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老人施設で入所者の人工呼吸器が外されて死亡する事件が起こる。介護士の女性が疑われ、警察署で取り調べを受ける。そういえば、琵琶湖の近くの病院で似たような事件があったな、と思いググると、「2003年に患者を殺したとして12年服役した後、2020年3月に再審無罪判決が確定した」という記事が見つかった。この作品でも、気の弱そうな女性介護士を警察が考えたシナリオ通りに誘導し、犯人に仕立て上げる様子がリアルに描写される。これでは日本で「冤罪」が増産されるはずだ。日本の裁判の有罪率99.9%の中には「供述弱者」と呼ばれる人もいるはずだ。ミステリーとはちょっと違う作品かな湖の女たち [ 吉田 修一 ]
2021.07.11
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歌舞伎の女形として成長していく男性の波乱万丈の物語。上下巻で長編なので図書館が休館する前に借りてじっくり読みました。歌舞伎は見たこともないし、よく知りませんでした。この本のおかげで、歌舞伎の奥深さ、荘厳さ、を感じ、コロナが収束したら見に行こうかな、と思いました。能や狂言の要素だけでなく、浄瑠璃の演目もアレンジして、お客様を楽しませるために、江戸時代から脈々と進化しながら、受け継がれて来たのですね。国宝 上 青春篇 [ 吉田修一 ]国宝 下 花道篇 [ 吉田修一 ]
2020.05.08
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映画は観ていないけど、かなり話題になっていたので、清水祐一を妻夫木聡、馬込光代を深津絵里に置き換えて読んでしまいました。無口で不器用な主人公清水祐一がどうしても妻夫木聡とは重ならず、やっぱりDVD観ようかなっと思っているところです被害者の父母や職場の友人、遊び人の大学生、主人公の育ての親である祖父母や実母の人間関係が絡み合い、どんどん引き込まれていきます。どんなに逃げても、警察に捕まるんだろうという結末は予想できるけれど、深く読ませる作者の力はすごいなと思います「大切な人はいるのか」被害者の父の言葉これが一番身にしみました【内容情報】(「BOOK」データベースより)保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。加害者と被害者、それぞれの家族たち。群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。なぜ、事件は起きたのか?なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか。なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう--携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男。再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。二人は互いの姿に何を見たのか? 残された家族や友人たちの思い、そして、揺れ動く二人の純愛劇。一つの事件の背景にある、様々な関係者たちの感情を静謐な筆致で描いた渾身の傑作長編。
2011.04.14
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