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医療ツーリズムの話。日本は皆保険だが、保険のきかない最新医療を提供するこのクリニックには自国の治療では完治しない海外の癌患者がやって来る。自由診療なので日本円で数千万の治療費がかかるが、命には代えられない。最初はただ人の命を救いたいと4人の医師で立ち上げたクリニックが、多額のお金が動くことによって人間関係がうまく行かなくなっていく。最先端の医療を追求するはずの医師が、自分に都合の悪い人間を排除していく姿がだんだん恐ろしくなってくる。砂の宮殿 [ 久坂部 羊 ]
2023.06.14
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「生きていることが辛かったら死んでもいいか?」オランダでは尊厳死が認められている。難病で全身が麻痺して回復の見込みがない人や癌の末期で疼痛に苦しんでいる人には、苦しまずに死なせてやった方がいいと思う。いざ、自分がそうなったら安らかに死なせてもらいたい。しかし、病気ではなく、希死念慮が強く自殺願望がある人を死なせてあげるのは善意といえるのだろうか。死んだ後の気持ちは誰にも分らない。医師でもある作者が問いかける。R.I.P. 安らかに眠れ [ 久坂部 羊 ]
2022.06.16
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殺人罪で訴えられた医師の裁判の話。クモ膜下出血で心肺停止した患者が意識不明のまま数日がたち、回復の見込みがないため、生前の本人の意志もあり、家族の了解を得て、尊厳死に導いた医師が3年後に殺人罪で逮捕、起訴される。医療現場を知らない刑事や検察官が本人の供述を無視して、殺人のストーリーを仕立て上げる。これで、有罪になったら医師なんてやっていられない、と思う。思い出したのは、昭和天皇が死亡する前の状態だ。毎日、「下血が何ℓでした」という報道がされていた。延命治療をしても、意識が戻る見込みはなく、機械で呼吸させられて心臓は動いているが、多臓器不全になり、全身がむくんで黒くなり、顔が変わるほどパンパンになる。鼻や目からも出血し、下血すると、すごい臭いがするそうだ。つまり、昭和天皇は尊厳死も許されなかったのか。善医の罪 [ 久坂部 羊 ]
2021.08.15
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ホラーです。作者は医師でもあるのでより現実味が増して、どんどん怖くなっていきます。病気の怖さではなくて、その周りにある人間の心の闇が複雑に入り混じって制御不能になる。病気は人間関係のもつれによってもたらされる。そして、感情のねじれによって、医療ではどうにもできないとんでもない行動も引き起こされる。おーこわっ怖い患者 [ 久坂部 羊 ]
2020.07.14
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タイトルを見て衝動借りしてしまいました久坂部羊さん初めてです。お気に入りの作家が増えました【楽天ブックスならいつでも送料無料】芥川症 [ 久坂部羊 ]あの名作が、現代の病院によみがえるーー文豪驚愕の医療小説! 医師と芸術家の不気味な交流を描き出す「極楽変」。入院患者の心に宿るエゴを看護師の視点で風刺する「クモの意図」。高額な手術を受けた患者と支援者が引き起す悲劇「他生門」。介護現場における親子の妄執を写し出す「バナナ粥」……芥川龍之介の代表作に想を得て、毒とユーモアに満ちた文体で生老病死の歪みを抉る超異色の七篇。 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 名作が現代の病院に蘇る。毒とユーモアで生老病死の歪みを抉る超異色医療小説。【目次】(「BOOK」データベースより) 病院の中/他生門/耳/クモの意図/極楽変/バナナ粥/或利口の一生
2015.02.06
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