよくて酸味の強い「女峰」、ゴリゴリして私が嫌いだった「麗紅いちご」はどこへ行ったんだ。今のリンゴは、つがる、ふじ、ジョナゴールド。アップルパイにはやはり昔ながらの紅玉だが、かえって高価だったりする。昔、スーパーにあったリンゴ、給食で出たリンゴは、黒みがかった濃い赤色に筋のない斑点で、お尻のすぼまった、「スターキング」だった!黄色いりんごなら、「ゴールデンデリシャス」。大きいりんごなら「陸奥」「世界一」。給食のスターキングを皮ごと食べて、ちょっと牛乳を飲んだ時の、あの混じった後味が好きだった。先日、久々にそのスターキングを見つけ、「懐かしい!」と購入。家で食べたのだが、こんなだっけ、と思うほど果汁が少なくて、ガリガリと硬い。ハミガキのCMで「リンゴをかじると歯茎から血が出ませんか?」ってのがあったが、確かに今のリンゴは齧っても多少の歯槽膿漏では歯茎から血が出ないだろう。子どもにも「甘くない」「美味しくない」と不評。私は甘味はそれなりにあると思ったのだが...。私一人で食べるからいいや、と牛乳を出してきて、一緒に食べた。昔の給食の味がした。いちごの「ダーナ」も今食べたら美味しいと思えないのかな...。
2008年03月14日
コメント(0)
先週は忙しすぎたな、と自覚はしていた。凄い仕事量で、ほとんど医局に座っていない。朝から途切れない予約外と初診の合間に昼食を15分で掻きこんで病棟へ走って、初診即入院の処理をしながら現在入院中の患者さんに面談して移室して空き室を作り、同時に行動制限中の患者さんを診察の上行動範囲を変更し、折り返し外来へ戻って残りの初診、外来診察中なのに別の病棟の患者さんの発熱を連絡され(それも内科医退勤直後...)、外来中にそっちの患者さんの検査をこっそり至急でオーダーして結果を待ち、外来患者さんを検査に出してその隙に病棟へ診察に行って、Uターンして続きの診察。これ、実際にやっていたことの一部なんですが、読んで、分かります?初診を待たせながら病棟で同時に3人の患者さんの処理を行なっているときなんかは、頭フル回転。看護師の当日リーダーは私が今誰の処理をしているのかなんてお構いなく、別の患者さんの指示を確認してくるし。週が終わってフラフラしながら帰宅。その夜は疲れているのに眠れず、少しうとうとして夢を見ては起きる状態を4回繰り返した。翌朝、立ち上がることもできないし、どうもおかしいと思ったら、体温計が39℃を指している。水分を摂らないといけないが、枕元に置いてもらっても、ベッドから上半身を起こすことすらしんどくて、みかん1個を続けて食べることができない。2房食べて休み、また3房食べて休み、吐き気はないがほとんど飲まず食わずになってしまった。昨日の夜は38℃を下回るくらいまで熱が下がってきて、かなり気分がよくなり、寝てばかりいるのも飽きてきてブログを書いたけれど、脱水も続いていて、せん妄っぽかった。夜中に目が覚めると、ここが病院だと思って、階段を駆け下りてどこかへ行こうとして(やたらに子どもの部屋などのドアを開け、外まで出そうになって気がついた)、やべえ、と思った。タミフルは服用していない。高熱の患者さんの診察をしたので、ちょっとインフルエンザも疑ったけれど、患者さんの検査は(-)だった。検体が不適切だった可能性もあるが、ウイルスをもらってきた心当たりがない。昨日のブログも軽い意識障害下で書いていたかもしれない...。明日からまた仕事しなきゃいけないし、今日は反省して早めに寝ます...。
2008年03月02日
コメント(3)
タイトルの映画を観てきた。原作は医師の手によるもので、2006年に「このミステリーがすごい!」賞をとっているそうだ。だが医師の目から見るとあまりにも当たり前すぎる犯人で、「この人を犯人にしちゃうんじゃ反則だよな」という感じで、ミステリーとしては冗長な感もありながら「葉桜の季節に君を想うということ」の方が騙される楽しみはあったように思う。個人的に不定愁訴外来の竹内結子が、患者さんに「たまには僕らが先生の愚痴を聞いてあげるから」と言われているところで、泣けた(職業柄である)。また、オペのシーンはよくできていて、メーンの部分以外は下っ端の医師にやらせてるところとか、心停止させて人工心肺に乗せ、また回復液を入れて心拍が再開するところなど、ローテート研修していた頃を思い出した。心停止→人工心肺→心拍再開なんて、現物を見ていてもイッツマジック!本当にちゃんと心拍が再開するのか、ドキドキした。人工心肺を停止して、最初は心筋が痙攣するように、徐々に安定した拍動が再開していく様子は、毎回感動もの!