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2015年02月19日
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カテゴリ: 羅刹
 そう言えば、私と斉子女王もあんな風に渡殿の下に隠れたことがあったっけ。

 あれはまだ能季が十歳になるかならないかくらいの頃だったろうか。

 父に連れられて小一条院へ行った能季は、いつものように瑠璃女御のところへ呼ばれ、宮たちと一緒にかくれんぼをしようということになった。

 鬼は斉子女王の兄宮。能季と斉子女王は一緒に御所の塗籠や屏風の陰に隠れたが、目ざとい兄宮はすぐに見つけ出してしまう。

 口惜しく思った能季は、ふいに斉子女王の手を掴んで庭に降り、渡殿の下に隠れた。ここなら絶対に見つかるまいと思ったのだ。

 案の定、兄宮は渡殿の上を何度も通るものの、まさか下に隠れているとは思いもよらずに通り過ぎるばかり。

 能季と斉子女王は声を殺してくすくす笑いながら、兄宮が戸惑って探し回るのを楽しんでいた。

 その時、能季はふとまだ斉子女王の手を取ったままだったということに気づいた。

 斉子女王の手は小さくて、指先が少し冷たかった。



 斉子女王もやがてそっと握り返してくれた。

 その小さな指先の儚(はかな)い感触……その時から、能季の心から斉子女王の面影が離れなくなった気がする。

 その時には淡くただ暖かいだけだった想いは、年を追うごとに次第に熱く胸を焦がすようになっていった。

 といっても、能季自身は迂闊(うかつ)にもその心の高まりに気がついてはいなかったのだけれど。


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最終更新日  2015年02月19日 17時20分26秒
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