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宗教二世の話。あとがきにも書かれているが、安倍さん銃撃事件の前からカルト宗教や二世問題について書かなければならないと思っていたそうです。物語の舞台になった団体は、辻村深月「琥珀の夏」に出てきた団体に似ていた。教祖様を中心に自給自足で社会と隔絶した生活を送る人たちは、その子供たちも、これが幸せだと思いこむ。結局、大人の都合で世間の煩わしさから逃げているだけなのに。教祖様が死んだらどうなるのだろうか。はーばーらいと [ 吉本ばなな ]
2024.01.17
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もうとっくに文庫になっている作品ですが、久しぶりにばななさんを読みたくなって(買わずに)図書館で借りてきました。犯罪に巻き込まれ、手錠をされた左手の親指を砕いて手を抜き当時お世話になっていた女性を助けた主人公のさやか。そのせいで左の親指が動かなくなり、心にも傷を抱える。ショッキングな事件の後なのに助けた女性の息子でもある彼氏に心ない言葉を言われ、手の怪我よりも心の傷を癒しに逃げるように幼い頃暮らしたバリへ。バリで、自然に従い原始的な治療を受けるさやか。怪我は治っても心の傷は治せない。でも、最後にはホッとさせてくれるばななさんでした。サーカスナイト (幻冬舎文庫) [ よしもとばなな ]
2019.12.06
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家族の最小単位は“親子”だと、改めて感じた新年でした かわいい孫も子供がいなければ生まれていない訳で命を繋ぐってすごい久々のばななさんの作品から名言を・・・「子供をばかにしてるのはきっと大人がばかだからなんだな。生きるということに関して、赤ちゃんのほうが僕たちよりもずっとずっと賢いんだ。生きることだけで毎日精一杯な生き物を見ていると、自分が生ぬるく思えてくる。命が燃えて光り輝いている感じだ。毎日はっとするんだ。」-主人公まこの大学の先生の言葉「いい土は温かいんです。人工の肥料は電子レンジみたいなもので、その温かさにえらくムラが出る。だから植物も手が冷たくて頭が熱い人間みたいに、へなちょこになってしまうんです。その差といったら歴然で、野菜の味にも差が出ます。結局は自然にかなわない。時間のスパンさえ多く見ることができたら、自然が解決することばかりがこの世のほとんどで、急ぐのも人間の都合だし、とにかく人間なんてなんにもしてないんです。よくこの世にいさせてもらえるねっていうくらいです。」-主人公まこが大学の先輩に言いがかりをつけられた時に言った言葉【楽天ブックスならいつでも送料無料】鳥たち [ よしもとばなな ]【内容情報】(「BOOK」データベースより) 家族を失い、天涯孤独で身を寄せ合う「まこ」と「嵯峨」。お互いしか癒せない淋しさを抱えた、ふたりの恋のかたちとはー。静かな祈りに包まれる、待望の長編小説。
2015.01.03
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ひさびさに、ばななワールドにどっぷり浸かった感じです。何とも言えないもやもやっとした、はっきりしない、決して結論が出ないところが、読者に投げかける感じで好きです父が知らない女と心中してしまった、という一生消えない傷を負った娘と、それを共有する母。目黒から下北沢に移り、生活していく中で、自分と母の気持ちのズレを感じていく。冒頭にでてくる、フジ子・ヘミングの下北沢についての言葉、 「なにも考えないで広がるにまかせた雑然とした街のつくりが、ときにとっても美しく見えるのは、鳥が花を食べたり、猫が見事な動きで飛び降りるのと同じ、人の乱雑な汚さのようで、実は人の無意識のきれいな部分のような気がする。 何か新しいことを始めると、最初は濁っている。 だがやがてそれは清流になり、自然な運動の中で静かに営まれていく。」ここを読んだ時点で、私の頭の中は状態になってしまって、ばななの魔法にかけられたみたいに読み進んだのでした。大野舞さんの装画も素敵です【内容情報】(「BOOK」データベースより)この街に来てから、私はどんどん素直になっていく。知らない女と心中してしまったお父さん。残された私とお母さんは、新しい人生を始めようと思い立った─下北沢で。どこにでもある、でも、たったひとつの人と街の愛しい物語。ばななワールドからの贈り物。
2011.01.10
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MAYA MAXXさんの挿絵が話の内容と合っていて、視覚的にも楽しめた。犬の絵やイルカの絵がすごくまったりしていてかわいいなんとなく、ほわっと、人間の傲慢さを思い知らされたかな幼いころから隣に住んでいて、18歳で公認の駆け落ちをし、結婚した、まなかと裕志。裕志の顔も知らない父親はアメリカで怪しい新興宗教に入っている。祖父に育てられた裕志は祖父の死という不安を抱えながら生きている。庭に座って景色を眺めるのが好きなまなかは裕志の祖父が死んだ後、二度目のハネムーン(一度目は駆け落ちのとき)へ実母が住むオーストラリアへ。荒れた海を泳ぐ野生のイルカを見て、庭で見ていた自然と同じだと感じる。“自然は風景を変えてゆくことで透明な針をゆっくりと回している”【内容情報】(「BOOK」データベースより)世界が私たちに恋をした-。別に一緒に暮らさなくても、二人がたどる道はいつも家路で、二人がいる所はどこでも家だ...。互いでしか癒せない孤独を抱え、剥き出しの世界へと歩き始めた恋人たちの旅立ちを描く。限りない清らかさと生きることの痛みに彩られた静謐な愛の物語。
2009.05.16
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『サウスポイント』を読んでから気になっていて、その他にも欲しい本があったので通販で買った。最後の恋人とは恋人になった時にはもう逢えなくなる日が決まっている別れることが前提で付き合うマオとハチ私は逆の順番で読んだので、この17歳のマオが『サウスポイント』でおかあさんになったマオさんだな、と頭の隅に浮かんでしまう。関連づけて読まなくてもよい作品だと思う。【内容情報】(「BOOK」データベースより)霊能者の祖母が遺した予言通りに、インドから来た青年「ハチ」と巡り会った私は、彼の「最後の恋人」になった...。運命に導かれて出会い、別れの予感の中で過ごす二人だけの時間-求め合う魂の邂逅を描く愛の物語サウスポイント
2009.05.05
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かつて初恋の少年に送った手紙の一節がハワイアンの調べにのって耳に届き、私はその歌い手を訪ねるが……。 図書館で表紙がきれいだなと思って、手に取ったらばななさんだったので借りてきました。 キルト作家という職業にも興味を惹かれたし、キルトが「ひとの人生を縫い上げる」ものだなんて思いもしませんでした。 注文を受けてその人に合ったデザインを考えて一針一針縫い上げていく・・・・・ 気が遠くなるな~“サウスポイント”とはハワイ島最南端の絶景ポイントだそうで、ハワイへ行ったことがない私には想像もつきません。 本の真ん中に写真が数枚差し込まれていて、ハワイ島の様子が窺えます。 ハワイへ行くんだったらマウイ島よりハワイ島だな。 あとがきに、これは『ハチ公の最後の恋人』の後日談で『まぼろしハワイ』と対になっている、と書かれていたので、さっそく読んでみようと思ってます。↓↓↓『ハチ公の最後の恋人』↓↓↓『まぼろしハワイ』
2008.07.19
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