ある限られた時間、まさに心臓を眠らせるのだ。術中死の後、竹内結子が泣き崩れるシーンがあったが、私もオペ後どころか、オペ中に泣き崩れたことがある。麻酔医というのは全国的に数が少なく、ある程度の規模の総合病院でも外科手術であれば外科医若手の一人が麻酔を担当、なんていうのが常々だった(10年以上前の話)。たまたまローテート中の研修医がいれば、低リスクのケースでは麻酔を担当するのは研修医の仕事だった(今のローテーターの先生たちに尋ねると、臨床研修医制度が確立して以後は、やらされていないようだから皆さん安心してクダサイ)。麻酔をかけるか、最後の縫合をやるか、期間中どのオペでもどちらかをやっていた。気管内挿管のトレーニングとしてだけでなく、オペ中の麻酔をなんと「1年目の私」がやっていた。スムーズに進む場合はほぼマニュアル通りに事が進むが、急変時にはオペ中の上級医の誰かが手をおろして(手洗いをして術野の清潔操作をしている医師が、中断して)駆けつけるのだ。オペも麻酔もスムーズに進むことがほとんどだったが、オペ終了と同時にタイミングよく麻酔が覚めないと外科の気短な先生たちのご機嫌を損ね、怒鳴られることが多々あった。慣れないうちは、オペの残り時間(皮膚縫合まで終わる時間)の感覚がつかめず、まだ術野をいじっているのに麻酔が浅くて反射が出たり(「バックアップ!」と怒鳴られる)、皮膚縫合まで終わっても全く自発呼吸が出ずにオペ室に長居を強いられたりして(「おい、まだ覚めないのかよー」とブツブツ言われる)、溜息ばかりだった。筋弛緩薬には比較的長く有効なものと、短くて効果が切れるものの2種類があり、オペ中一定時間ごとに追加していく。また吸入麻酔薬は脂肪に親和性があるため、女性なら体重の割に多く、肥満の人ほど多く使わないと効かないし、脂肪蓄積量が多い分抜けるにも時間がかかり覚めにくいということになる。慣れてくると、オペの終了が近くなったら筋弛緩を追加せず、吸入麻酔薬をギリギリまでしっかりかけるとか、そのへんで調整できるのだが、初めはひどいものだった。皮下組織の縫合にとりかかる前くらいに自発呼吸を出し、皮膚縫合が終わって片付いた時点でリバースを打って患者さんにさくっと起きて頂ければベストである。血圧にばかり気を取られていたら、予想以上に長時間のオペでトータル輸液量を入れすぎ、途中から利尿剤を使って必死に出したとか(血圧が維持しにくければ、水で、でなくて早めに膠質浸透圧を上げることを考えなくてはならない)、予想以上の大出血でMAP(濃厚赤血球)をパンピング(通常の輸血のような点滴でなく、大きな注射器で直接吸って、シリンジを手で押す。MAPなんてのは粘度が高いし、大きい注射器だから、力仕事だ)でがんがん入れて筋肉痛になったとか、まあ、いろいろな経験をした。なかなか麻酔が覚めないことにイライラした上級医(一番気の短い先生だった)に「じゅびちゃん、もういいよー。リバース打っちまえよー。帰れないじゃんかよ」と怒鳴られ、指示どおりにしたら病室へ戻ったところで呼吸が再停止し、その場で緊急挿管したなんていうとんでもない、そして忘れられないエピソードもある(この件では後にこの上級医がしこたま油を絞られた)。私が外科にいたのはほんの数ヶ月のことだけれど、その間ほぼ毎日のように麻酔をかけていたわけで、何度か「これは危ないんじゃないか」という緊張を強いられる場面がなかったわけではない。1度だけ、あまりの緊張と恐怖でオペ中に嗚咽してしまったことがある。「じゅびちゃん!途中で泣くな!最後まで自分の仕事をやれ!オペ中に何かあった場合は、すべて俺が責任を取るんだからな!」と怒鳴ったT先生からは、今でも年賀状を頂いている。...カッコよすぎるぜT先生。結果として、私か麻酔を担当した患者さんで手術中に亡くなった方は1例もなく、麻酔によって生命にかかわるような合併症を引き起こしたケースも1例もなかった(輸液が多すぎた患者さんも、元気に退院された。だから書ける)けれど、細かいことを言えば私が麻酔担当でさえなければ入院日数がもう1日2日短縮した、医療費が数千円安くなった患者さんが一人もいなかったと言い切る自信はない。このレベルでも医療ミスといえば医療ミス、だが卒後一人前になるまで、またなってからも、何一つ失敗したことがない、と言える医者はこの世に一人もいないはず。もうすぐ私も当時のT先生と同じ年代になる...。なかなかT先生のようにカッコよくなれないな。
2008年03月01日
コメント(0)
全4件 (4件中 1-4件目)
1
![]()

