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コロナ禍で派遣切りにあった私が、たどり着いたレストランのスタッフ仲間たちがよく喋る。毎晩のように朝まで厨房で飲み明かし、仲間のトラブルに真面目に立ち向かう。反面、私は何の特技もないし、コミュ力もない、いわゆる普通にもなれない。とりとめもない、ごちゃごちゃした会話(でも内容はある)や場面展開の速さについていくだけで必死な読書でした。普通の基準は自分なんだから「自分が良ければ、全て良し」でいいんじゃない?ハジケテマザレ [ 金原 ひとみ ]
2023.12.13
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タイトルの意味を調べたら、表紙の絵の通り。様々な調理方法でひとつの食材を生かすこと。でも作者の意図は全く解らなかった。コロナ禍で主人公の女性小説家が大学生の彼氏と同居することになると、中学生の娘はパパと暮らすと言う。最初の夫、2度目の夫とも今も連絡を取り合い、娘の誕生日に一緒に食事をしたりする関係。そのことを彼氏も元夫たちも承知している。離婚した夫たちと友人としてつきあっている。こんなこと現実にあるのだろうか?友人の女性作家2人は全く違うキャラ。3人の飲み会で高尚な会話が飛び交うところは面白い。デクリネゾン [ 金原 ひとみ ]
2022.12.30
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銀行員で腐女子の由嘉里が、歌舞伎町でキャバ嬢のライと出会い、一緒に生活することになる。ホストのアサヒや小説家のユキとゆるい関係が出来る。オタクで2次元の世界しか知らず、なんとなく婚活しようかな、と思っていた由嘉里が知らなかった世界。まるでコントを見ているような由嘉里の一人称が語りが心地よかった。「人が人によって変えられるのは45度まで。90度、180度ねじれたら、人は折れる」というユキの言葉が印象的だった。自分の意見を押し付けず、相手を認め、話を聞いて、必要な時には寄り添ってくれる人間関係は理想的だな。ミーツ・ザ・ワールド [ 金原 ひとみ ]
2022.05.04
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「アタラクシア」とは哲学用語で、・心の平静不動なる状態のこと・乱されない心の状態・激しい情熱や欲望から自由な平静な心のさま読み終えてから意味を調べたら作品の内容と真逆でした。登場人物たちは恋愛、仕事、結婚、DV、不倫・・・に振り回されて心も体もボロボロになってそれでも何とか生きている。理屈では説明できない人間の欲望や苦悩がそれぞれの一人称で描写されていて、金原さん独特のねっとりとした筆致です。でも、自分以外の目線で見方を変えれば、他の道が開けるんじゃないかと思わせるところもあるかな。アタラクシア [ 金原 ひとみ ]
2021.03.24
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人の心をえぐるような筆致は相変わらず。姉妹の共依存というか葛藤を描いた作品です。世界中に膨大な情報があふれ、SNSを通じて誰とでも繋がれる現在。当然、すべてを知ることはできないから、フィルターをかけて自分の欲しい情報だけを取捨選択する。そうしたら、自分の過去の記憶も、今まで生きてきた人生も、書き換えてしまえるのではないかと、錯覚してしまいそうになるような内容でした。クラウドガール (文庫) [ 金原ひとみ ]
2020.07.25
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ちょっと複雑な関係のラブストーリーですね。未来に希望があるのか。それは自分たちで作り出すものなのか?軽薄 [ 金原ひとみ ]【内容情報】(「BOOK」データベースより)十代の終わりに、ストーカーと化した元恋人に刺された過去を持つカナ。29歳のいま、裕福な年上の夫と幼い息子、仕事での充足も手にし、満たされた日々を送っていた。そこに、アメリカから姉一家が帰国。未成年の甥から、烈しい思いを寄せられる。危うさを秘めた甥との破滅的な関係は、彼らと、彼らを取り巻く人々をどこに運ぶのか。-空虚への抗いと、その果てにある一筋の希望を描く渾身の長篇小説。
2018.12.19
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震災のせい?いいえ、原発事故のせいで移住しなければならなかったり、正しい情報が無いせいで離婚の危機に追い詰められたり、人生が180度変わってしまった人たちの物語です天災でさえ行政のせいにして声を上げる日本人が、人災である原発事故に対してなぜもっと声をあげないのか読了後、タイトル『持たざる者』の意味が解りました自分にはない他人のものをうらやむこと、根拠もなく周りに流されること残念ですが、日本人の心の底にはある種の諦念が流れていて、日本の為政者はそれを巧みに利用してきたような気がします原発事故後の正確な情報が国民に伝わらなかったことにより、被曝被害が拡大し、西へ避難した母子が自分勝手だと世間から非難され、移住したくてもできない人たちには何の支援もないまま5年が過ぎようとしている“知ろうとすること”が大事だと痛感しました【楽天ブックスならいつでも送料無料】持たざる者 [ 金原ひとみ ]震災、原発事故、子供の死、義理の家族との軋轢・・・抗いようのない形で人生が進んでゆく4人の30代の男女。四者四様の思いが絡まり合い、人生の葛藤が鮮やかに描かれる。4年ぶり渾身の長編小説。 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 僕はどこだが分からないここにいるー修人。全ての欲望から解放された、いや、見放されたー千鶴。人生とは結局、自分自身では左右しようのないものーエリナ。きっと、私がここから別の道を歩む事はないだろうー朱里。他者と自分、世界と自分。絡まり合う、四者の思い。思いがけない事故や事件。その一瞬で、ねじ曲がる。平穏な日常が、約束された未来が。混沌、葛藤、虚無、絶望。四年ぶりの傑作長編小説。
2016.02.27
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6つの短編集です。金原さん作品は『マザーズ』【送料無料】マザーズ [ 金原ひとみ ]以来です短編のせいか、とても読みやすかったけど、トゲが無かったかな毎回毎回、成長してますネひとみさん【内容情報】(「BOOK」データベースより)キスをして抱きしめられて、初めて普通の状態になれたーあの頃。自分一人だけで、自分一人として、存在できるようになったー今。結婚と愛の変転をめぐる6つの物語。
2013.03.06
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年越しで読みました。子どもを産み育てたものとしては、感慨極まる場面もありました。高校中退して19歳で結婚し、作家になって出産したユカは、なんだか作者と重なるような気もします。密室育児の末、わが子を虐待してしまう母親なんてたくさんいると思うけど、涼子のように試行錯誤して悩みぬく人がどのくらいいるのか三人の母親に共通するのは夫の不在でしょうか母性なんて父親不在の家庭で生まれるはずもないのに、子どもを愛せない自分を責めてしまうんですよね男性が読んでも理解できないかも【内容情報】(「BOOK」データベースより)同じ保育園に子どもを預ける三人の若い母親たちー。家を出た夫と週末婚をつづけ、クスリに手を出しながらあやういバランスを保っている"作家のユカ"。密室育児に疲れ果て、乳児を虐待するようになる"主婦の涼子"。夫に心を残しながら、恋人の子を妊娠する"モデルの五月"。現代の母親が抱える孤独と焦燥、母であることの幸福を、作家がそのすべてを注いで描きだす、最高傑作長篇。
2012.01.06
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hydra(ハイドラ)とは、ギリシャ神話で九つの頭を持つ大蛇。 読み終わってから調べて、なんとなく表題の意味が理解できた感じです。最初に調べときゃよかった! 私みたいに20代をとうに過ぎた者としては、「若者よ大いに悩め、人はひとつの殻に収まるものではない!」と言いたいですね。 読後感のすっきりしない(それがこの作家のいいところ)でも心にずっしりくる作品でした。星三つ
2008.01.26
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